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誤嚥を防ぐ嚥下リハビリ — 自宅で毎日できる8つの体操(動画付き)

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「最近、よくむせるようになった」——その小さな変化を見逃さないで

父がご飯のたびに「ゴホッ」ってむせるようになって、最初は気にしてなかった。でも先月、誤嚥性肺炎で1週間入院。退院後にSTさんから「家でも嚥下体操を」と言われたけど、何をどれくらいやればいいか全然わからない。 — Xユーザー(会社員・50代女性)2026年5月

この投稿に「うちもむせが増えた気がする」と感じた方は多いのではないでしょうか。

誤嚥性肺炎は、高齢者の死因の上位に入る身近なリスクです。厚生労働省「2023年人口動態統計」によると、誤嚥性肺炎による死亡者は年間約5万6千人。75歳以上では死因の上位を占めています。

出典: 厚生労働省「令和5年(2023)人口動態統計(確定数)の概況」

予防の鍵は、**「のどの筋肉を毎日動かしておく」**こと。この記事では、自宅で家族と一緒にできる8つの嚥下体操、食事の工夫、専門職に相談すべきタイミングを整理しました。

この記事でわかること:

  • 嚥下リハビリが必要になるサイン
  • 自宅で毎日5〜10分できる8つの体操(部位別)
  • 食事の姿勢・とろみの基本ルール
  • 訪問リハビリ・専門職への相談の目安

なぜ「のどの筋トレ」が必要なのか — データで見る現実

加齢で衰えるのは足腰だけではありません。のどの筋肉も同じです。

口やのどには、嚥下(えんげ/食べ物を飲み込む動き)に関わる筋肉が約30種類あります。加齢で筋力が落ちると「飲み込む力」が弱くなります。これが進むと**オーラルフレイル(口の機能虚弱)**と呼ばれる状態に。誤嚥性肺炎・低栄養・サルコペニアの引き金になります。

出典: 国立長寿医療研究センター「オーラルフレイルとは」

日本摂食嚥下リハビリテーション学会も、嚥下機能維持のために食事前の準備運動と日常的な口腔体操の継続を推奨しています。

出典: 日本摂食嚥下リハビリテーション学会

こんなサインが出たら嚥下リハビリの始めどき

サイン内容
食事中のむせ水・お茶・汁物でむせる回数が増えた
声の変化食後に声がガラガラ・湿った声になる
食事時間1食に30分以上かかる
体重減少半年で2〜3kg以上減った
痰・発熱微熱や痰が続く・繰り返す肺炎

1〜2項目当てはまる段階が、自宅リハビリを始めるベストタイミングです。複数当てはまる場合、特に発熱や肺炎を繰り返している場合は要注意。自己判断せずにかかりつけ医や歯科・耳鼻咽喉科を受診してください。

母が水でむせるのが当たり前になってて「年だから」で済ませてた。STさんに「これは放置すると危ないですよ」と言われて初めて事の重大さがわかった。早く知っておきたかった。 — Xユーザー(自営業・40代女性)2026年4月


自宅でできる8つの嚥下体操 — 食前5分メニュー

ここからが本題です。1日2〜3回、食事の前に5〜10分を目安に取り組んでみてください。最初から全部やらなくて大丈夫。「口・首・のど」の各部位から1〜2つ選んで組み合わせるだけでも十分な準備運動です。

口・舌のトレーニング(4種)

① パタカラ体操

「パ・タ・カ・ラ」を1音ずつはっきり、各8回繰り返します。「パ」は唇、「タ」は舌先、「カ」は舌の奥、「ラ」は舌全体を動かす音で、嚥下に必要な筋肉をまんべんなく刺激できます。所要1分。

② 舌のストレッチ

舌を前にできるだけ突き出す→上唇・下唇・左右の口角を順に舐めるように動かす。各5回。舌の可動域を広げ、食塊を口の奥へ送る力を鍛えます。所要1分。

③ 開口訓練

口を「あー」と最大限に開けて10秒キープ→5秒休む。これを5セット。のど仏を引き上げる舌骨上筋群に効きます。所要2分。

④ 唾液腺マッサージ

耳の下(耳下腺)・あごの下(顎下腺)・舌の下(舌下腺)を指先で優しく10回ずつ円を描くようにマッサージ。唾液分泌を促し、食塊形成を助けます。所要1分。

首・肩のトレーニング(2種)

⑤ 首回し体操

ゆっくり右回り3回→左回り3回。肩の力を抜き、無理のない範囲で。頸部の緊張をほぐし、嚥下動作をスムーズにします。所要30秒。

⑥ 肩の上下運動

息を吸いながら肩をすくめ、息を吐きながらストンと落とす。10回。首・肩の血流を促し、誤嚥防止の咳反射を出しやすい姿勢を作ります。所要30秒。

のどの筋力トレーニング(2種)

⑦ 嚥下おでこ体操

椅子に座り、片手の付け根をおでこに当て、頭でその手を強く押し返す(手は動かさない)。へそをのぞき込むように首前面の筋肉を意識。10秒×5セット。舌骨上筋群を鍛え、のど仏の引き上げを改善します。所要2分。

⑧ シャキア訓練(頭部挙上訓練)

仰向けに寝て、肩を床につけたまま頭だけを持ち上げ、足のつま先を見る姿勢を1分キープ→1分休憩を3セット。次に、同じ姿勢で30回頭の上下運動。のどを開ける筋肉に最も強く効くといわれる訓練ですが、首や腰に負担があるため、高齢者は無理せず嚥下おでこ体操で代替しても構いません。

