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2026年6月の介護報酬臨時改定 — 介護職員+月最大1.9万円(6.3%)、ケアマネ・訪問看護師が初めて対象に

介護のミカタ監修委員会 監修

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「結局、自分の手取りはいくら増えるのか」——通知1枚では分からない

5月7日、厚労省通知の翌朝。特養勤務6年目の介護福祉士・畠中さん(32歳)は給与明細を引き出しから取り出し、ケアマネ歴3年の古橋さん(41歳)は介護職LINEグループで「ケアマネも対象」のスクショを回し、訪問看護師の西垣さん(48歳)は「介護保険給付分のみ」というカッコ書きに手が止まった。 3人とも、通知を読んだ瞬間に湧いたのは「自分にいくら来るのか」の一点。けれど一次資料を辿るほど、答えが施設の加算区分・配分方針・職種で割れることが見えてきます。

介護職ってこんなに社会から必要とされているのに、手取り20万円行かないとか辛すぎない?聞いた話だと地方では手取り13万円って方もいた。介護施設が無くなったら困るんじゃないの?普通の生活も厳しい給料で誰が介護職目指すんだよ。 — Xユーザー(現役介護士・地方の手取り13万事例に言及)2026年2月

「2026年6月から介護職の給料が上がる」——5月7日付の厚労省通知を受けて、業界紙各社が一斉に報じました。けれど通知本体は告示と算定構造の数字が並ぶだけで、自分の給与明細にいくら反映されるのかは書いてありません

しかも今回の改定は、介護職員だけの話ではありません。これまで処遇改善加算の対象外だったケアマネジャーと訪問看護師(介護保険給付分)が、初めて新規対象に加わります

この記事では、通知の核となる数字、対象拡大の背景、職種別の手取り増額シミュレーション、そして6月以降にあなたが取るべき3つの具体的な行動までを、一気通貫で整理しました。

この記事でわかること:

  • 2026年6月臨時改定で何が決まったか(加算率・対象職種・月額換算)
  • なぜ2027年改定を待たずに「臨時」で動いたのか
  • 自分の職種・施設で手取りがいくら増えるかの試算手順

何が決まったか — 数字で見る2026年6月臨時改定

介護職員等処遇改善加算を一律6.3%上乗せ。月額換算で常勤介護職員あたり最大+19,000円。同時にケアマネジャーと訪問看護師(介護保険給付分)を新規対象として組み込む ——これが今回の改定の核です。

2024年6月に処遇改善・特定処遇改善・ベースアップ等支援の3加算が一本化されてから、わずか2年での再改定。2027年度の通常改定を待たず「臨時」措置として6月施行に踏み切った点が、過去30年の介護報酬制度の中でも珍しい動き方になっています。

対象職種と加算率の上乗せ幅

職種改定前の加算対象2026年6月以降月額換算の上乗せ目安(常勤)
介護職員(特養・老健・有料老人ホーム等)対象加算率+6.3%+12,000〜19,000円
訪問看護師(介護保険給付分)原則対象外新規対象+8,000〜15,000円
ケアマネジャー(居宅介護支援事業所)原則対象外新規対象+5,000〜12,000円
介護助手・事務職施設裁量で配分可同左+3,000〜8,000円
看護職員(施設併設)施設裁量で配分可同左+5,000〜10,000円

出典: 厚生労働省「社会保障審議会 介護給付費分科会」(議事資料) / 厚生労働省「介護人材確保関連施策」

「6.3%」という数字の意味

6.3%は、介護職員等処遇改善加算の現行加算率に上乗せされる比率です。施設の介護報酬全体が6.3%増えるわけではありません。誤解しやすいポイントなので、加算率の意味は冒頭で押さえておいてください。

たとえば加算区分I(現行14.0%)の特養なら、上乗せ後は20.3%。常勤介護職員1人あたりの月額換算は、改定前約3.7万円から+1.9万円増の約5.6万円が施設に交付される計算になります。ただし施設に入った加算をどう個人に配分するかは施設裁量で、基本給算入・手当別計上・賞与原資など方法によって、明細に表れる「見た目の手取り増」は変わります。

