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負担限度額認定証で施設費が月数万円減る — 4段階の対象と申請手順
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「特養に入ったら年金で足りなかった」——その前に知っておきたい制度
母を特養に入れたら食費と部屋代だけで月10万超えると言われて青ざめた。年金月7万なのに。ケアマネさんに「負担限度額認定証もらいましたか?」と聞かれて初めて知った。早く言ってよ…って感じ。 — Xユーザー(会社員・50代女性)2026年4月
この投稿のように、施設入所が決まってから初めて「負担限度額認定証」の存在を知る方は多いです。
負担限度額認定証は、介護保険施設の食費・居住費(滞在費)の自己負担を軽くする制度。正式名称は「特定入所者介護サービス費(補足給付)」です。世帯非課税など一定の条件を満たす方が対象になります。
この記事では4段階の対象基準・月いくら減るかの実例・申請手順・更新時期を、厚生労働省の最新資料をもとに整理しました。
この記事でわかること:
- 負担限度額認定証で食費・居住費がどれくらい下がるか
- 第1〜4段階それぞれの所得・預貯金の基準
- 申請に必要な書類と窓口・所要日数
- 毎年8月の更新タイミングと注意点
負担限度額認定証とは — 食費と居住費を抑える「補足給付」
対象になれば、施設の食費・居住費が月数万円単位で軽減される制度です。
介護保険施設(特養・老健・介護医療院)に入所すると、介護サービスの自己負担(1〜3割)とは別に、食費と居住費は原則全額自己負担になります。基準費用額は厚生労働省の告示で次のように定められています。
| 費用項目 | 1日あたり基準費用額 | 月額(30日換算) |
|---|---|---|
| 食費 | 1,445円 | 約43,350円 |
| 居住費(ユニット型個室) | 2,066円 | 約61,980円 |
| 居住費(従来型個室・特養) | 1,231円 | 約36,930円 |
| 居住費(多床室・特養) | 915円 | 約27,450円 |
出典: 厚生労働省「介護保険における特定入所者介護サービス費(補足給付)について」
ユニット型個室なら、食費+居住費だけで月10万円超。介護サービス費の1〜3割負担と日用品費を加えると、年金収入だけでは足りないケースが多発します。
そこで設けられているのが、世帯非課税の方を対象に食費・居住費に上限額を設定する仕組み。それが「負担限度額認定証」です。市区町村に申請して交付を受け、施設の窓口に提示すれば、自動的に上限額までの請求に切り替わります。
父の特養、当初の見積もりが月14万。でも住民税非課税世帯だったので負担限度額認定証出したら月7万まで下がった。書類1枚で半分になるなら最初に教えてほしかった。 — Xユーザー(自営業・40代男性)2026年3月
4段階の対象基準 — 所得と預貯金の両方を見る
負担限度額認定証は、**所得段階(第1〜第4段階)**で軽減幅が変わります。判定で見るのは「世帯の課税状況」と「本人・配偶者の預貯金等」の2つです。
第1段階:生活保護受給者など最も軽減される層
- 生活保護を受給している方
- 老齢福祉年金を受給していて、かつ世帯全員が市町村民税非課税の方
預貯金等の上限は単身1,000万円以下/夫婦合算2,000万円以下です。
第2段階:世帯非課税かつ年金収入等80万円以下
- 世帯全員が市町村民税非課税
- 本人の合計所得金額+年金収入額(非課税年金含む)が80万円以下
預貯金等の上限は単身650万円以下/夫婦合算1,650万円以下。国民年金の標準的な受給額の方が当てはまりやすい段階です。
第3段階①:年金収入等80万円超120万円以下
- 世帯全員が市町村民税非課税
- 本人の合計所得金額+年金収入額が80万円超120万円以下
預貯金等の上限は単身550万円以下/夫婦合算1,550万円以下。
第3段階②:年金収入等120万円超
- 世帯全員が市町村民税非課税
- 本人の合計所得金額+年金収入額が120万円超
預貯金等の上限は単身500万円以下/夫婦合算1,500万円以下。2021年8月の制度改正で新設された段階で、第2段階より食費の負担が大きくなります。
第4段階:軽減対象外
世帯のどなたかが市町村民税課税の場合、または預貯金が上限を超える場合は第4段階となり、原則として軽減はありません。ただし高齢夫婦で配偶者が施設入所することで在宅側の生活が困難になる場合は、特例減額措置を申請できることがあります。
出典: 厚生労働省「令和3年8月利用分から食費・居住費の負担軽減の見直しを行いました」
段階別の食費・居住費 上限額(1日あたり)
具体的に1日いくらまでに抑えられるのかを表にまとめました。
| 段階 | 食費 | ユニット型個室 居住費 | 従来型個室(特養) | 多床室(特養) |
|---|---|---|---|---|
| 第1段階 | 300円 | 880円 | 380円 | 0円 |
| 第2段階 | 390円 | 880円 | 480円 | 430円 |
| 第3段階① | 650円 | 1,370円 | 880円 | 430円 |
| 第3段階② | 1,360円 | 1,370円 | 880円 | 430円 |
| 第4段階 | 1,445円(基準額) | 2,066円(基準額) | 1,231円 | 915円 |
出典: 厚生労働省「介護保険」関連告示
ショートステイ(短期入所生活介護等)の食費は段階ごとに別表で定められており、第2段階600円、第3段階①1,000円、第3段階②1,300円とやや高めの設定です。
月いくら減る? ユニット型特養に入所した場合の試算
第2段階の方がユニット型個室の特養に入所した場合の食費・居住費を比較します(30日換算)。
