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介護中の事故に備える — 個人賠償責任保険の選び方と必要性

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「まさか介護で訴えられるなんて」——他人事ではない介護中の賠償リスク

認知症の父が散歩中に隣の家の車に傷をつけたらしい。修理代30万って言われて頭が真っ白。こういうの、介護してる家族が払うの?保険とかあるの? — Xユーザー(父を在宅介護・50代女性)2026年3月

母が認知症でデイサービスの送迎車に石を投げてしまった。施設からは「今回は請求しません」と言われたけど、次はどうなるかわからない。在宅介護の事故リスク、本当に怖い。 — Xユーザー(母を在宅介護・40代男性)2026年4月

結論から言えば、認知症の方の介護では、本人が起こした事故について家族が損害賠償責任を負う可能性があります。そして、その備えとして個人賠償責任保険が有効です。月額100〜200円程度で数千万〜1億円の補償が得られるにもかかわらず、加入していない介護家族が多いのが現状です。

この記事では、介護中に起こりうる事故のリスク、実際の判例、そして個人賠償責任保険の選び方をお伝えします。

この記事でわかること:

  • 介護中にどんな事故が起こりうるか(実際の判例を含む)
  • 個人賠償責任保険の仕組みと選び方
  • 自治体が提供する認知症事故の補償制度

なぜ介護に賠償責任保険が必要なのか

認知症の方が起こす事故の実態

認知症の症状が進行すると、本人の意思とは関係なく他者に損害を与えてしまうことがあります。

事故の種類具体例想定される賠償額
物損事故他人の車・自転車を傷つける数万〜数十万円
火災コンロの消し忘れによる近隣延焼数百万〜数千万円
交通事故ひとり歩き中に車道へ出て車と接触数百万〜数千万円
鉄道事故線路内に立ち入り列車を止める数百万〜数億円
対人事故他者を押して転倒・骨折させる数十万〜数百万円

最高裁判決が変えた「家族の責任」

介護中の賠償責任を考える上で避けて通れないのが、JR東海認知症事故訴訟の最高裁判決(2016年3月1日)です。

認知症の男性(当時91歳)が線路内に立ち入り、列車と衝突して死亡。JR東海が遺族に約720万円の損害賠償を請求した事件です。

判決のポイント(最高裁判所判例集):

  • 1審(名古屋地裁): 妻と長男に全額賠償を命令
  • 2審(名古屋高裁): 妻のみに約360万円の賠償を命令
  • 最高裁: 家族の賠償責任を否定(JR東海の請求を棄却)

最高裁は「民法714条の監督義務者に当たるかどうかは、総合的に判断する必要がある」として、同居の妻(当時85歳)にも監督義務者としての責任は認められないと判断しました。

ただし、この判決は「家族は一切責任を負わない」ということではありません。個別の事情によっては責任を問われる可能性があるとも読める判決です。

民法上の監督義務者責任(民法714条)

民法714条では、責任能力のない者(認知症で判断能力が著しく低下した方を含む)が他者に損害を与えた場合、法定の監督義務者がその賠償責任を負うと定めています(e-Gov法令検索 民法714条)。

成年後見人が選任されていれば後見人が、選任されていなければ事実上の監督者(同居の家族など)が責任を問われる可能性があります。


個人賠償責任保険とは — 仕組みと補償内容

基本的な仕組み

個人賠償責任保険は、日常生活で他者に損害を与えた場合の賠償金を補償する保険です。被保険者本人だけでなく、監督義務者としての責任も補償対象に含まれるのが一般的です。

項目内容
保険料月額100〜300円程度(年額1,200〜3,600円)
補償限度額1,000万〜3億円(商品による)
補償対象物損、対人事故、鉄道事故など日常生活全般
家族の範囲本人・配偶者・同居の親族・別居の未婚の子

加入方法は3パターン

パターン1: 火災保険・自動車保険の特約

すでに加入している火災保険や自動車保険に「個人賠償責任特約」を付けるのが最も手軽です。月額100〜200円程度の追加で付帯できます。

パターン2: クレジットカード付帯

一部のクレジットカードには個人賠償責任保険が付帯しています。ただし、補償限度額が低い場合があるので確認が必要です。

パターン3: 単独の個人賠償責任保険

保険会社が提供する単独商品もあります。日本損害保険協会「個人賠償責任保険」で概要を確認できます。

うちは火災保険に個人賠償責任特約を月150円で付けてる。認知症の義母が近所のフェンスを壊したとき、保険で全額カバーできた。月150円でこの安心感は大きい。 — Xユーザー(義母を在宅介護・50代男性)2026年2月


保険を選ぶときの5つのチェックポイント

1. 補償限度額は「1億円以上」を選ぶ

鉄道事故では数百万〜数千万円の賠償が発生する可能性があります。「1億円以上」の補償限度額を選んでおけば、ほぼすべてのケースに対応できます。月額の差は数十円程度です。

2. 「認知症の方の事故」が明示的に補償対象か確認する

2016年のJR東海訴訟以降、認知症の方の事故を明示的に補償対象に含める商品が増えています。約款の「被保険者の範囲」や「監督義務者としての責任」の項目を確認してください。