反映タイミング

通知では6月1日施行。実際に給与明細に反映されるのは、

  • 手当として別計上: 6月分賃金が支払われる7月給与から
  • 基本給に算入: 6月給与または7月給与から(就業規則の昇給日に依存)
  • 賞与に上乗せ: 夏季賞与の算定式により10〜12月の賞与から
  • 年度末一括: 2027年3月給与または年度末特別手当として

の4パターンに分かれます。あなたの施設がどれに該当するかは事務担当への確認が早道です。


なぜ「臨時」で動いたのか — 3つの構造的圧力

「2024年改定の処遇改善が現場に届いていない」「ケアマネ受験者がピーク比83%減」「全産業平均との月6.8万円差が縮まらない」 ——この3点が同時に積み上がった結果が、今回の臨時改定です。

介護職を「夢のある仕事です!」って綺麗事だけでPRする方が無責任だと思う。現場では暴力、暴言、セクハラ、人手不足、サビ残、ワンオペ夜勤が普通にある。私を含め、心壊して辞めていく人間を何人も見てきた。それを経験した人が「この業界おかしい」と発信するのはネガキャンじゃなくSOSです。 — Xユーザー(介護現場経験者・発信者)2026年5月13日(99❤)

加算が上がっても現場の労働環境が変わらないというSOSは2024年改定後も繰り返され、5月7日の通知直後にもこの種の投稿が増えています。臨時改定は、その積み残しを「賃金」という一点から部分的に処理しようとする動きです。

圧力1: 全産業平均との賃金差

厚労省「賃金構造基本統計調査」によれば、2025年6月時点の介護職員(常勤)平均月収は約31.1万円。一方、全産業平均は約37.9万円で、月額6.8万円の差が残ります。2024年の処遇改善加算一本化後も差は約0.3万円しか縮まらず、政府は2027年度までに全産業平均の90%(月34.1万円相当)を目標として明記していました。

出典: 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」

圧力2: ケアマネ受験者数の激減

居宅介護支援事業所の要であるケアマネジャーは、試験受験者数が2017年の約13.1万人から、2024年に約2.3万人とピーク比83%減まで落ち込みました。処遇改善加算の対象外であったことが、介護福祉士からケアマネへ進む動機を弱めてきた——この指摘が業界内で繰り返されてきたのが今回の改定の伏線です。

今回の臨時改定で「ケアマネジメント加算(仮称)」として独立配分の枠が用意されたのは、この受験者数の崩壊への直接的な対応です。

→ 関連: ケアマネジャー試験の概要・受験資格・合格率

圧力3: 訪問看護の人手不足と訪問介護の報酬引き下げ

訪問看護ステーションの有効求人倍率は2025年度時点で4.0倍を超え、看護職の中で最も需給ギャップが大きい領域です。介護保険給付分の訪問看護師が今回新規対象に加わったのは、医療保険給付の訪問看護との給与差を縮め、人材を介護保険分野にも確保する政策意図があります。

一生懸命生きてる人を虫けらのように扱う国だよな、ホントに。…訪問介護の報酬引き下げしかり、生活保護基準の引き下げしかり。…なんだこれ~辛い。 — 小池めぐみ(杉並区議会議員)2026年5月13日(196❤)

一方で「訪問介護」の基本報酬は2024年改定で逆に引き下げられた経緯があり、同じ在宅の枠内でも職種間で処遇の動き方が真逆になっています。今回の臨時改定で訪問看護師には上乗せが及ぶ一方、訪問介護のヘルパー処遇は構造的に取り残されたまま、というねじれが残る点に注意してください。


自分の手取りはいくら増えるか — 職種別シミュレーション

現在の月給と施設の加算区分が分かれば、3分で試算できます。以下の手順で計算してください。

試算ステップ

  1. 施設の加算区分を確認(事務担当 or WAM NET事業所検索)
  2. 改定前の月額加算額を見積もる(区分I=約3.7万円、II=約3.4万円、III=約2.8万円、IV=約2.1万円)
  3. 改定後の上乗せ分を加算(区分I=+1.9万円、II=+1.7万円、III=+1.4万円、IV=+1.1万円が目安)
  4. 施設の配分方法を確認(基本給算入か手当別計上か)

