ヤングケアラーの支援制度まとめ — 10代・20代で介護を担うあなたへ
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「自分がやるしかない」——その思い込みを、まず置いてほしい
高校生のとき、認知症のおばあちゃんの介護してた。友達が放課後カラオケ行ってる間に自分はオムツ替え。誰にも言えなかった。先生も気づいてくれなかった。 — Xユーザー(元ヤングケアラー・20代女性)2026年3月
母が精神疾患で、中学から家事全部やってる。学校の先生に相談したら「お母さんを支えてえらいね」って。褒められたいんじゃなくて、助けてほしかったのに。 — Xユーザー(中学生の頃から介護・10代男性)2026年2月
10代、20代で家族の介護や世話を担っている人を「ヤングケアラー」と呼びます。2020年度の厚生労働省委託調査で、中学2年生の約5.7%(約17人に1人)が家族の世話をしていることがわかりました(三菱UFJリサーチ&コンサルティング「ヤングケアラーの実態に関する調査研究」2021年)。
しかし、支援制度があることを知らないまま、一人で抱え込んでいる人が多いのが現状です。
この記事では、ヤングケアラーが使える支援制度と相談窓口を、できるだけわかりやすくまとめました。あなたが「助けて」と言うことは、家族を見捨てることではありません。
この記事でわかること:
- ヤングケアラーの実態データと、なぜ問題が見えにくいのか
- 国・自治体の支援制度一覧
- 今日から相談できる窓口リスト
- 同じ立場の人とつながる方法
ヤングケアラーの実態 — 見えにくい「子どもの介護」
データで見る現状
| 項目 | 数値 | 出典 |
|---|---|---|
| 世話をしている中学2年生 | 5.7%(約17人に1人) | 厚労省委託調査(2021年) |
| 世話をしている高校2年生 | 4.1%(約24人に1人) | 同上 |
| 1日の世話時間(平均) | 約4時間(中学生)/ 約3.8時間(高校生) | 同上 |
| 世話について相談した経験がない | 約6割 | 同上 |
| 世話をしている大学3年生 | 6.2% | 厚労省委託調査(2022年) |
約6割が「誰にも相談したことがない」。この数字が、ヤングケアラー問題の核心です。相談しない理由として多いのは「相談しても変わらないと思った」「家族のことを話したくなかった」「自分がヤングケアラーだと思っていなかった」でした。
なぜ問題が見えにくいのか
ヤングケアラーが支援につながりにくい背景には、構造的な理由があります。
- 本人が「普通」だと思っている — 幼い頃から家族の世話をしていると、それが普通のことだと感じてしまう
- 「えらいね」で終わる — 周囲が問題として認識せず、美談として処理してしまう
- 介護・福祉と教育が縦割り — 学校は介護の問題に気づきにくく、福祉は子どもの学業問題に気づきにくい
- 家族に「迷惑をかけたくない」 — 外部に助けを求めることが、家族への裏切りに感じてしまう
使える支援制度 — 国と自治体のサポート
国の支援策
2022年4月に施行された改正児童福祉法により、ヤングケアラーへの支援が自治体の努力義務として明確化されました。
| 制度・事業 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| ヤングケアラー支援体制強化事業 | 自治体にコーディネーターを配置し、相談対応・関係機関連携を推進 | 厚生労働省(2022年度〜) |
| 子ども家庭総合支援拠点 | 各市区町村に設置。ヤングケアラーを含む子どもの相談窓口 | 改正児童福祉法 |
| 介護保険サービスの利用 | 家族(親など)の要介護認定を受ければ、ヘルパー派遣やデイサービスで介護負担を軽減可能 | 介護保険法 |
| 生活困窮者自立支援制度 | 経済的に困っている場合、学習支援・就労支援・家計相談が受けられる | 生活困窮者自立支援法 |
自治体の独自制度(例)
ヤングケアラー支援は自治体ごとに温度差がありますが、先進的な取り組みを行っている自治体もあります。
| 自治体 | 取り組み | 問い合わせ先 |
|---|---|---|
| 埼玉県 | 全国初のヤングケアラー支援条例(2020年)。専用相談窓口設置 | 埼玉県福祉部 |
| 神戸市 | ヤングケアラー専用相談窓口。家事・育児支援ヘルパー派遣 | 神戸市こども家庭局 |
| 北海道 | LINE相談窓口。スクールソーシャルワーカーとの連携体制 | 北海道保健福祉部 |
| 三重県名張市 | ヤングケアラーSOS窓口。食事支援・学習支援 | 名張市福祉子ども部 |
お住まいの自治体にヤングケアラー支援があるかどうかは、市区町村の福祉課に電話するか、「(自治体名)ヤングケアラー 支援」で検索してみてください。
相談窓口一覧 — 「話を聞いてもらう」だけでもいい
「相談」と言われても、何を話せばいいかわからないかもしれません。**「家族の世話が大変です」の一言でOKです。**相談員がそこから一緒に考えてくれます。
電話で相談
| 窓口 | 電話番号 | 対象・備考 |
|---|---|---|
| チャイルドライン | 0120-99-7777 | 18歳まで。毎日16:00〜21:00。無料 |
| 24時間子供SOSダイヤル | 0120-0-78310 | 18歳まで。24時間。いじめ以外の悩みもOK |
