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介護付き有料老人ホームの月額相場 — 要介護度別シミュレーションと「安い・高い」の見抜き方

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「在宅と施設、結局どっちが安いんですか?」— 答えに迷う家族のために

70代”要介護3”の母を在宅で介護しようかどうか悩んでいます。「在宅のほうが施設より安い」と聞きますが、実際どれくらいの費用の差があるのでしょうか? — Xユーザー @eviano76(2025年9月)

施設にするか在宅で続けるか。判断のいちばん大きな材料は「月額がいくらかかるか」です。ところが介護付き有料老人ホームの月額は、施設パンフレットの表記と実際の請求額にしばしばギャップがあり、家族が混乱する原因になっています。

この記事では、厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査」と「介護給付費等実態統計」、および介護サービス情報公表システムに掲載された施設データをもとに、介護付き有料老人ホームの月額相場をフェアに整理します。

この記事でわかること

  • 介護付き有料老人ホームの月額相場(全国平均・地域別・グレード別)
  • 要介護1〜5での月額シミュレーション
  • 「相場より安い/高い」を見抜く5つのチェックポイント
  • 月額を抑えるために使える3つの公的制度

介護付き有料老人ホームの月額相場 — 全国平均は22万円前後

介護付き有料老人ホーム(法律上の正式名称は「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた有料老人ホーム)の月額費用は、全国平均で月15万〜35万円のレンジに収まります。中央値は概ね22万円前後です。

月額22万円の内訳

費目金額の目安割合内容
家賃(居住費)5万〜15万円約35%居室使用料。立地と広さで決まる
管理費(共益費)2万〜5万円約18%共用部維持・事務費・人件費の一部
食費4万〜6万円約23%1日3食×30日。特別食は追加
介護サービス費(1割負担)1.7万〜2.9万円約9%要介護度に応じた定額
日用品・医療・追加サービス1万〜5万円約15%おむつ・通院・レクリエーション

出典:厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査」および「介護サービス情報公表システム」の公開データより集計。

地域別の月額レンジ

エリア月額レンジの中心備考
首都圏(東京都心)25万〜35万円23区中心部は30万円超が多い
首都圏(郊外)・関西都市部20万〜27万円駅徒歩圏かどうかで±3万円
政令市以外の地方都市16万〜22万円大手チェーンと地場系で開き
過疎地13万〜18万円選択肢が少なく要介護度で偏る

数字はパンフレット表記ベースの目安です。実際の請求額は、後述の「隠れコスト」を含めると1.2〜1.5倍になることが珍しくありません。

「月額13万円の年金では入れない」現実

「もうウチじゃ面倒見られません」〈年金13万円〉82歳母が”老人ホーム退去”を迫られた日…行き場も金もない〈独居の果て〉 — Xユーザー @karita83364818(2025年11月)

国民年金のみ・月13万円の世帯では、首都圏の介護付き有料老人ホーム平均月額25万円との差額が毎月12万円。貯蓄を取り崩し続けないと支払えない構造であり、退去を迫られる事例は珍しくありません。月額を「払える金額か」で判断するには、5年・10年単位の総額試算が欠かせません。


月額が変わる4つの要因 — なぜ施設ごとに10万円以上の差が出るか

要因1:立地(家賃と管理費に直結)

東京23区中心部の有料老人ホームは、家賃部分だけで月10〜15万円。同じグレードでも郊外なら家賃5〜8万円に下がります。「親の地元」「子の自宅から近い場所」のどちらを優先するかで、月額に5万円以上の差が出ることがあります。

要因2:建物・設備のグレード

築浅・全室個室・温泉付き・コンシェルジュ常駐などの「ホテルライク型」は月額28万円以上が中心。築15年以上・標準個室・最低限の共用部の「標準型」は月額18〜22万円。「個室面積」と「築年数」が月額に最も効きます

要因3:要介護度(介護サービス費の定額部分)

介護付き有料老人ホームの介護サービス費は、要介護度ごとの定額制です(特定施設入居者生活介護費)。在宅介護の「使った分だけ請求」とは仕組みが違います。

要介護度介護サービス費(1割負担/月)
要支援1約5,500円
要支援2約9,500円
要介護1約16,500円
要介護2約18,500円
要介護3約20,700円
要介護4約22,700円
要介護5約24,800円

出典:厚生労働省「介護報酬の算定構造(特定施設入居者生活介護)」2024年度報酬改定をもとに自己負担1割で計算。所得により2〜3割。

要因4:「介護付き」か「住宅型」か

同じ「有料老人ホーム」でも、特定施設の指定を受けた介護付きと、外部介護サービスを使う住宅型では介護サービス費の請求方式が根本的に違います。

タイプ介護サービス費中重度(要介護3〜5)の傾向
介護付き(特定施設)要介護度ごとの定額上限が読みやすく安定
住宅型訪問介護を都度請求上限に張り付き割高化しやすい

