介護休業の取り方完全ガイド — 93日を「3回に分けて」使う賢い方法
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介護休業は「介護するための休み」ではない——“体制を作るための時間”
親が倒れて介護休業取ろうとしたら、上司に「えっ、介護って奥さんがするんじゃないの?」って言われた。2026年にもなってまだこれか。制度はあっても空気がない。 — Xユーザー(父親が入院・40代男性会社員)2026年3月
介護休業は、介護そのものをするための休みではありません。厚生労働省は介護休業の目的を「介護に関する長期的方針を決めるための期間」としています(厚生労働省 仕事と介護の両立支援)。
つまり、93日間を「介護をする時間」として使い切るのではなく、「介護と仕事を両立できる体制を作る時間」として戦略的に使うのが正しい活用法です。
この記事では、介護休業の取り方の手続きから、93日を3回に分けて使う具体的なパターン、給付金の計算方法まで解説します。
この記事でわかること:
- 介護休業の申請手続きと会社への伝え方
- 93日を3回に分割する具体的なパターン
- 介護休業給付金の計算方法と手取りシミュレーション
介護休業制度の基本 — 93日・3回・対象家族の範囲
まず制度の全体像を整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 取得日数 | 対象家族1人につき通算93日 |
| 分割回数 | 3回まで |
| 対象者 | 雇用保険に加入している労働者(正社員・パート・契約社員) |
| 対象家族 | 配偶者、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫 |
| 給付金 | 賃金の67%(雇用保険から支給) |
| 申出期限 | 休業開始の2週間前まで |
(出典:厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし」)
重要な変更点(2022年4月施行): 有期雇用労働者の取得要件が緩和され、「引き続き1年以上雇用」の要件が撤廃されました。ただし、労使協定で入社1年未満の方を除外している企業もあります。
介護休業と介護休暇の違い
| 制度 | 日数 | 給付金 | 単位 | 用途 |
|---|---|---|---|---|
| 介護休業 | 93日(3回分割) | 賃金の67% | 日単位 | 体制構築・方針決定 |
| 介護休暇 | 年5日(2人以上なら10日) | なし(有給の企業あり) | 時間単位で取得可 | 通院付き添い・手続き |
短時間の用事(役所の手続き、通院の付き添い)は介護休暇を使い、長期的な体制構築には介護休業を使うのが効率的です。
93日を「3回に分けて」使う——3つの活用パターン
93日を一度に使い切ると、後から必要になった時に使えなくなります。「初動」「体制構築」「看取り・重大判断」の3期に分けて使うのが、多くのケアマネジャーが推奨するパターンです。
パターン例:93日を30日+30日+33日に分割
第1回:初動期(30日) — 介護が始まった直後
| やること | 詳細 |
|---|---|
| 地域包括支援センターに相談 | 介護保険の申請を代行してもらう |
| 介護保険の申請 | 認定調査の立ち会い |
| ケアマネジャーの選定 | 居宅介護支援事業所を2〜3ヶ所見学 |
| サービスの体験利用 | デイサービス・ショートステイの見学 |
| きょうだい・親族との話し合い | 費用分担・役割分担の初期合意 |
→ 復帰後は、ケアマネジャーとサービス事業者に日常の介護を任せる
第2回:体制構築期(30日) — 状態が変化した時(例:要介護度の変更、退院後)
| やること | 詳細 |
|---|---|
| ケアプランの見直し | 新しい要介護度に合わせたサービス変更 |
| 施設の見学・入所申込 | 特養のウェイトリスト登録(平均待機期間は地域により異なる) |
| 在宅環境の整備 | 手すり設置、バリアフリー改修(介護保険で最大20万円の補助) |
| 見守りサービスの導入 | 状態変化に応じた見守り体制の再構築 |
→ 復帰後は、新しい体制で日常を回す
第3回:看取り期・重大判断期(33日) — ターミナルケアや施設入所の判断
| やること | 詳細 |
|---|---|