3. 示談交渉サービスの有無

事故が起きたとき、相手方との交渉を保険会社が代行してくれる「示談交渉サービス」が付いているかは重要です。介護で忙しい中、自分で交渉するのは大きな負担になります。

4. 家族の補償範囲

個人賠償責任保険は通常、同居の親族まで補償対象に含まれます。ただし、別居の親を介護している場合は対象外になることがあります。この点は必ず保険会社に確認してください。

5. 既加入の保険と重複していないか

火災保険、自動車保険、クレジットカードのそれぞれに個人賠償責任特約が付いている場合、補償が重複します。重複していても保険料は返ってこないので、1つにまとめるのが効率的です。


自治体の「認知症事故救済制度」を活用する

制度の概要

JR東海訴訟をきっかけに、2017年頃から認知症の方が起こした事故の損害を自治体が補償する制度を設ける自治体が増えています。

項目内容
制度名認知症高齢者等事故救済事業(自治体により名称は異なる)
補償内容個人賠償責任保険に自治体が加入し、保険料を負担
補償限度額1億〜3億円(自治体による)
対象者認知症の診断を受け、自治体に登録した方
費用無料(自治体負担)

2026年4月時点で、全国約350の自治体がこの制度を導入しています(厚生労働省「認知症施策推進大綱」関連資料)。

利用の流れ

  1. お住まいの自治体に「認知症事故救済制度」があるか確認する(地域包括支援センターに問い合わせるのが確実)
  2. 認知症の診断書を持って自治体窓口で登録手続きをする
  3. 自治体が保険会社と契約し、補償が開始される

注意: この制度は「自治体に登録した方」のみが対象です。認知症の診断を受けたら、早めに地域包括支援センターに相談してください。地域包括支援センターの活用法は地域包括支援センターの使い方ガイドで解説しています。


介護施設での事故 — 施設側の責任と家族の備え

施設内事故は施設側の責任が原則

入所施設やデイサービスで起きた事故は、原則として施設側が損害賠償責任を負います。施設は「施設賠償責任保険」に加入しているのが一般的です。

ただし、以下のケースでは家族にも責任が及ぶ可能性があります。

  • 施設への入所時に「事故時の責任は家族が負う」という条項に同意した場合
  • 家族が施設の指示に反して危険な行為を許容した場合

施設選びのポイント

施設を選ぶ際は、以下の点を確認してください。

  • 施設賠償責任保険の加入状況(重要事項説明書に記載)
  • 事故発生時の対応マニュアルの有無
  • 過去の事故報告と対応状況(情報公開制度で確認可)

施設の費用全般については介護費用の月額平均、施設見学のポイントは介護施設の面会マナーと見学ポイントを参考にしてください。

父が通うデイサービスで他の利用者さんとトラブルになった。施設の保険で対応してもらえたけど、在宅介護中の事故は自分たちで備えなきゃいけないと痛感。すぐに火災保険の特約を確認した。 — Xユーザー(父を介護・40代女性)2026年4月


まとめ — 月額150円で「万が一」に備える

介護中の事故リスクは、認知症の進行とともに高まります。備えとしてやるべきことは3つです。

  1. 今すぐ既存の保険を確認する — 火災保険・自動車保険に個人賠償責任特約が付いているかチェック
  2. 特約がなければ追加する — 月額100〜200円で1億円以上の補償が得られる
  3. 自治体の救済制度を調べる — 認知症の診断があれば無料で補償を受けられる可能性がある

介護の費用全体を把握するには介護費用の月額平均と準備しておきたい総額、介護にかかるお金の不安には介護のお金がないときに使える7つの制度も合わせてお読みください。


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よくある質問

Q. 認知症と診断されてからでも保険に入れますか?

個人賠償責任保険は、加入者(契約者)が認知症の方本人ではなく、家族であれば問題なく加入できます。火災保険や自動車保険の特約として付帯する場合、契約者は家族(多くの場合、世帯主)です。

Q. 別居の親が認知症です。自分の保険で親の事故もカバーできますか?

一般的な個人賠償責任保険の「家族の範囲」は、同居の親族と別居の未婚の子です。別居の親は通常、補償対象外です。親自身の火災保険に特約を付けるか、自治体の救済制度を利用する必要があります。

Q. すでに成年後見人がついています。後見人の賠償責任はどうなりますか?

成年後見人は民法上の法定代理人ですが、JR東海訴訟の最高裁判決では、成年後見人であること自体が直ちに監督義務者に当たるわけではないとしています。ただし、個別の事情によって判断が異なるため、後見人を務めている場合も個人賠償責任保険への加入をおすすめします。

Q. 自治体の救済制度と個人賠償責任保険の両方に加入してもいいですか?

はい、両方に加入できます。事故が起きた場合は、一方から賠償金が支払われれば、もう一方からは支払われません(実損填補の原則)。自治体制度は対象が限定されているため、個人の保険も併せて持っておくと安心です。