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親の介護は誰がする?長男・長女・嫁の役割と法的な義務を解説

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「結局、誰がやるの?」

父が倒れて介護が必要になった。兄は「仕事が忙しい」、弟は「遠方だから」、で結局私(長女)がやることに。嫁に出た身だから関係ないって思われてたのに、なぜ私?きょうだいなのに不公平すぎる。 — Xユーザー(40代・長女・父の在宅介護中)2026年3月

親の介護が始まるとき、多くの家族がぶつかるのが「誰がやるのか」という問題です。

長男だから。近くに住んでいるから。嫁だから。女だから。——さまざまな「暗黙の了解」が、特定の一人に介護を押し付ける構造を作ってしまいます。

結論として、法律上は子ども全員に等しく扶養義務があります。長男だけ、長女だけが担う法的根拠はありません。 また、嫁(義理の娘)には義理の親への法的な介護義務はありません。

この記事では、親の介護の法的な義務関係を整理したうえで、きょうだい間でどう役割分担すればいいか、具体的な進め方を解説します。

この記事でわかること:

  • 民法上の扶養義務は誰にあるのか
  • 配偶者(嫁・婿)の法的な義務
  • きょうだい間の役割分担の具体的な方法
  • 介護の押し付け合いを防ぐ家族会議の進め方

法律で決まっている「扶養義務」の範囲

まず、法律上の義務関係を正確に把握しましょう。感情や慣習ではなく、法律の枠組みを知ることが、公平な話し合いの出発点になります。

民法877条: 直系血族とは

民法877条1項は、**「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある」**と定めています。

つまり、子ども全員が親に対して扶養義務を負います。長男も次男も長女も次女も、同じ義務です。

関係扶養義務
実の子ども(長男・次男・長女等)あり(民法877条1項)
配偶者の親(義父母)なし(直系血族ではない)
あり(直系血族)
きょうだいあり(互いに)

出典: 民法877条 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089

「扶養義務」の中身

扶養義務には2つのレベルがあります。

  1. 生活保持義務: 配偶者間・未成年の子への義務。自分と同水準の生活を保障する
  2. 生活扶助義務: 親子間・きょうだい間の義務。余裕がある範囲で援助する

親の介護は生活扶助義務にあたり、自分の生活を犠牲にしてまで扶養する義務はありません。「できる範囲で」が法律上の原則です。

法律に詳しい友人に聞いたら「子ども全員に義務があるんだよ」って。なんで私だけが当たり前のようにやってたんだろう。法律のこと、きょうだいにも知ってほしい。 — Xユーザー(50代・一人で介護を担当していた長女)2026年2月


「嫁」に義理の親の介護義務はあるか

法律上の回答: ない

配偶者(嫁・婿)は、義理の親の直系血族ではありません。したがって、民法877条1項に基づく扶養義務はありません。

「嫁が義父母の介護をするのは当然」という慣習は根強く残っていますが、法的な裏付けはありません

ただし「特別の事情」がある場合

民法877条2項は、家庭裁判所が「特別の事情」があると認めた場合、三親等内の親族に扶養義務を課すことができるとしています。しかし、これは極めて例外的なケースであり、一般的に嫁が義父母の扶養を強制されることはまずありません。

実態との大きなギャップ

法律上の義務がなくても、同居している嫁に事実上の介護負担が集中するケースは少なくありません。

厚生労働省「国民生活基礎調査」(2022年)によると、主な介護者の続柄は以下の通りです。

続柄割合
配偶者22.9%
16.2%
子の配偶者5.4%
別居の家族等13.6%

出典: 厚生労働省「2022年 国民生活基礎調査の概況」https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa22/index.html

子の配偶者(多くは嫁)が5.4%を占めています。法的義務がないにもかかわらず、です。この「実態と法律のギャップ」は、家族間の話し合いで解消するしかありません。


きょうだい間の役割分担 — 4つの役割で分ける

介護を公平に分担するためには、「介護=身体的なケアをする人」という狭い定義を広げることが有効です。

4つの役割

役割内容向いている人
①介護する人(メインケアラー)通院付き添い、日常のケア、ケアマネとの連絡近くに住んでいる人、時間の融通がきく人
②お金を出す人介護費用の分担、一時的な立替収入の多い人
③情報を集める人制度の調査、施設の比較、手続きの代行調べものが得意な人、事務作業が得意な人
④緊急時の対応者急変時の駆けつけ、入院手続き車で1時間以内の人、休みを取りやすい人