| 施設入所の手続き | 入所契約・引っ越し |
| 看取りの方針決定 | 医師・ケアマネジャーとの話し合い |
| 看取りの時間 | 最期の時間を一緒に過ごす |
最初の休業で体制を作れたから、2回目は半年後に母の要介護度が上がった時に使えた。3回目はまだ残してある。「3回分けられる」って知ってるだけで全然違う。会社の人事に言ったら「そんな使い方できるんですね」って驚かれた。 — Xユーザー(母親の介護・40代女性会社員)2026年4月
介護休業の申請手順 — 会社への伝え方
ステップ1:就業規則を確認する
会社の就業規則で、介護休業に関する規定を確認します。法律上は「2週間前までの申出」ですが、会社によって書式や手続きが異なります。
ステップ2:上司と人事部に連絡する
伝え方のポイント:
- 事実ベースで伝える: 「親の介護が必要になりました。介護休業法に基づき、○月○日から○日間の休業を申し出ます」
- 業務の引き継ぎ計画を示す: 休業前に担当業務の一覧と引き継ぎ先を整理しておく
- 復帰後のイメージも共有: 「休業中に介護体制を整え、復帰後は通常勤務に戻る予定です」
ステップ3:介護休業申出書を提出する
書面(会社指定の様式がない場合は任意様式)で、以下を記載して提出します:
- 申出年月日
- 対象家族の氏名・続柄・要介護状態
- 休業開始日・終了予定日
- 休業が2回目以降の場合はその旨
ステップ4:ハローワークで給付金を申請する
介護休業終了後に、ハローワークで介護休業給付金を申請します(会社が代行するケースもあります)。
介護休業給付金の計算方法 — 実は手取りの約8割をカバー
介護休業給付金は**休業開始時賃金日額の67%**が支給されます。
月給別の給付金シミュレーション
| 月給(額面) | 給付金(月額概算) | 手取り比較 |
|---|---|---|
| 20万円 | 約13.4万円 | 通常手取り約16万円の約84% |
| 25万円 | 約16.8万円 | 通常手取り約20万円の約84% |
| 30万円 | 約20.1万円 | 通常手取り約24万円の約84% |
| 35万円 | 約23.5万円 | 通常手取り約28万円の約84% |
| 40万円 | 約26.8万円 | 通常手取り約32万円の約84% |
なぜ「手取りの約8割」になるのか: 給付金は非課税で、休業中は社会保険料(健康保険・厚生年金)の本人負担分も免除される場合があるため、額面の67%でも実質的な手取りは通常時の約80〜84%になります。
(出典:厚生労働省「介護休業給付の内容と支給申請手続」)
介護休業の給付金、67%って聞いて「3割減か…」って思ったけど、非課税+社保免除で実質的には8割くらい。知らなかったら取れなかった。制度は知ったもん勝ち。 — Xユーザー(介護休業取得経験・30代女性)2026年2月
介護休業だけで足りない場合の選択肢
93日では足りないケースも多いです。以下の制度を組み合わせることで、より長期的に仕事と介護を両立できます。
| 制度 | 内容 | 期間 |
|---|---|---|
| 介護休暇 | 年5日(2人以上なら10日)、時間単位取得可 | 毎年付与 |
| 短時間勤務制度 | 1日6時間勤務等 | 利用開始から3年以上 |
| フレックスタイム | 始業・終業時刻の調整 | 会社の制度による |
| テレワーク | 在宅勤務 | 会社の制度による |
| 時間外労働の制限 | 残業の免除 | 申請期間中 |
(出典:厚生労働省「仕事と介護の両立支援制度」)
介護と仕事の両立について、より詳しくは親の介護と仕事の両立ガイドをご覧ください。
介護離職を検討している場合は、介護離職して後悔した人の声も読んでみてください。離職の前にできることがまだあるかもしれません。
費用面の見通しを立てたい場合は介護費用の月額平均も参考にしてみてください。
まとめ — 93日は「戦略的に」使う
介護休業の93日間は、介護をするための時間ではなく、介護と仕事を両立する体制を作るための時間です。
- 3回に分割して使う — 初動期・体制構築期・看取り/重大判断期
- 給付金は手取りの約8割 — 非課税+社保免除で想像より減らない
- 他の制度と組み合わせる — 介護休暇、短時間勤務、テレワーク
最初のステップは、会社の就業規則を確認し、人事部に「介護休業制度について教えてほしい」と聞くことです。聞くだけなら申請したことにはなりません。