| 項目 | 認定証なし(基準額) | 第2段階での上限 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 食費 | 約43,350円 | 約11,700円 | △約31,650円 |
| 居住費 | 約61,980円 | 約26,400円 | △約35,580円 |
| 合計 | 約105,330円 | 約38,100円 | △約67,230円 |
つまり月6万7,000円ほど自己負担が軽くなる計算です。年間にすれば80万円以上の差で、これに介護サービス費1割負担(要介護3で約2.5万円/月)を加えても、第2段階なら月7万円前後に収まります。
第3段階①(年金収入80万円超120万円以下)の場合でも、ユニット型個室で月およそ4万円の軽減効果があります。
義母が要介護4で特養入所。住民税非課税で第2段階に該当して、食費居住費が月約4万。介護サービス費1.5割で2.5万くらい。日用品入れて月7万弱で収まってる。これがなかったら絶対無理だった。 — Xユーザー(パート勤務・50代女性)2026年4月
費用の全体像はこちらの記事もあわせて確認してください。 → 介護費用の月平均はいくら?要介護度別シミュレーション
申請手順 — 必要書類と窓口
申請は親が住む市区町村の介護保険課(または高齢福祉課)の窓口で行います。郵送受付に対応している自治体も増えています。
Step 1: 申請書を入手する
- 市区町村の窓口で受け取る
- 自治体ホームページからダウンロード(多くの自治体がPDFを公開)
- 地域包括支援センターでも入手可能
Step 2: 必要書類を揃える
一般的に求められる書類は次のとおりです(自治体によって細部は異なります)。
- 介護保険負担限度額認定申請書
- 同意書(金融機関への照会に同意する書面)
- 本人と配偶者の通帳の写し(直近2か月程度。普通預金・定期預金・投資信託など、すべての金融資産)
- 有価証券・タンス預金の自己申告書
- マイナンバーが確認できる書類
- 本人確認書類
預貯金は同居の有無を問わず配偶者の分も合算して判定されるため、配偶者の通帳コピーも必要です。
Step 3: 提出と審査
窓口提出または郵送で申請後、市区町村が課税状況・預貯金等を確認します。書類不備がなければ1〜2週間程度で認定証が交付されます。
Step 4: 施設に提示する
交付された認定証を施設の事務窓口に提示すると、翌月以降の請求から自動的に上限額までの請求に切り替わります。月をまたぐと適用開始が翌月になることがあるため、入所が決まったら速やかに申請しましょう。
毎年8月の更新を忘れない
負担限度額認定証は有効期間が原則1年(毎年8月1日〜翌年7月31日)。自動更新ではありません。多くの市区町村が6〜7月に更新書類を郵送しますが、申請しないと8月以降は基準額に戻ってしまいます。
母の認定証、更新を忘れて8月分から食費が満額に戻ってた。気づいたのが10月で、過去分は遡れなかった。封筒は届いてたのに開けてなかった自分が悔しい。 — Xユーザー(会社員・50代男性)2026年9月
更新時にも、直近の通帳コピーや課税状況の再確認が必要です。所得や預貯金が変わると段階が変わることがあるため、現状をそのまま申告してください。
万が一所得や預貯金を申告しないまま受給した場合は、加算金(最大3倍)を含めた返還を求められる規定があります。隠さず正確に申告するのが結果的に最も安全です。
出典: 厚生労働省「介護保険法施行規則」
こんなときどうする — よくあるケース別の対応
ケース1: 配偶者の預貯金が多くて非該当になった
夫婦合算で1,650万円(第2段階)を超えていると非該当です。施設入所をきっかけに在宅の配偶者の生活が苦しくなる場合は、特例減額措置の対象になり得ます。要件は厳しいですが、市区町村に相談する価値があります。
ケース2: 認定証が届く前に入所が始まった
申請日以降に入所した分は、認定証交付後に遡って軽減されることが一般的です。施設の事務担当に「認定証申請中」と伝えると、調整してもらえます。
ケース3: 世帯課税で対象外と言われた
世帯のどなたかが課税の場合は第4段階となり、補足給付は受けられません。ただし以下の制度が使える可能性があります。
- 高額介護サービス費(自己負担の月額上限)
- 高額医療・高額介護合算療養費
- 介護保険料の減免制度(自治体独自)
経済的負担の軽減策はこちらの記事で網羅しています。 → 介護費用の負担を軽減する制度7つ — 申請しないと損する公的支援 → 介護にかかる医療費控除のしくみと申請方法
申請前に確認したい3つのこと
- 世帯の課税状況:同じ住民票に課税者がいないか。世帯分離をしている場合はその時期も確認
- 本人と配偶者の金融資産合計:普通預金・定期・有価証券まで含めて、上限額に収まっているか
- 施設のタイプ:特養・老健・介護医療院・ショートステイは対象、有料老人ホームやグループホームは対象外
判断に迷う場合は、まず地域包括支援センターかケアマネジャーに相談するのが確実です。申請書の書き方や添付書類の取り方まで具体的に教えてもらえます。
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まとめ
負担限度額認定証は、世帯非課税かつ預貯金が一定額以下の方が、施設の食費・居住費を月数万円単位で軽減できる制度です。
この記事のポイントを振り返ります。
- 対象は4段階で判定 — 世帯の課税状況と本人・配偶者の預貯金で決まる
- 第2段階ならユニット型特養で月約6.7万円軽減 — 年間80万円以上の差
- 市区町村への申請で1〜2週間で交付 — 通帳コピーやマイナンバーが必須
- 毎年8月に更新 — 案内が届いたら必ず手続きを
施設費の見積もりを見て「年金だけでは無理」と感じたら、まずは市区町村の介護保険課か地域包括支援センターに相談してみてください。書類1枚で月数万円が変わる制度だからこそ、知らずに過ごすのはもったいない選択です。
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