**「介護に参加していない」のではなく、「別の形で参加する」**という枠組みを作ることで、不公平感を減らせます。

費用分担の考え方

民法879条は、扶養の程度は**「扶養義務者の資力」**に応じて決めるとしています。つまり、均等割りではなく、経済力に応じた負担が法律の原則です。

きょうだい年収介護費用の負担案
長男(年収700万円)700万月5万円
次男(年収400万円)400万月3万円
長女(年収300万円、メインケアラー)300万月0円(介護の時間負担と相殺)

このように、お金と時間のバランスで分担する方法が現実的です。


家族会議の進め方 — 5つのルール

介護の分担を決めるための家族会議は、やり方を間違えると感情的な対立に発展しがちです。以下の5つのルールを守ると、建設的な話し合いがしやすくなります。

ルール1: 事前に情報を共有する

会議の前に、以下の情報をきょうだい全員に共有しておきます。

  • 親の要介護度と現在の状態
  • 利用中の介護サービスと月額費用
  • 親の年金額と資産
  • ケアマネジャーの見立て

感情論ではなく、事実に基づいた話し合いにするための準備です。

ルール2: 第三者を入れる

きょうだいだけで話すと感情的になりやすいため、ケアマネジャーや地域包括支援センターのソーシャルワーカーに同席を依頼すると、冷静な話し合いになりやすいです。

ルール3: 「べき論」ではなく「できること」を出す

「長男がやるべきだ」ではなく、「自分はこれならできる」をそれぞれ出す方式にします。できないことを責めるのではなく、できることを持ち寄る発想です。

ルール4: 書面に残す

口約束はトラブルのもとです。役割分担と費用負担は書面にして全員がコピーを持つようにしてください。法的拘束力はなくても、合意内容の確認になります。

ルール5: 定期的に見直す

親の状態は変化します。3〜6ヶ月に1回は役割分担を見直す機会を設けましょう。状況が変わったのに分担を変えないと、特定の人に負担が集中しやすくなります。

きょうだい3人で初めて家族会議した。ケアマネさんに入ってもらったら、思ってたよりずっと冷静に話せた。兄が「お金は出す。でも現場は無理」って正直に言ってくれて、逆にスッキリした。役割がはっきりしたら気持ちも楽になった。 — Xユーザー(40代・きょうだいで介護分担中)2026年4月


きょうだいと折り合えないとき — 最後の手段

話し合いでは解決しない場合、法的な手段もあります。

扶養請求調停

家庭裁判所に**「扶養請求調停」**を申し立てることができます。調停委員が間に入り、きょうだい間の費用分担について話し合いを進めます。

  • 申立先: 相手方の住所地の家庭裁判所
  • 費用: 収入印紙1,200円+郵便切手代
  • 期間: 2〜4ヶ月程度

出典: 裁判所「扶養請求調停」https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_07_15/index.html

調停が不成立の場合は、自動的に審判手続きに移行し、裁判官が分担額を決定します。

相談窓口

介護の負担が一人に集中して限界を感じている場合は、一人で抱え込まず相談してください。

  • 地域包括支援センター — 介護全般の相談、家族間の調整支援
  • 市区町村の福祉課 — 制度の利用相談
  • 法テラス — 法的な手段の無料相談(0570-078374)

施設入所を含めた選択肢の検討は、みんなの介護LIFULL介護で情報収集ができます。

弟が一切介護に関わらなくて限界だった。地域包括に相談したら、家族全員に連絡して調整してくれた。第三者が入ると話が動くって本当だった。 — Xユーザー(50代・一人で在宅介護をしていた長男)2026年1月


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まとめ — 「誰がやるか」ではなく「どう分けるか」

親の介護は、法律上は子ども全員の義務です。長男だけの責任ではなく、嫁に強制する根拠もありません。

大切なのは、「誰がやるか」の押し付け合いではなく、「それぞれが何をできるか」を持ち寄って分担することです。介護する人・お金を出す人・情報を集める人・緊急時の対応者。この4つの役割で分けることで、一人に負担が集中することを防げます。

家族会議がまだできていない方は、まずケアマネジャーか地域包括支援センターに相談し、第三者を交えた話し合いの場を設けてみてください。

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