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介護医療院とは — 仕組みと対象者をやさしく解説【特養・老健との違いも比較】

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「医療ケアが必要な親の住まいが、どこにも見つからない」

自宅で看取った家族の中には「やっぱり病院に入れてあげればよかった」と何年も後悔している人がいる。誰にも言えないまま、一人で抱えている。その存在を、忘れたくない。 — Xユーザー(緩和ケア医・2026年5月)

緩和ケアの現場に立つ医師が漏らしたこの言葉は、「医療ケアが必要な親をどこで看るか」という、答えのない問いに向き合うご家族の心に重く響きます。

特養は「医療体制が手薄で受け入れてもらえない」、有料老人ホームは「費用が高すぎる」、在宅は「家族が限界」——そんなご家族にとって、もう一つの選択肢として知っておきたいのが**「介護医療院」**です。

ただ、名前を聞いたことはあっても「具体的にどんな施設?」「誰が入れるの?」「費用は?」と疑問だらけ、というのが正直なところではないでしょうか。

この記事では、介護医療院の仕組み(I型・II型)、対象者の条件、費用、特養・老健との違いを、専門用語をかみ砕いて整理しました。

この記事でわかること:

  • 介護医療院の仕組み(I型とII型の違い)
  • どんな人が対象になるかのフローチャート
  • 月額費用の目安と公的軽減制度
  • 特養・老健・有料老人ホームとの決定的な違い
  • 入所までの手続きと相談先

データで見る — 「医療×介護が必要な人」の実態

厚生労働省の最新統計から、介護医療院がカバーしている領域の輪郭をつかんでみましょう。

項目数値出典
65歳以上の要介護(要支援)認定者数約710万人厚労省「介護保険事業状況報告」(2024年度月報)
介護療養型医療施設の完全廃止2024年3月末厚労省「介護療養型医療施設の経過措置」
介護医療院の創設2018年4月厚労省「介護医療院の概要」
介護医療院の床面積基準1床あたり8.0㎡以上介護医療院運営基準(厚労省令)

出典: 厚生労働省「介護医療院の概要」 / 厚生労働省「介護保険事業状況報告」

ポイントは、「医療と介護の両方が長期で必要な人」を制度的に受け止める受け皿として、2018年に介護医療院が新設されたことです。それまで存在していた介護療養型医療施設(療養病床)は2024年3月末で完全廃止され、ニーズの行き場として介護医療院が整備されています。

「親の介護で足腰がボロボロです」家族介護者の中には、身体に異変が起きてから自分の疲れや限界に気づく人もいる。ここまで追い込まれると共倒れや「こんな事になったのは介護のせいだ」とストレスから虐待に発展するケースも。家族の代わりは誰にもできない。身体介護は介護サービスで負担の軽減を。 — Xユーザー(LIFULL介護 編集長・2025年11月)

「医療ケア(痰の吸引・胃ろう管理・インスリン注射など)を、家族だけで毎日続ける」——これは想像をはるかに超える負担です。「在宅でなんとかしなければ」という思い込みを、まず手放してみる。そのうえで介護医療院のような選択肢を冷静に検討することが、家族の生活を守る第一歩になります。


介護医療院の仕組み — I型とII型の違い

介護医療院は、医療ニーズの高さに応じて「I型」と「II型」の2タイプに分かれています。

I型(医療ニーズが高い方向け)

項目内容
想定される入所者重篤な身体疾患、認知症の周辺症状が重い、頻回な医療処置が必要
医師の人員配置基準入所者48人に対し1人以上
看護職員配置入所者6人に対し1人以上(常時)
イメージ旧・介護療養病床(医療型)に近い手厚い医療体制

II型(医療ニーズが中程度の方向け)

項目内容
想定される入所者容体は比較的安定、日常的な医療管理は必要
医師の人員配置基準入所者100人に対し1人以上
看護職員配置入所者6人に対し1人以上
イメージ老人保健施設に近いが、医療体制はやや手厚い

出典: 厚生労働省「介護医療院サービス費の概要」

I型とII型、どう選ぶ?

施設選びの実務では、家族側が「I型かII型か」を選ぶことは多くありません。主治医意見書とケアマネジャーの判断、そして施設側の受け入れ可能枠で決まっていきます。

ご家族にとって大事なのは、**「主治医に現在の医療処置の頻度と内容を正直に伝える」**ことです。これを基に、医療側が必要なタイプを判断します。


介護医療院の対象者 — 3ステップで判定

「自分の親は介護医療院の対象になるのか」を、3つのステップでチェックしてみてください。

ステップ1: 要介護認定は受けているか?

  • 要介護1〜5の認定あり → ステップ2へ
  • 要支援、認定なし → 介護医療院は対象外。まずは市区町村に要介護認定の申請を

ステップ2: 日常的な医療ケアが必要か?

以下のいずれかに該当する場合、介護医療院が選択肢に入ります。

  • 痰の吸引が必要(1日数回〜常時)
  • 経管栄養(胃ろう、経鼻、中心静脈栄養)を実施している
  • インスリン注射・血糖管理が日常的に必要
  • 酸素療法、人工呼吸器を使用している
  • 褥瘡(じょくそう)の処置が継続的に必要
  • 末期がん等で看取りを視野に入れた長期療養が必要

ステップ3: 在宅・特養・有料老人ホームでは対応が難しいか?

