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「認知症の人と家族の会」とは — 全国47支部の活用法と当事者の声

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「相談できる人がいない」——その孤独に、44年寄り添ってきた団体

母が認知症と診断されてから半年。夫は「お前の親なんだから」、兄は「俺は仕事が忙しい」、ケアマネさんは事務的。誰にも本音が言えない。同じ立場の人と話したいだけなのに、その『場所』がどこにあるのかわからない。 — Xユーザー(パート勤務・50代女性)2026年4月

この孤独感は、認知症介護をする家族の多くが共有する感覚です。あなただけが抱えている問題ではありません。

こうした家族のために44年前から活動を続けている全国組織があります。それが**公益社団法人「認知症の人と家族の会」**です。

「名前は聞いたことあるけど、実際どんな団体?」「入会するメリットは?」と感じている方へ。支部の探し方から会費、入会前に試せる無料サービスまで具体的にお伝えします。

この記事でわかること:

  • 「認知症の人と家族の会」の概要と歴史
  • 全国47支部で行われている3つの主要活動
  • 会員になるメリットと費用、入会しない場合の使い方
  • 実際に利用した家族のリアルな声
  • 今日からアクセスできる連絡先と3ステップ

「認知症の人と家族の会」とは何か

「認知症の人と家族の会」は、認知症のご本人と家族が互いに支え合うために1980年に発足した、全国規模の公益社団法人です。

1980年に京都で誕生、44年の歴史

1980年(昭和55年)1月、当時「ぼけ老人をかかえる家族の会」という名称で京都市に設立されました。「ぼけても安心して暮らせる社会」をスローガンに、認知症介護家族の互助・社会への発信・政策提言を担ってきた、日本でもっとも歴史の長い認知症家族支援団体です。2017年には公益社団法人へ移行し、現在の名称になっています。

出典: 公益社団法人 認知症の人と家族の会 公式サイト

全国47都道府県に支部、約1万人の会員

最大の特徴は、47都道府県すべてに支部がある点です。会員数は約1万人。各支部が地域ごとに「つどい」や電話相談、研修会を独自に開催しています。「家から通える距離に同じ立場の人がいる」状態が、全国どこに住んでいても担保されている数少ない団体です。

公益社団法人としての社会的役割

国の認知症政策にも深く関わっており、**厚生労働省の「認知症施策推進大綱」**などでは、家族会との連携が地域支援の柱として位置づけられています。単なる当事者団体にとどまらず、政策決定の場に当事者の声を届ける役割を担っているのが特徴です。

出典: 厚生労働省「認知症施策推進大綱」


家族の会が提供する3つの主要活動

「認知症の人と家族の会」の活動は、大きく**「つどい」「電話相談」「会報誌」**の3つで構成されています。それぞれが補い合い、家族の孤立を防ぐ仕組みになっています。

つどい — 同じ立場の仲間と本音で話せる場

各支部が月1回程度、公民館や福祉センターなどで開催する家族同士の語り合いの場です。司会役(多くは介護経験者)が進行し、参加者は順番に近況や悩みを話し、ほかの参加者が共感や経験談を返します。

つどいの良さは「正解を求められない」点にあります。ケアマネジャーや医師との面談では「で、どうしますか?」と判断を求められがちです。つどいでは「ただ話を聞いてもらう」「うんうんと頷いてもらう」だけで構いません。

支部によっては、**本人と家族が一緒に参加できる『本人交流会』**や、男性介護者の集い若年性認知症の家族の集いなど、テーマ別のつどいも運営されています。

全国一斉電話相談 — 専門知識のある相談員

「つどいに行くのはまだハードルが高い」という方のために、フリーダイヤルでの電話相談が用意されています。

代表的な番号は0120-294-456で、月〜金の10:00〜15:00(土曜日も時間限定で対応する場合あり)に運営されています。相談員は家族会で介護経験を積んだ会員や専門スタッフで、「答えを出す」のではなく「気持ちを受け止める」スタンスが特徴です。

出典: 認知症の人と家族の会「電話相談」

なお、地域包括支援センターと違い、特定の介護サービスをすすめる立場ではないため、**「客観的な第三者の視点」**が得られるのも強みです。

会報誌「ぽーれぽーれ」 — 月1回届く全国の声

毎月1回、**会員のもとに会報誌「ぽーれぽーれ」(スワヒリ語で『ゆっくり、ゆっくり』の意)**が届きます。

内容は次のようなものが中心です。

  • 全国の家族の体験談・手記
  • 認知症ケアの最新情報・医療トピック
  • 政策動向(成年後見制度、介護保険改定など)
  • 各支部のつどい開催案内

「自分と同じ悩みを持つ人が、全国にこんなにいるんだ」と気づける貴重な情報源で、会報誌目的で会員になる人も多いとされています。


入会するメリットと費用 — 比較で見る活用法

「会員にならないと使えないの?」という疑問に答えるため、入会する場合・しない場合の違いを整理します。

利用シーン別の比較表

サービス入会前(無料で利用可)入会後(会員特典)
電話相談(0120-294-456)◯ 誰でも利用可能◯ 同じ
つどい(一般参加可の回)△ 一部見学可(支部により)◯ 全回参加可
会報誌「ぽーれぽーれ」× 入会者のみ◯ 毎月郵送
全国研究集会・地域研修△ 一部一般参加可(有料)◯ 会員割引
政策提言・署名活動への参加× 限定的◯ 会員として参加可
各種冊子・調査報告△ 有料購入◯ 会員価格

