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介護施設の入居一時金の相場 — 0円〜数千万円の差はどこから生まれるのか【2026年版】

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「入居一時金1,000万円って、誰が払えるんだろう」

「もうウチじゃ面倒見られません」〈年金13万円〉82歳母が”老人ホーム退去”を迫られた日…行き場も金もない〈独居の果て〉(THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン)) #Yahooニュース — 有田 和生(@karita83364818)2025年11月

介護施設のパンフレットを見ていると、「入居一時金 0円」「入居一時金 1,200万円」と、同じ”老人ホーム”なのに桁が3つも違う数字が並びます。そもそも入居一時金とは何で、なぜここまで差があるのか。そして、自分の家計で実際にいくら準備すれば現実的な選択肢になるのか。

この記事では、介護施設の入居一時金の相場を施設タイプ別に整理し、0円プランと一時金ありプランの損益分岐点、退去時に返ってくるお金の計算方法まで、契約後に後悔しないために知っておきたい情報をまとめます。

この記事でわかること:

  • 施設タイプ別の入居一時金相場(特養/グループホーム/サ高住/有料老人ホーム)
  • 「0円プラン」と「一時金ありプラン」の総額比較と損益分岐点
  • 退去時の返還額を決める「初期償却率」と「償却期間」の読み解き方

入居一時金とは何か — 「前払い家賃」の正体

入居一時金とは、施設に入居する際に一括で支払う前払い家賃のことです。月々の家賃を一定期間分まとめて先払いする仕組みで、入居期間に応じて少しずつ「償却」されていきます。

「保証金」「敷金」「入居金」「終身利用権付与金」など、施設によって呼び方が違いますが、性質は同じ前払い金です。

入居一時金には老人福祉法に基づく開示・返還ルールが定められており、契約時に以下の3点を必ず説明する義務があります(老人福祉法第29条)。

開示義務項目内容
金額の根拠入居一時金が何年分の家賃に相当するか
初期償却入居時点で即償却される割合(一般に15〜30%)
償却期間残額を月割で償却していく年数(一般に3〜7年)

この3点を契約書に明記していない施設は、その時点で候補から外してください。退去時のトラブルの大半は、この説明が曖昧なまま契約したことから起きています。


施設タイプ別 入居一時金の相場

入居一時金の相場は、施設のタイプによって大きく異なります。2026年時点の全国的な目安は以下の通りです。

施設タイプ別 入居一時金の目安

施設タイプ入居一時金の相場月額費用の目安特徴
特別養護老人ホーム(特養)原則 0円8万〜15万円公的施設。要介護3以上が原則。待機者多い
介護老人保健施設(老健)原則 0円9万〜15万円在宅復帰目的。原則3〜6ヶ月
グループホーム0〜数十万円12万〜20万円認知症の方向け。地域密着型
ケアハウス(軽費老人ホーム)数十万〜数百万円10万〜20万円自立〜軽度向け。公的補助あり
サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)敷金20〜30万円程度10万〜25万円賃貸契約。介護は外部サービス
住宅型有料老人ホーム0〜数百万円12万〜25万円介護は外部サービス。立地・設備で幅
介護付き有料老人ホーム0〜数千万円15万〜35万円24時間介護常駐。最も価格幅が大きい

出典:厚生労働省「介護サービス情報公表システム」掲載の施設データおよび有料老人ホームの概要を基に、価格帯を集約。

つまりこういうこと

  • 入居一時金が原則かからない施設:特養/老健/グループホーム(多くの場合)
  • 数十万円で入れる施設:サ高住/ケアハウス/グループホーム(一部)
  • 百万〜千万円超の幅がある施設:住宅型有料/介護付き有料

特別養護老人ホームの費用構造については、介護施設の内部に詳しい福祉専門家の解説が参考になります。

【特別養護老人ホームで「消耗品を誰が買うのか」問題になったら──】 老企第54号を思い出してほしい。 【結論】特養で「おむつ代」や「パッド代」は、原則、利用者に請求できません。 ▼施設でかかる基本のお金 ・介護保険の自己負担(1〜3割) ・食費・居住費(ごはん代+家賃的なもの) — のぶ 福祉専門家(@nobu_fukushi)2025年5月

