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認知症の薬4種類を比較 — 効果・副作用・家族が知っておきたい選び方
PR この記事にはアフィリエイト広告が含まれています。本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の薬剤を推奨するものではありません。服薬の判断は必ず主治医・薬剤師にご相談ください。
「結局、どの薬がうちの親に合うの?」と迷ったら
母がアリセプトを飲み始めて2週間。吐き気がひどいって言われて、どうしていいかわからない。やめていいのか、続けるべきなのか、ネットで調べても情報がバラバラで判断できない。 — Xユーザー(会社員・40代女性)2026年4月
この戸惑いは、認知症の薬を初めて家族で扱う多くの人が経験します。「もっと早く知っておけばよかった」と後悔しないよう、ここで整理しておきましょう。
認知症の薬は主に4種類。それぞれ効果の出方・副作用・剤形(飲み薬・貼り薬)が異なります。「合う薬」は人によって変わるため、特徴を知っておくと医師との相談がぐっと進みます。
この記事では、日本神経学会のガイドラインと厚生労働省の資料をもとに、4種類の薬の違い・副作用・選び方・新薬レカネマブの位置づけを家族の視点で整理します。
この記事でわかること:
- 認知症の薬4種類の効果と副作用の違い
- コリンエステラーゼ阻害薬とメマンチンの使い分け
- 2023年保険適用の新薬レカネマブの位置づけ
- 家族が押さえておきたい服薬管理のコツ
- 薬を拒否されたときの対応策
認知症の薬は「治す」のではなく「進行を緩やかにする」
現在使われている4種類の薬はいずれも、認知症を完治させる薬ではありません。 症状の進行を緩やかにし、できるだけ長く穏やかな生活を維持するために使われます。
日本神経学会「認知症疾患診療ガイドライン2017」では、アルツハイマー型認知症に対する薬物療法として、コリンエステラーゼ阻害薬とNMDA受容体拮抗薬の使用が推奨されています。これらは脳内の神経伝達に関わる物質を調整し、認知機能の低下スピードを抑える働きをします。
厚生労働省「認知症施策」によると、2025年に65歳以上の認知症高齢者は約700万人(高齢者の約5人に1人)に達すると推計されており、薬の選び方を家族が理解しておくことの重要性は年々高まっています。
| 認知症の種類 | 主な薬の対応 |
|---|---|
| アルツハイマー型 | 4種類すべてが対応(軽度〜高度で使い分け) |
| レビー小体型 | ドネペジルが保険適用 |
| 脳血管性 | 上記薬の保険適用なし(症状に応じて他剤) |
| 前頭側頭型 | 上記薬の保険適用なし |
「認知症の薬」と一括りにできるのはアルツハイマー型・レビー小体型までで、診断名によって使える薬は変わります。家族としては、まず主治医がどの種類の認知症と診断したかを確認しておきましょう。
認知症の薬4種類を比較 — 効果・副作用・剤形
ここからは、現在保険適用となっている4種類の薬を整理します。一般名(成分名)と代表的な商品名の両方を並べているのは、お薬手帳に記載される表記が薬局によって異なるためです。
薬1: ドネペジル(商品名: アリセプトなど)
最も処方実績が多い薬で、軽度から高度まで全ステージで使えるのが特徴です。1日1回の服用で済むため、家族による服薬管理がしやすい点もメリット。
剤形は錠剤・口腔内崩壊錠(OD錠:水なしで溶ける錠剤)・ゼリー・細粒など豊富で、嚥下機能が落ちてきた方にも対応しやすくなっています。
代表的な副作用は**吐き気・食欲低下・下痢・徐脈(脈が遅くなる)**です。飲み始めの1〜2週間に出やすく、少量から始めて徐々に増量する処方が一般的です。
薬2: ガランタミン(商品名: レミニール)
ドネペジルと同じコリンエステラーゼ阻害薬ですが、別の作用も持ち合わせているのが特徴です。1日2回の服用が必要で、軽度〜中等度のアルツハイマー型認知症に使われます。
副作用はドネペジルと似ていますが、消化器症状がやや出やすいとされる一方で、徐脈の頻度はドネペジルより少ないと報告されています。ドネペジルが合わなかった人の選択肢になることがあります。
薬3: リバスチグミン(商品名: イクセロンパッチ・リバスタッチパッチ)
**唯一の貼り薬(経皮吸収型)**です。1日1回、背中・上腕・胸などに貼り替えて使います。
最大のメリットは、飲み込みが難しい人や薬を拒否しがちな人でも使えることです。胃を経由しないため、消化器系の副作用がコリンエステラーゼ阻害薬の中では最も少ない傾向があります。
一方で、貼った場所のかゆみ・赤みなどの皮膚トラブルが起こりやすい点には注意が必要です。貼る場所を毎日ずらす、保湿クリームを併用するなどの工夫で軽減できます。
薬4: メマンチン(商品名: メマリー)