出典: 日本歯科医師会「8020運動・口腔体操」

体操メニュー早見表

部位体操名回数所要時間主な効果
口・舌① パタカラ体操各8回1分唇・舌の総合トレ
口・舌② 舌のストレッチ各5回1分舌の可動域
口・舌③ 開口訓練5セット2分舌骨上筋群
口・舌④ 唾液腺マッサージ各10回1分唾液分泌
首・肩⑤ 首回し各3回30秒頸部の緊張緩和
首・肩⑥ 肩の上下10回30秒姿勢・血流
のど⑦ 嚥下おでこ10秒×52分のど仏引き上げ
のど⑧ シャキア訓練1分×35分のどを開く力

動画で確認したい方へ: 自治体や歯科医師会、各地の地域包括支援センターが嚥下体操の動画を公式YouTubeで公開しています。「(市区町村名) 嚥下体操」で検索すると、お住まいの地域に合った映像が見つかります。


体操だけでは不十分 — 食事の姿勢・とろみの基本

体操で筋力を維持しても、食事の場面で誤嚥を誘発する条件があれば意味が半減。最低限おさえたい3つの基本を整理しました。

基本1: 椅子は90度、あごを引く

背もたれに深く腰掛け、足裏を床にしっかりつけ、あごをわずかに引いた姿勢が基本です。あごが上がるとのどが開いて気道に流れ込みやすくなります。ベッド上で食べる場合はギャッジアップ60度以上+枕で頭を前傾させてください。

基本2: 一口量はティースプーン1杯から

詰め込みは誤嚥の最大リスク要因です。**ティースプーン1杯(約5mL)**を目安に、口の中が空になってから次を運ぶことを徹底します。家族の声かけ「飲み込んだ?」も有効です。

基本3: とろみは「中間」から試す

水・お茶でむせる場合はとろみ剤を活用しますが、濃すぎるとろみは咽頭残留を増やし誤嚥を助長することが学会ガイドラインで指摘されています。日本摂食嚥下リハ学会の3段階(薄い・中間・濃い)に従い、まずは中間(とんかつソース程度)で様子をみてください。

出典: 日本摂食嚥下リハビリテーション学会「嚥下調整食学会分類2021」

口腔ケアの徹底もセットで行うと効果が高まります。詳しくはこちらをご覧ください。 → 高齢者の口腔ケアのやり方 — 介護初心者向け基本手順

義母にとろみを濃くしすぎてたらしく、STさんに「これじゃ飲み込みにくいですよ」って言われて目から鱗だった。良かれと思ってやってたことが逆効果なこともあるんだと痛感。 — Xユーザー(パート勤務・50代女性)2026年6月


こんなときは専門職に相談を — 訪問リハビリの活用

自宅リハビリで改善が見られない場合や、誤嚥のサインが強い場合は、言語聴覚士(ST)による評価を受けることをおすすめします。

相談すべき3つのタイミング

  • 発熱や肺炎を繰り返している — 不顕性誤嚥(むせない誤嚥)の可能性
  • 半年で体重が3kg以上減った — 食事量低下と誤嚥が進行している恐れ
  • 本人が「飲み込みにくい」と訴える — 自覚症状は重要な指標

相談ルートと費用の目安

相談先内容費用目安
かかりつけ医まず最初の相談・検査の紹介保険診療3割負担
歯科・耳鼻咽喉科嚥下内視鏡検査(VE)など保険診療3割負担
訪問リハビリ自宅にSTが訪問・訓練指導介護保険1〜3割負担
通所リハビリデイケアで嚥下訓練介護保険1〜3割負担

訪問リハビリ・通所リハビリはケアプランに組み込む形で利用します。担当ケアマネジャーに「嚥下のリハビリを入れたい」と相談すれば、地域のST在籍事業所を紹介してもらえます。

介護保険の使い方やリハビリ全体の種類については、こちらの記事で詳しく解説しています。 → 介護リハビリの種類と選び方 — 訪問・通所・施設の違い介護保険の使い方を初めての人向けに解説


今日からできるたった1つのこと

この記事では8つの体操と食事の工夫を紹介しましたが、全部を今日から始めなくて大丈夫です

今日できること、1つだけ提案させてください。

夕食前に、家族と一緒に「パ・タ・カ・ラ」を各8回、声に出して言う。

たった1分。これだけで、嚥下に関わる主要な筋肉に刺激が入ります。続けられる仕組みは「家族と一緒」「食事と紐づける」の2つで作れます。

  1. 食卓に座ったら「いただきます」の前に**「パ・タ・カ・ラ」を声に出す**
  2. 1週間続いたら、嚥下おでこ体操(10秒×5)を追加
  3. 違和感やむせが続くなら、ケアマネジャーかかかりつけ医へ相談

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まとめ

嚥下機能の低下は加齢とともに静かに進みます。それでも、毎日の小さな運動と食事の工夫で、進行は緩やかにできます

この記事のポイントを振り返ります。

  1. 誤嚥性肺炎は身近なリスク — 年間約5.6万人、高齢者死因上位
  2. 8つの体操を5分メニューで — 口・舌4種+首肩2種+のど2種
  3. 食事は「90度・あご引き・一口5mL・中間とろみ」 — 体操とセットで効果倍増
  4. 改善しない/誤嚥サインが強い場合はSTへ — 訪問リハは介護保険でカバー可

毎食前の1分から始めて、1週間続いたらメニューを少しずつ増やす。その積み重ねが、家族の「食べる楽しみ」を守る力になります。

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