介護職員(常勤・特養) — 改定前後比較

加算区分改定前(月額)上乗せ分改定後(月額)年額換算
I約37,000円+19,000円約56,000円+228,000円
II約34,000円+17,000円約51,000円+204,000円
III約28,000円+14,000円約42,000円+168,000円
IV約21,000円+11,000円約32,000円+132,000円

ケアマネジャー(居宅介護支援事業所) — 新規対象

事業所規模月額上乗せ目安年額換算
主任ケアマネ配置・特定事業所加算I+12,000円+144,000円
特定事業所加算II〜III+8,000円+96,000円
加算なし通常事業所+5,000円+60,000円

ケアマネ独自の「ケアマネジメント加算」は2026年4月時点では仮称で、最終的な配分ルールは2026年5月下旬の告示で確定する見込みです。事業所への通知到着後に再確認をおすすめします。

訪問看護師(介護保険給付分) — 新規対象

事業所形態月額上乗せ目安年額換算
機能強化型訪問看護ステーションI+15,000円+180,000円
機能強化型II〜III+12,000円+144,000円
通常の訪問看護ステーション+8,000円+96,000円

医療保険のみの訪問看護や病院併設で介護保険算定のない事業所は対象外の可能性があります。所属事業所が介護保険を算定しているかどうかが分岐点です。

夜勤は「30分前出勤」が暗黙ルールの施設で、就業前なのに?これは残業にならないの?と疑問を持ちつつ従っていた介護職。自分がリーダーになり「情報共有が簡単にできる体制」に変更。もちろん30分前ルールも消滅。現場での小さな違和感に声をあげて動くことが、働き方の改善に繋がる。 — Xユーザー(介護福祉系ナース・現場リーダー経験者)2026年3月

加算が増えても、配分方針や労働環境を動かすのは現場の声と意思決定です。改定後の額面だけで「うちは大丈夫」と判断せず、配分方法と労働実態の両面で施設を見直してください。

→ 関連: 介護職の手取り給料はいくら?年齢・資格・施設別のリアルな金額 → 関連: 夜勤手当の相場 — 施設形態別の金額と稼げる勤務パターン


1.9万円で本当に変わるか — 限界と次の打ち手

全産業平均との月6.8万円差のうち、今回埋まるのは2.8万円分(処遇改善加算一本化分0.9万円+今回1.9万円)に留まります。残り約4万円分は2027年度の通常改定以降に持ち越し。1.9万円で「もう十分」と感じる人は少ないはずです。

ここで取れる現実的な行動は3つあります。

行動1: 自分の給与明細と施設の加算区分を照合する

5月給与の明細を取り出して、「処遇改善手当」「特別手当」など加算配分が見える名目があるか確認。基本給に算入されているなら、過去3年分の昇給履歴と照らし合わせます。並行して、施設の事務担当に「うちの施設の加算区分と私への配分方法」を確認。これは施設の周知義務に基づく正当な質問です。

→ 関連: 処遇改善加算はいつもらえる?給与明細の確認方法

行動2: 加算区分の高い施設への転職を選択肢に入れる

加算区分IとIVでは年収換算で約50万円差。今回の臨時改定は一律上乗せのため、「区分Iの施設は区分Iのまま、IVの施設はIVのまま」差は維持されます。むしろ上乗せ分を取り込みやすいのは、配分の透明性が高い施設です。

「転職しても手取りが伸びない」3つの条件

そのうえで先に押さえておきたいのは、転職しても今回の改定の上乗せ分が手取りに反映されにくいケースです。下記3条件のいずれかに該当する場合、エージェントに登録しても改定の恩恵を取りこぼします。

  1. 配分方針が「賞与一括」型施設: 月給で見ると変化が薄く、年度内転職だと算定期間の都合で次の賞与から外れることがある
  2. 求人票に処遇改善加算の取得区分が記載されていない施設: 区分IVや未取得施設が紛れ込みやすい。「加算区分I」を明記した求人を最低条件にする
  3. 未経験/無資格で介護助手枠採用: 介護助手・事務は施設裁量で配分が薄くなりがち。資格取得後の昇格を前提に交渉する

検索条件としては「加算区分I取得」「処遇改善加算の配分方法を求人票に明記」を見るのが現実的です。介護専門の転職エージェントなら、エージェント側に「加算区分Iで基本給算入の施設のみ」と条件を伝えると、合致する施設を絞り込んでもらえます。