  • 特養や有料老人ホームに「医療体制が理由で断られた経験あり」 → 介護医療院を最優先で検討
  • 在宅で家族が医療ケアを担っているが限界 → 介護医療院 or 老健での一時受け入れを相談
  • 比較的安定しており月数回の通院で済む → 特養や住宅型有料老人ホームでも対応可能なケース

注意: これは目安です。実際の入所判断は、主治医意見書・施設側の受け入れ基準・地域の空き状況などを総合して決まります。まずはケアマネジャー、または地域包括支援センター(市区町村ごとに設置)に相談してください。


他の介護施設との違い — 4タイプ比較

「介護医療院と特養、老健、有料老人ホームは何が違うのか」を一目で整理します。

項目介護医療院特別養護老人ホーム(特養)介護老人保健施設(老健)介護付き有料老人ホーム
主な役割長期療養+生活生活施設(終身)在宅復帰を目指すリハビリ生活施設(民間運営)
医師の常駐常勤(義務)非常勤(嘱託で可)常勤(義務)嘱託で可
看護体制24時間配置日中中心24時間配置施設による
入所条件要介護1以上+医療ケア継続原則要介護3以上要介護1以上自立〜要介護5
入所期間長期(終身可)終身原則3〜6カ月(更新可)長期
月額目安8〜17万円5〜15万円8〜15万円15〜30万円以上
看取り対応◎(制度上想定)○(施設により対応)△(在宅復帰が原則)○(施設による)

出典: 厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索」

4つの違いを一言でまとめると:

  • 介護医療院 = 「医療+介護+住まい」が同居している長期療養施設
  • 特養 = 「生活と介護」の終身住まい。医療は外部連携
  • 老健 = 「在宅復帰」を目標にした中期リハビリ施設
  • 有料老人ホーム = 「住まいの選択肢」。医療体制は施設ごとに差が大きい

【特別養護老人ホームで「消耗品を誰が買うのか」問題になったら──】老企第54号を思い出してほしい。【結論】特養で「おむつ代」や「パッド代」は、原則、利用者に請求できません。▼施設でかかる基本のお金 ・介護保険の自己負担(1〜3割)・食費・居住費(ごはん代+家賃的なもの) — Xユーザー(福祉専門家・2025年5月)

公的施設(特養・老健・介護医療院)は、費用の内訳と公的軽減制度を正しく把握すれば、想像より大きく抑えられるケースが多くあります。特に介護医療院は所得段階に応じて「特定入所者介護サービス費(補足給付)」の対象になり、食費・居住費の負担が軽減されます。


介護医療院に入所するまでの流れ

入所までの一般的なステップは以下の5段階です。

ステップ1: ケアマネジャー or 地域包括支援センターに相談

現在の医療ケアの内容(処置の頻度・使用機器)を主治医意見書とあわせて整理します。

ステップ2: 候補施設の情報収集

お住まいの自治体の介護保険担当課、または厚生労働省「介護事業所検索」で地域の介護医療院を検索します。

ステップ3: 施設見学+面談

可能なら平日の日中に見学を。スタッフの表情、入居者の様子、医療機器の整備状況、面会の自由度を必ず自分の目で確認してください。

ステップ4: 入所申込+入所判定会議

主治医意見書・要介護認定情報・施設の判定会議を経て、受け入れ可否が決まります。

ステップ5: 入所契約+ケアプラン確定

費用の見積もり、看取り方針、緊急時対応について、家族・施設・主治医で必ず合意形成しておきます。

待機期間の目安: 介護医療院は全国の施設数がまだ限られており(2024年時点で約800施設)、地域によっては数カ月待ちになることもあります。「親の医療ケアが急に重くなった」とわかった時点で、早めに相談を始めるのが鉄則です。


「専門家に任せる」という選択を、まず許してあげる

ここまで読んで、「やっぱり介護医療院も視野に入れたほうが良さそうだ」と感じた方もいるかもしれません。一方で、「親を施設に入れる」ことに罪悪感を覚える方も多いはずです。

RP 認知症+糖尿病とか、認知症+精神疾患とか…施設でもケアが本当に大変なので、在宅でご家族をみている方の心労は察して余りある。本当にご苦労さまです。罪悪感なく専門家にお任せしていいと思います。 — Xユーザー(介護現場経験者・2026年3月)

医療と介護の両方を必要とする方を、家族だけで支え続けるのは構造的に難しいことです。施設という選択肢は「家族が責任を放棄する」のではなく、**「専門家のチームに引き継ぎ、家族は家族にしかできない時間を取り戻す」**ための前向きな選択です。


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まとめ

介護医療院は、「医療と介護の両方が長期で必要な人」のための住まいです。要点を振り返ります。

  1. 2018年に創設、2024年3月末で介護療養型医療施設の完全廃止後の受け皿 — 制度上の位置づけが明確
  2. 対象は要介護1以上+日常的な医療ケアが必要な方 — 痰の吸引・経管栄養・インスリン注射などが目安
  3. I型(医療ニーズ高)とII型(中程度)の2タイプ — 主治医意見書を基に判断される
  4. 月額目安は8〜17万円、所得が低い方は補足給付で大きく軽減 — 公的施設の強み
  5. 看取りまで対応可能 — 長期療養と生活を両立できる

施設選びに「唯一の正解」はありません。大事なのは、「医療ケアを必要とする親の状態」と「家族が継続できる現実」を冷静に見つめ、選択肢を狭めずに比較することです。

迷ったら、まずは地域包括支援センターやケアマネジャーに相談してみてください。一人で抱え込まなくて大丈夫です。

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次の一歩を、一緒に考えませんか

ここまでお読みいただきありがとうございました。「自分の親は介護医療院の対象になるのか分からない」「特養と介護医療院、どちらを優先すべきか判断できない」というご家族のために、介護のミカタは以下の2つのご支援をご用意しています。

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