**特養は入居一時金が原則かからず、月額も施設サービス費(介護保険1〜3割)+食費・居住費(負担限度額認定で軽減可)で構成されます。**初期費用を抑えたい場合、まず候補に入れたい選択肢です。

詳しい費用構造は「特養の費用相場は月いくら?」「年金だけで入れる介護施設は?」も併せて読んでください。


介護付き有料老人ホームの入居一時金 — 100万〜500万円帯がボリュームゾーン

介護付き有料老人ホームは0円から数千万円までと最も価格幅が広い施設タイプです。実際にどの価格帯に施設が集中しているかを整理しました。

価格帯別の傾向

入居一時金月額費用の目安立地・グレードの特徴
0円プラン20万〜30万円月額に費用を寄せた設計。短期入居向け
〜100万円18万〜25万円郊外・標準的設備の施設
100万〜500万円17万〜25万円最大のボリュームゾーン。都市近郊の標準施設
500万〜1,000万円18万〜28万円都市部好立地 or 設備充実
1,000万〜3,000万円20万〜35万円高級施設。ホテルライクなサービス
3,000万円以上30万〜50万円富裕層向け。専有面積広・医療連携充実

重要なのは「入居一時金が高い = 月額が安い」という反比例関係です。同じ施設の同じ部屋でも、入居一時金を多く払えば月額が下がる仕組みになっています。

入居一時金がここまで差を生む4つの要因

要因影響度
立地都心駅近は郊外の2〜5倍。最も大きな差を生む
専有面積18㎡と30㎡で2〜3倍の差
建物グレード新築・ホテルライク仕様で1.5〜2倍
医療連携・看護体制24時間看護師常駐や提携病院併設で1.3〜1.5倍

「0円プラン」と「一時金ありプラン」の損益分岐点

介護付き有料老人ホームでは、同じ施設の同じ部屋に対して「入居一時金あり」と「0円プラン」を選べるケースが増えています。どちらを選ぶべきかは想定入居期間で決まります。

比較シミュレーション(介護付き有料・月額25万円相当のケース)

期間0円プラン(月額28万円)一時金300万円プラン(月額23万円)差額
1年336万円576万円0円プラン優位 240万円
3年1,008万円1,128万円0円プラン優位 120万円
5年1,680万円1,680万円損益分岐点
7年2,352万円2,232万円一時金プラン優位 120万円
10年3,360万円3,060万円一時金プラン優位 300万円

このケースでは5年が損益分岐点。想定入居期間が5年を超えそうなら一時金ありプラン、3年以内に変更や退去の可能性があるなら0円プランが有利です。

想定入居期間を見積もる目安

公益社団法人 全国有料老人ホーム協会の調査では、有料老人ホームの平均入居期間は約3.6年です(全国有料老人ホーム協会「有料老人ホーム入居者の実態調査」)。ただし、入居時の要介護度や年齢によって大きく分散します。

  • 要介護1〜2で入居:5〜10年と長期化しやすい
  • 要介護4〜5で入居:1〜3年で看取りに至るケースが多い
  • 入居時年齢80歳未満:長期化傾向
  • 入居時年齢85歳以上:短期化傾向

「平均」ではなく、入居予定者の状態に近いケースの実態をケアマネジャーや施設の相談員に聞くのが現実的です。


退去時の返還金 — 「初期償却」と「償却期間」の読み方

入居一時金は退去時に未償却分が返還されますが、全額が戻ってくるわけではありません。返還額を決めるのが「初期償却」と「償却期間」の2つの指標です。

返還額の計算式

返還額 = 入居一時金 −(初期償却分)−(経過月数 × 月割償却額)

計算例:入居一時金500万円・初期償却20%・償却期間5年の施設

項目金額・計算
入居一時金500万円
初期償却(20%)100万円(入居時に即償却)
償却対象残額400万円
月割償却額400万円 ÷ 60ヶ月 = 約6.67万円/月

退去時期別の返還額

退去時期経過月数償却累計返還額
1年で退去12ヶ月100万円+80万円 = 180万円320万円
3年で退去36ヶ月100万円+240万円 = 340万円160万円
5年で退去60ヶ月100万円+400万円 = 500万円0円
7年で退去84ヶ月償却完了済0円(追加負担なし)

初期償却率と償却期間の妥当性チェック

指標妥当な範囲気をつけたい水準
初期償却率15〜30%40%超は要注意(短期退去で大半が戻らない)
償却期間3〜7年1〜2年は短すぎ、10年超は長すぎ

初期償却率40%以上・償却期間3年未満の施設は、契約前に必ず理由を確認してください。 数字だけ見ると一見お得な月額設定でも、早期退去時に大きく損する設計になっていることがあります。