ケアマネ・介護福祉士など有資格者で年収UPを狙う場合は、求人数の多い大手エージェントを比較材料の起点にしておくと、相場観のズレを防げます。

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未経験から介護業界に入る場合や、働きながら資格取得を目指す場合は、資格取得支援込みの求人を扱うサービスから情報収集すると、改定後の手取り設計がしやすくなります。

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行動3: 上位資格(ケアマネ・介護福祉士)取得で配分対象として優先される

新制度では配分の柔軟化が進みましたが、多くの施設が依然として介護福祉士の取得者・主任ケアマネに厚く配分しています。ケアマネは今回の改定で独立配分対象となったため、介護福祉士からケアマネへの昇格は手取りインパクトが従来より大きくなりました。

資格取得期間目安月額手当の上乗せ目安改定後インパクト
介護職員初任者研修1〜4か月+3,000〜5,000円配分対象としての底上げ
介護福祉士実務者研修6か月+5,000〜10,000円介護福祉士受験要件
介護福祉士実務3年+実務者研修+10,000〜30,000円配分優先度がさらに上がる
ケアマネジャー実務5年+試験+20,000〜40,000円独立加算の対象本人になる

→ 関連: 介護職で年収500万円は可能か?到達ルート3パターン → 関連: 訪問介護員になるには?資格・働き方・年収の実例


6月から3か月の具体的アクションプラン

「改定通知が来た」だけで終わらせず、9月までに次の打ち手を確定させるためのスケジュール案です。家族会議や上長面談に持ち込みやすい形でまとめました。

5月(残りの期間): 現状把握

  • 5月給与明細を取り出し、処遇改善加算の配分名目を確認
  • 事務担当に「うちの加算区分・私への配分方法・改定後の見込み」を質問
  • WAM NET の事業所検索で施設の届出情報を確認
  • 過去3年の昇給履歴と源泉徴収票で実額の伸び率を把握

6月: 改定後の数字を確認

  • 6月分給与明細(7月支給)で実際の上乗せ額を確認
  • 想定額との差を計算し、配分方法に納得がいくか判断
  • 賞与算入の場合は夏季賞与の算定基礎を確認
  • 同職種・同地域の相場を転職エージェントの公開求人で照合

7月: 進路の選択

  • 改定後の手取りで満足→現職継続+資格取得の検討開始
  • 配分が不透明・上乗せが小さい→加算区分Iの施設の求人を比較
  • ケアマネ受験を検討する場合は試験願書(8月締切)準備

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まとめ — 改定の核と、明日からの動き方

2026年6月の臨時介護報酬改定は、介護職員等処遇改善加算の**6.3%上乗せ(月最大+19,000円)**と、ケアマネ・訪問看護師の新規対象化が二本柱です。背景には全産業平均との月6.8万円差、ケアマネ受験者ピーク比83%減、訪問看護有効求人倍率4.0倍超という3つの構造圧力があります。

ポイントを振り返ります。

  1. 加算率+6.3%上乗せ — 区分I取得施設の常勤介護職員は月額換算で最大+19,000円(年額+228,000円)
  2. ケアマネ・訪問看護師(介護保険給付分)が新規対象 — それぞれ月額+5,000〜15,000円の上乗せ
  3. 施設裁量の配分方法で実額が変わる — 基本給算入・手当別計上・賞与原資・年度末一括の4パターン
  4. 6.8万円差のうち縮まるのは2.8万円分のみ — 残りは2027年改定以降に持ち越し

「通知が来た」で終わらせると、配分の不透明さに飲み込まれてしまいます。5月のうちに給与明細と加算区分を確認し、6月で差分を計算し、7月までに進路を選ぶ ——この3か月を戦略的に動けるかどうかで、改定の手取りインパクトは大きく変わります。

2026年介護報酬改定で給料はどう変わる?処遇改善の最新情報


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ここまでお読みいただきありがとうございました。「自分の施設の加算区分が分からない」「改定後の手取りで現職に残るべきか転職すべきか迷う」という方のために、介護のミカタは以下の2つのご支援をご用意しています。

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