| よりそいホットライン | 0120-279-338 | 年齢不問。24時間無料 |
| 地域包括支援センター | 市区町村ごと | 家族の介護サービスについて相談 |
| 児童相談所全国共通ダイヤル | 189(いちはやく) | 18歳未満。24時間 |
オンラインで相談
| 窓口 | 方法 | 備考 |
|---|---|---|
| まもろうよ こころ(厚労省) | チャット相談 | テキストで相談可能 |
| ヤングケアラー相談プラットフォーム | 厚労省特設サイト | SNS相談あり |
| 10代のための相談窓口まとめ(NPO法人BONDプロジェクト) | LINE/チャット | 女の子向け |
学校で相談
もし学校に通っているなら、以下の人に相談することもできます。
- スクールカウンセラー(SC) — ほぼすべての中学・高校に配置。秘密は守られます
- スクールソーシャルワーカー(SSW) — 福祉の専門家。介護サービスにつなげてくれる
- 担任の先生・養護教諭(保健室の先生) — まず話を聞いてもらう相手として
高2のとき、保健室の先生に「お母さんの介護で寝不足なんです」って言ったら、スクールソーシャルワーカーにつないでくれた。地域包括支援センターに一緒に行ってくれて、ヘルパーさんが来るようになった。もっと早く言えばよかった。 — Xユーザー(元ヤングケアラー・20代男性)2026年4月
同じ立場の人とつながる方法
「自分だけが大変」と感じていると、ますます孤立してしまいます。同じ経験をした人と話すことで、「自分はおかしくない」と感じられることがあります。
| つながり方 | 内容 |
|---|---|
| ヤングケアラー当事者団体「ふうせんの会」 | オンラインで定期的にピアサポートミーティングを開催 |
| 一般社団法人ヤングケアラー協会 | 元ヤングケアラーによるピアサポート、就労支援 |
| 各自治体のヤングケアラーサロン | 対面での交流会。自治体の福祉課に問い合わせ |
| SNS(X、Instagram) | #ヤングケアラー のハッシュタグで同じ立場の人を見つけられる |
介護負担を減らすサービス — 家族が使えるもの
ヤングケアラー自身が何かを申請するのではなく、介護されている家族が介護サービスを使うことで、ヤングケアラーの負担を減らすのが基本の考え方です。
| サービス | 内容 | 始め方 |
|---|---|---|
| 訪問介護(ヘルパー) | 食事・入浴・排泄の介助、掃除・洗濯 | ケアマネジャーに相談 |
| デイサービス | 日中に施設で過ごす。入浴・食事あり | ケアマネジャーに相談 |
| ショートステイ | 数日間、施設に泊まる | ケアマネジャーに相談 |
| 配食サービス | 食事の宅配。安否確認機能付きも | 配食サービス比較 |
| 見守りサービス | センサーやカメラで安否確認 | 見守りサービス比較 |
これらのサービスを利用するには、まず家族の要介護認定が必要です。介護保険の使い方で手続きの流れを確認できます。
「ケアマネジャーって何?」から始まった自分にとって、地域包括支援センターに電話した日が人生の転機だった。全部教えてもらえた。 — Xユーザー(元ヤングケアラー・20代女性)2026年3月
まとめ — あなたの人生は、あなたのもの
ヤングケアラーとして家族を支えているあなたは、すでに十分な責任を果たしています。
でも、知っておいてほしいことがあります。家族の介護は、あなた一人が背負うものではありません。 介護保険サービス、自治体の支援制度、学校のスクールソーシャルワーカー。使える仕組みはあります。ただ、知らないだけで使えていないケースが多いのです。
今日できることは、この記事に載っている窓口のどれか1つに連絡すること。電話でもLINEでもチャットでも構いません。「家族の世話が大変です」の一言で、相談員が一緒に考えてくれます。
あなたの学業も、友人関係も、将来の夢も、介護のために犠牲にしなくていい。支援を受けることは、家族を見捨てることではなく、家族を含めた全員がよりよい形で生活するための手段です。
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よくある質問
Q. ヤングケアラーとは何歳までの人を指しますか? 法律上の明確な年齢定義はありませんが、一般的には18歳未満を「ヤングケアラー」、18〜30歳前後を「若者ケアラー」と呼ぶことが多いです。厚労省の調査では、小学6年生から大学生までを対象にしています。
Q. 親が介護サービスを使いたがりません。どうすればいいですか? まず地域包括支援センターに相談してください。第三者であるケアマネジャーや相談員から話してもらうことで、家族間では進まなかった話が動くことがあります。
Q. ヤングケアラーは介護保険を申請できますか? 介護保険の申請者は要介護状態にある本人(または家族が代理)です。ヤングケアラー自身が申請するのではなく、介護を受けている家族の要介護認定を申請し、サービスを利用することで介護負担を減らす形になります。
Q. 学校を休みがちで勉強が遅れています。使える支援はありますか? 生活困窮者自立支援制度の中に「学習支援事業」があり、無料で学習サポートを受けられる場合があります。市区町村の福祉課に問い合わせてください。また、スクールソーシャルワーカーが学校との調整を手伝ってくれます。