入居一時金が払えない場合の4つの選択肢

「老人ホームのパンフレットを見て、入居一時金で諦めた」というご相談は少なくありません。費用面の不安は、家族間でもなかなか口に出しにくい問題です。

70代”要介護3”の母を在宅で介護しようかどうか悩んでいます。「在宅のほうが施設より安い」と聞きますが、実際どれくらいの費用の差があるのでしょうか?(ファイナンシャルフィールド) — eviano(@eviano76)2025年9月

選択肢は実は4つあります。順番に検討してみてください。

選択肢1:入居一時金0円プランの有料老人ホームを選ぶ

短期入居の見込みや、初期資金が用意できない場合の第一候補。前述の損益分岐シミュレーションを必ず行ってください。

選択肢2:一時金が原則かからない施設を検討する

特養/グループホーム/老健は原則0円。特養は要介護3以上が条件ですが、入所には申し込みのスタートラインに立てると道が開けます。

要介護3が欲しい理由は特養の申し込みのスタートラインにも立てないから。 一昨日までそう思ってた。 その話をショート利用中の施設の相談員さんにしたら、ウチは利用が3からで申し込は今でも出来ますよと。 そして、実は今なら個室が空いていると教えてもらった。 それをケアマネさんに伝えると、 — たっかん(@happyokan2)2026年4月

特養は待機者数の多さばかり強調されますが、地域や個室・多床室の別、入居者の入れ替わりタイミングで空きが出ることがあります。 ケアマネジャーや地域包括支援センターに「申し込みだけでも出しておきたい」と相談する価値は十分あります。

選択肢3:サ高住で敷金20〜30万円程度の物件を探す

サ高住は賃貸契約のため、入居一時金ではなく敷金20〜30万円程度で入居できる物件が多くあります。介護サービスは外付けで利用するため、要介護度が軽いうちはコストを抑えやすい選択肢です。

選択肢4:分割払い・月払い方式を相談する

最近は入居一時金を「24回〜60回の分割払い」「月払い方式」で受け付ける施設も増えています。パンフレットには記載されていないことが多いので、見学時に直接相談してください。

月額負担そのものを下げる方法は「年金だけで入れる介護施設は?」「介護にかかる費用の平均額と内訳」で、世帯分離や高額介護サービス費の活用も含めて整理しています。


契約前に必ず確認したい7項目

入居一時金関連のトラブルを避けるために、契約前に書面で必ず確認してほしい7項目です。

  1. 入居一時金の金額と内訳(家賃前払い分/介護費用前払い分の区別)
  2. 初期償却の率と金額(何%が即償却されるか)
  3. 償却期間(何年で全額償却されるか)
  4. 月割償却額(月いくらずつ償却されるか)
  5. 退去時の返還計算式(具体的な計算例を見せてもらう)
  6. 死亡退去・施設都合退去・自己都合退去の扱いの違い
  7. クーリングオフ期間(入居後90日以内は全額返還が法定)

特に7番のクーリングオフ(90日ルール)は、入居後3ヶ月以内に「合わない」と判断したら入居一時金が全額返ってくる重要な権利です。短期解約特例として老人福祉法第29条第8項で定められています。


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まとめ — 「入居一時金 ÷ 想定入居期間」で実質月額を出す

介護施設の入居一時金は、施設タイプによって0円から数千万円まで大きく異なります。重要なのは「金額の大小」ではなく、自分たちの想定入居期間に対する実質的な月額負担を計算することです。

入居一時金の判断3ステップ

ステップやること
1入居予定者の要介護度・年齢から想定入居期間を見積もる
2候補施設の「0円プラン」と「一時金ありプラン」を総額比較する
3初期償却率・償却期間から、早期退去時の返還額を試算する

「パンフレットの一時金額」ではなく「実質月額(一時金 ÷ 想定月数 + 月額費用)」で複数施設を比較する。これが介護施設選びで失敗しないための最重要原則です。

まずは介護サービス情報公表システムでお住まいの地域の施設を検索し、3件以上の見学で見積書を取り寄せて比較するところから始めてみてください。


次の一歩を、一緒に考えませんか

ここまでお読みいただきありがとうございました。「自分たちの予算でどのタイプの施設が現実的なのか分からない」「同じ施設の0円プランと一時金ありプラン、どちらが家計に合うのか判断できない」というご家族のために、介護のミカタは以下の2つのご支援をご用意しています。

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