**4種類の中で唯一の「NMDA受容体拮抗薬」**で、コリンエステラーゼ阻害薬とは作用機序が異なります。中等度〜高度のアルツハイマー型認知症が対象です。
代表的な副作用はめまい・眠気・便秘・頭痛です。中等度以上ではドネペジル等との併用が認められており、両剤の相乗効果が期待されます。
父はドネペジルだけだと夕方からの興奮がひどかった。主治医に相談してメマンチンを追加したら、夜は穏やかになって介護がだいぶ楽になった。薬の組み合わせって本当に大きい。 — Xユーザー(自営業・50代男性)2026年5月
4種類を一目で比較できる早見表
| 項目 | ドネペジル | ガランタミン | リバスチグミン | メマンチン |
|---|---|---|---|---|
| 商品名(代表) | アリセプト | レミニール | イクセロンパッチ | メマリー |
| 分類 | コリンエステラーゼ阻害薬 | コリンエステラーゼ阻害薬 | コリンエステラーゼ阻害薬 | NMDA受容体拮抗薬 |
| 重症度 | 軽度〜高度 | 軽度〜中等度 | 軽度〜中等度 | 中等度〜高度 |
| 剤形 | 錠剤・OD錠・ゼリー・細粒 | 錠剤・OD錠・内用液 | 貼付剤 | 錠剤・OD錠・ドライシロップ |
| 服用回数 | 1日1回 | 1日2回 | 1日1回(貼り替え) | 1日1回 |
| 主な副作用 | 吐き気・徐脈 | 吐き気・嘔吐 | 皮膚かぶれ | めまい・便秘 |
| 併用 | メマンチンと併用可 | メマンチンと併用可 | メマンチンと併用可 | コリン系と併用可 |
| 適応認知症 | アルツハイマー・レビー小体 | アルツハイマー | アルツハイマー | アルツハイマー |
出典: 厚生労働省「認知症の薬物療法に関する報告書」 / 日本神経学会 認知症疾患診療ガイドライン2017
「コリン系3つの中から1つ+必要に応じてメマンチンを追加」が基本パターンです。同じコリン系を2つ重ねて飲むことはありません。
2023年承認の新薬「レカネマブ」の位置づけ
4種類の薬とは別に、近年注目されているのが**レカネマブ(商品名: レケンビ)**です。2023年9月に厚生労働省が承認し、12月から保険適用になりました。
これまでの薬と何が違うのか
従来の4種類は**症状を緩やかにする「対症療法」でしたが、レカネマブはアルツハイマー病の原因物質とされる「アミロイドβ」を脳から除去する「疾患修飾薬」**です。
ただし、対象は早期のアルツハイマー病(軽度認知障害〜軽度認知症)に限定されています。中等度以上に進行した患者には使えません。
| 項目 | 従来の4種類 | レカネマブ |
|---|---|---|
| 目的 | 症状の進行抑制 | 原因物質の除去 |
| 対象 | 軽度〜高度 | 早期(MCI〜軽度)のみ |
| 投与方法 | 経口・貼付 | 点滴(2週間に1回) |
| 投与期間 | 通常は継続 | 18カ月程度(治験基準) |
| 検査 | 通常の診察 | アミロイドPET等の事前検査必須 |
出典: 厚生労働省「レカネマブに係る最適使用推進ガイドライン」
家族として知っておきたい現実的なポイント
レカネマブは画期的な薬ですが、現時点では使える人が限られます。家族として知っておきたいポイントは次のとおりです。
- 早期診断が必要: もの忘れ外来で軽度認知障害の段階で見つかる必要がある
- 専門医療機関のみ: アミロイドPETやMRIに対応している施設に限られる
- 副作用リスク: 脳浮腫・微小出血(ARIA)の発現が報告されており、定期的なMRI検査が必須
- 費用: 高額療養費制度の対象だが、自己負担は人によって変動
「親が認知症かもしれない」と感じたら、進行する前にもの忘れ外来を受診することが選択肢を広げる第一歩です。
→ 親の介護はいつから始まる?見逃しやすい7つのサインと準備リスト
副作用が出たとき・薬を拒否されたときの対応
実際に薬を飲み始めると、家族が困るのは**「副作用」と「服薬拒否」**の2つ。それぞれの対応を整理します。
副作用が気になる場合の3ステップ
- 症状を記録する — いつから・どんな症状・どのくらいの頻度かをメモ
- 自己判断で中止しない — 急な中止は症状悪化につながることがある
- 処方医・薬剤師に連絡 — 減量・剤形変更・別の薬への切り替えを相談
特にコリン系の薬は飲み始め1〜2週間で副作用が出やすいため、最初は少量から増やしていく「漸増法」で処方されます。飲み始めの1カ月は記録を取ることを習慣にすると、医師への伝達がスムーズです。
薬を拒否された場合の選択肢
「飲みたくない」「これ何の薬?」と毎日聞かれて疲れる、というのは認知症介護でよくある悩みです。
認知症介護研究・研修仙台センター(DCnet)などの介護現場の知見を踏まえると、対応策は以下のようなパターンがあります。
| 拒否の背景 | 対応の選択肢 |