要介護3を超える見込みなら、介護付きの方が総額で有利になるケースが多いというのが現場の体感です。


要介護度別 月額シミュレーション — 22万円の施設を例に

家賃9万・管理費3.5万・食費5万・日用品等3万、介護サービス費1割負担という標準的な介護付き有料老人ホームでの月額試算です。

要介護度介護サービス費月額合計(目安)
要介護1約16,500円約19.2万円
要介護2約18,500円約19.4万円
要介護3約20,700円約21.6万円
要介護4約22,700円約23.8万円
要介護5約24,800円約26.0万円

要介護1から要介護5まで進行しても、月額の上昇幅は約1.2万円にとどまります(介護サービス費部分)。ただし、おむつ・パッド代、医療費、追加加算(看取り加算・認知症専門ケア加算など)が乗ると、実質の差は月3〜5万円になることが多い点に注意が必要です。


「相場より安い/高い」を見抜く5つのチェックポイント

【 老人ホームを見極めるポイント4選 】※当てはまったら要注意 1.『掲示物の高さ』に注目 — Xユーザー @nobu_fukushi(2024年10月)

福祉専門家の「のぶ」さんが指摘する通り、施設の良し悪しはパンフレットには出ません。月額の妥当性を判断する5つのチェックポイントを整理しました。

チェック1:職員配置基準は「2.5:1」以上か

法令上の最低基準は要介護者3人に対し職員1人(3:1)。これより手厚い2.5:1や2:1の配置を公表している施設は、人件費が乗る分月額がやや高めでも妥当です。逆に「3:1ピッタリ」で月額が高い施設は、何にお金がかかっているのか確認すべきです。

チェック2:夜間の看護師配置

夜間に看護師が常駐しているか、オンコール対応かで医療体制が大きく変わります。夜勤看護師常駐の施設は月額が2〜3万円高いのが相場です。看取り対応を希望するなら夜間配置の有無は最優先の確認事項です。

チェック3:介護サービス費の加算項目

「個別機能訓練加算」「認知症専門ケア加算」「看取り介護加算」など、加算は施設の体制充実の証ですが、その分自己負担が増えます。「どの加算が請求されるか」を契約前に書面でもらうことが重要です。

チェック4:入居一時金との総額バランス

入居一時金0円プランは月額が高め、一時金300万円型は月額が低めという逆相関があります。5年・10年の総額で比較しないとどちらが得か判定できません。

チェック5:退去基準と看取り方針

「医療依存度が一定以上で退去」「胃ろう・吸引で退去」など、要介護度が上がった時の退去条件があると、結局もう一度施設探しと初期費用を払うリスクがあります。月額の安さだけで選ぶと、トータルでは割高になる典型です。


月額を抑える3つの公的制度

制度1:高額介護サービス費

月々の介護サービス費の自己負担が一定額を超えると、超過分が払い戻されます。

所得区分月額上限(世帯)
住民税非課税世帯(年金80万円以下)15,000円(個人)
住民税非課税世帯24,600円
住民税課税〜年収約770万円44,400円
年収約770万〜1,160万円93,000円
年収約1,160万円以上140,100円

出典:厚生労働省「高額介護サービス費

制度2:世帯分離による住民税非課税化

親と同一世帯の場合、世帯を分離することで親が住民税非課税世帯に該当する可能性があります。これにより高額介護サービス費の上限が下がり、月額の自己負担が年間で10〜20万円下がるケースもあります。国民健康保険料への影響もあるため、市区町村窓口で総合的なシミュレーションを依頼することをおすすめします。

制度3:医療費控除

訪問看護・訪問診療の自己負担分、おむつ代(医師の「おむつ使用証明書」が必要)は医療費控除の対象です。確定申告で還付を受けられます。年10万円以上の医療費が見込まれる方は、領収書を必ず保管してください。


まとめ — 「月額の安さ」より「総額の見通し」で判断する

確認したい数字把握する方法
パンフレット記載の月額公式サイト・資料請求
要介護度が上がった時の月額見学時に書面で確認
隠れコストを含めた実質月額「月額に含まれないもの一覧」を請求
5年・10年の総額入居一時金を月割りして合算
退去時の返還金償却スケジュールを契約書で確認

介護付き有料老人ホームの月額相場は全国平均22万円前後ですが、**「相場通り」かどうかより「あなたの家族の状況で5年間支払い続けられるか」**が判断軸です。

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認知症+糖尿病とか、認知症+精神疾患とか…施設でもケアが本当に大変なので、在宅でご家族をみている方の心労は察して余りある。本当にご苦労さまです。罪悪感なく専門家にお任せしていいと思います。 — Xユーザー @mousoumohican(2026年3月)

「施設に入れるのは家族として負け」ではありません。月額の数字を冷静に見ることは、家族を守るために必要な作業です。

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