会員になるメリット

入会する最大のメリットは、**「孤立しない継続的な居場所ができる」**点です。会報誌が毎月ポストに届くだけで、「自分は一人じゃない」と思い出せる仕組みが生活に組み込まれます。また、つどいに継続参加することで、介護期間中の心の支えになる仲間が見つかりやすくなります。

会費と支払い方法

会員区分は「会員」「賛助会員」「専門職会員」などに分かれており、年度・支部により金額が改定される可能性があるため、最新の正確な金額は認知症の人と家族の会 公式サイトの「入会案内」ページでご確認ください。月額換算ではコーヒー1〜2杯程度の負担で、会報誌・つどい・各種研修にアクセスできる設計です。支払い方法は郵便振替が中心で、年単位の更新となります。


実際に利用した家族の声

母の徘徊で警察沙汰になって、もう限界だった。地域包括の人にすすめられて家族の会の電話相談にかけたら、相談員さんが『本当によく頑張ってこられましたね』と言ってくれて、初めて自分のために泣けた。誰にも責められない場所が、こんなに必要だったんだと気づいた。 — Xユーザー(会社員・50代女性)2026年3月

この声に表れているように、「頑張ってきましたね」と言ってもらえる場所は認知症介護で何より貴重です。家族や知人だと、どうしても「もっと優しくしてあげなきゃ」「施設は早すぎる」など、評価や助言が混じりがち。家族の会では評価しないで聞いてくれる相手に出会えます。

父が若年性認知症と診断されたとき、ネットで調べても情報が高齢者向けばかりで絶望してた。家族の会の若年性認知症のつどいに参加したら、同じ40代で親を介護してる人が3人もいて『仕事との両立、みんな苦しんでるんだ』と知った。それだけで救われた。 — Xユーザー(会社員・40代女性)2026年4月

特に若年性認知症や男性介護者など、マイノリティ的な立場の家族には、テーマ別つどいが心の支えになっているという声が多く見られます。


入会から活用までの3ステップ

「興味はあるけど、何から始めればいいかわからない」方へ。今日からできる3ステップにまとめました。

ステップ1: 自分の都道府県の支部を見つける

公式サイトの支部一覧ページから、お住まいの都道府県の支部を選びます。各支部の連絡先・つどい開催スケジュール・最新のお知らせが掲載されています。

ステップ2: 電話相談か見学から試す

いきなり入会する必要はありません。まずは全国共通フリーダイヤル0120-294-456にかけてみる、または近くの支部のつどいに見学希望として連絡してみてください。多くの支部で初回見学を歓迎しています。

ステップ3: 続けたいと思えたら入会する

電話相談や見学で「ここなら続けられそう」と感じたら、入会申込書を取り寄せて手続きします。入会後すぐに会報誌が届くため、「届いた瞬間、孤立感が薄れた」という感想が多く寄せられています。

入会前に介護全体の整理をしておきたい方は、こちらの記事もご参考ください。 → 介護で疲れたあなたへ — 限界サインと10の対処法認知症のBPSD対応 — 暴言・徘徊・拒否への接し方


「一人で背負わない」が、認知症介護の最大のコツ

認知症介護は、長くて先が見えにくいのが最大の特徴です。だからこそ、家族だけで抱え込むと、介護うつや虐待リスクに直結します。厚労省の各種調査でも、社会資源につながっている家族ほど介護負担感が低い傾向が示されています。

出典: 厚生労働省「認知症施策」関連資料

「認知症の人と家族の会」は、その社会資源の中でも最も歴史と実績がある組織です。ケアマネジャーや地域包括支援センターと組み合わせて使うことで、

  • 実務的な相談 → ケアマネ・地域包括
  • 気持ちの相談・継続的な居場所 → 家族の会

という役割分担ができ、家族の負担が大きく軽減します。


今日からできるたった1つのこと

最後に、今日できる1つのことを提案させてください。

スマートフォンに「0120-294-456」を「家族の会 相談」として登録する。

電話するかどうかは後で決めて構いません。「困ったらここに電話できる」と知っておくだけで、心の支えが1本増えます。連絡先を知っているかどうかで、深夜に追い詰められたときの選択肢がまったく違います。

  1. スマートフォンに「0120-294-456」を登録(名称は「家族の会 相談」など)
  2. 公式サイト(alzheimer.or.jp)をブックマーク
  3. 都道府県の支部ページを一度だけ開いて、つどいの日程を確認

ここまでで所要時間5分です。


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まとめ

認知症介護は「家族で何とかする」時代から、社会資源とつながる時代へと変わりました。

この記事のポイントを振り返ります。

  1. 「認知症の人と家族の会」は1980年設立の全国組織 — 47都道府県に支部、会員約1万人
  2. 3本柱は「つどい」「電話相談(0120-294-456)」「会報誌ぽーれぽーれ」 — それぞれが孤立を防ぐ
  3. 会員にならなくても電話相談は誰でも利用可能 — まず一度かけてみるのが第一歩
  4. 入会後は月1回の会報誌で「一人じゃない」が継続する — 心の支えとして機能
  5. ケアマネ・地域包括と役割分担して使うのが正解 — 実務はケアマネ、気持ちは家族の会

44年間、当事者の声を聞き続けてきた団体です。今日、電話番号を1つメモするところから始めてみてください。

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