|---|---|
| 飲み込みが難しい | 口腔内崩壊錠・ゼリー・貼り薬への変更を医師に相談 |
| 副作用がつらい | 別剤への切り替え・減量を医師と検討 |
| 「薬を飲む意味」が記憶に残らない | 一包化・お薬カレンダー・服薬時間を食事と紐づける |
| 薬への不信感が強い | 信頼している家族・医師・薬剤師から伝える |
| 介護者がそばにいないと飲まない | 訪問看護・訪問薬剤管理指導の活用 |
母はずっと薬を飲んでくれなくて困ってたけど、ケアマネさんから貼り薬があるって教えてもらってリバスチグミンに変えたら、本人も嫌がらなくなって続けられてる。剤形が変わるだけでこんなに違うとは思わなかった。 — Xユーザー(パート勤務・50代女性)2026年5月
訪問薬剤管理指導(薬剤師が自宅に来て服薬管理してくれる介護保険サービス)は、ケアマネジャーに相談すると手配可能です。離れて暮らしている家族にとっても心強い選択肢です。
薬の費用と高額療養費制度
「薬代って毎月いくらかかるの?」も家族が気になるポイントです。介護保険の自己負担割合と、医療保険の自己負担割合は別管理である点に注意が必要です。
一般的な月額目安(3割負担の場合)
| 薬 | 用量 | 月額自己負担(目安) |
|---|---|---|
| ドネペジル | 5mg/日 | 約500〜800円(後発品) |
| ガランタミン | 16mg/日 | 約2,000〜3,000円 |
| リバスチグミンパッチ | 18mg/日 | 約3,000〜4,000円 |
| メマンチン | 20mg/日 | 約1,500〜2,500円 |
| レカネマブ | 体重別 | 高額(高額療養費制度の対象) |
※後発品(ジェネリック)の有無や用量で変動します。実際の金額は処方時に薬局で確認してください。
ドネペジル・メマンチンには後発品があるため、ジェネリック医薬品を希望すれば薬代を抑えられることが多くあります。お薬手帳に「ジェネリック希望」とシールを貼っておくと、薬局でスムーズに切り替えてもらえます。
医療費の自己負担が一定額を超えた場合は、**高額療養費制度**で払い戻しを受けられます。確定申告での医療費控除も、介護保険サービス費と合算できる項目があります。
→ 介護費用の医療費控除はどこまで対象?対象一覧と確定申告の流れ
家族が押さえておきたい服薬管理のコツ
最後に、薬を「処方されてから自宅で続ける」段階で、家族が知っておくと役立つ実践ポイントをまとめます。
コツ1: お薬手帳を1冊にまとめる
複数の医療機関を受診している場合でも、お薬手帳は必ず1冊に統一します。これだけで飲み合わせの確認が容易になり、入院時にも役立ちます。電子版のお薬手帳アプリを家族で共有するのも有効です。
コツ2: 一包化を依頼する
薬局で「一包化」を依頼すると、朝・昼・晩・寝る前ごとに1袋にまとめてもらえます。曜日と時間が印字されるため、本人も家族も飲み忘れに気づきやすくなります。介護保険の処方であれば追加料金が発生する場合もあるため、薬剤師に確認しましょう。
コツ3: 服薬カレンダーやピルケースを活用
壁掛けの服薬カレンダーや、曜日別ピルケースを使うと、「今日飲んだか」が一目でわかります。離れて暮らす家族でもビデオ通話で確認できます。
コツ4: 介護サービスとの組み合わせ
訪問介護のヘルパーは、原則として薬を口に運ぶことはできませんが、**「服薬の声かけ」「水を渡す」「飲んだ後の片付け」**は可能です。訪問看護師であれば服薬介助そのものができます。サービスの組み合わせはケアマネジャーが調整してくれます。
まとめ — 薬の選択肢を知ることは、家族の安心につながる
認知症の薬は、「飲めば治る」薬ではありません。 ただし特徴を知っておけば、医師との対話の質が変わり、家族としての納得感も大きく変わります。
この記事のポイントを振り返ります。
- 認知症の薬は主に4種類 — コリン系3つ(ドネペジル・ガランタミン・リバスチグミン)+NMDA系1つ(メマンチン)
- 「コリン系1つ+必要に応じてメマンチン追加」が基本 — 同じ系統を重ねない
- 剤形を変えるだけで続けやすくなる — 貼り薬・口腔内崩壊錠・ゼリーなど選択肢は豊富
- 2023年承認のレカネマブは早期患者向け — もの忘れ外来の早期受診が選択肢を広げる
- 副作用が出たら自己判断で中止せず処方医に相談 — 減量・剤形変更・別剤への切り替えが基本
- 服薬管理は「お薬手帳1冊化+一包化+ピルケース」が効く — 訪問薬剤管理指導も活用
薬の選択は最終的に主治医が判断します。ただ**「家族が事前に知っているかどうか」で、選択肢の広がり方は変わります**。今日のうちに、お薬手帳を1冊にまとめるところから始めてみてください。
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