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成年後見人の費用はいくら?種類・申立て方法・負担軽減策

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「後見人の費用が毎月かかるなんて知らなかった」

「後見制度で合法的なぼったくりにあったようなものです」。神戸市に住む電気技師の男性(72)が指さしたのは、亡き母の後見人だった弁護士に支払われた報酬額を記載した大阪家庭裁判所の文書だ。 — 朝日新聞デジタル(成年後見の報酬801万円に関する報道)2026年3月

成年後見制度は、認知症や知的障害などで判断能力が低下した方の財産を守るための制度です。しかし、費用面の情報が十分に周知されておらず、制度を利用してから「こんなにかかるとは思わなかった」と後悔する声が後を絶ちません。

最高裁判所「成年後見関係事件の概況」(2024年)によると、成年後見の利用者数は約25万人で、そのうち約7割が法定後見(後見・保佐・補助)です。後見人への報酬は被後見人の財産から支払われ、制度が続く限り毎月発生します。

この記事では、成年後見にかかる費用の全体像を、申立て費用・月額報酬・追加費用に分けて解説します。費用を抑える方法や、払えない場合の助成制度も紹介します。

この記事でわかること:

  • 成年後見制度の3類型と費用の違い
  • 申立てから後見開始までにかかる費用の内訳
  • 後見人の月額報酬の相場
  • 費用負担を軽減する3つの方法

成年後見制度の3類型と対象者

費用を理解するために、まず制度の基本構造を押さえます。成年後見制度には「法定後見」と「任意後見」があり、法定後見はさらに3つの類型に分かれます。

法定後見の3類型

類型対象者の判断能力支援者の名称代理権の範囲
後見ほとんどない成年後見人すべての法律行為
保佐著しく不十分保佐人重要な法律行為(不動産売買、借金等)
補助不十分補助人申立て範囲内の特定行為

認知症が進行し、預金の引き出しや契約の判断が自分でできない状態であれば「後見」、ある程度の判断はできるが重要な契約には不安がある状態であれば「保佐」や「補助」が選ばれます。どの類型になるかは家庭裁判所が判断します。

任意後見

まだ判断能力が十分なうちに、将来の後見人を自分で選んでおく制度です。公証役場で「任意後見契約」を結び、判断能力が低下した時点で家庭裁判所に「任意後見監督人」を選任してもらい、後見が開始されます。


申立てにかかる費用の内訳

自分で申立てる場合

費用項目金額
収入印紙(申立手数料)800円
収入印紙(登記手数料)2,600円
郵便切手(連絡用)3,000〜5,000円
医師の診断書作成費用3,000〜10,000円
戸籍謄本等の取得費用1,000〜2,000円
合計約1〜2万円

医師の診断書は、かかりつけ医に「成年後見用の診断書を書いてほしい」と依頼します。費用は医療機関によって異なりますが、3,000〜10,000円程度です。

鑑定が必要な場合

家庭裁判所が判断能力の程度を詳しく調べる「鑑定」が必要と判断した場合、追加で5〜10万円の鑑定費用がかかります。ただし、鑑定が必要になるケースは全体の約1割程度にとどまっています(最高裁判所「成年後見関係事件の概況」2024年)。

専門家に申立て手続きを依頼する場合

自分で手続きするのが難しい場合、司法書士や弁護士に代理を依頼できます。

依頼先費用目安
司法書士10〜15万円
弁護士15〜30万円

記事によれば、被後見人は1億円の金融資産と不動産を保有。義姉らがほぼ使い切ったわけで、半分回収しさらに960万円も取り戻した。そう考えると801万円は暴利ではないという意見もありそう。 — Xユーザー(弁護士)2026年3月

報酬の妥当性は個別のケースによって大きく異なります。特別な業務(訴訟対応や不動産売却など)が発生すると、報酬も高額になる傾向があります。


後見人の月額報酬の相場

後見人への報酬は、家庭裁判所が被後見人の財産額や後見事務の内容を考慮して決定します。以下は東京家庭裁判所が公表している目安です(「成年後見人等の報酬額のめやす」)。

基本報酬(月額)

被後見人の管理財産額月額報酬の目安
1,000万円以下2万円
1,000万〜5,000万円3〜4万円
5,000万円超5〜6万円

年間の費用シミュレーション

仮に管理財産額が2,000万円の場合、年間の後見人報酬は約36〜48万円(月額3〜4万円 × 12ヶ月)です。後見が5年続けば約180〜240万円になります。

追加報酬が発生するケース

通常の財産管理に加え、以下の業務が発生した場合は「付加報酬」が加算されることがあります。

業務内容追加報酬の目安
不動産の売却売却価格の0.5〜3%
訴訟対応10〜50万円
遺産分割協議10〜50万円
身上保護の困難事例基本報酬の50%以内

後見監督人の報酬

家族が後見人になった場合、家庭裁判所が**後見監督人(弁護士・司法書士等)**を選任することがあります。後見監督人にも別途報酬が発生します。

管理財産額後見監督人の月額報酬目安
5,000万円以下1〜2万円
5,000万円超2.5〜3万円

費用を抑える3つの方法

方法1: 家族が後見人になる

家族が後見人になれば、報酬を請求しない(無報酬で務める)ことが可能です。ただし、以下の点に注意が必要です。

  • 家庭裁判所が家族を後見人として選任するかは、家庭の状況による
  • 専門職の後見監督人が選任される可能性がある(その報酬は発生する)
  • 家庭裁判所への報告書作成などの事務負担がある

最高裁判所の統計では、後見人の約**20%**が親族(家族)であり、残りの約80%は弁護士・司法書士・社会福祉士などの専門職です(2024年データ)。

方法2: 市民後見人を活用する

市区町村が養成した「市民後見人」は、専門職よりも低額の報酬で後見業務を担ってくれます。地域によっては無報酬の場合もあります。地域包括支援センターや社会福祉協議会に問い合わせてみてください。

方法3: 助成制度を利用する

各市区町村が「成年後見制度利用支援事業」を実施しており、以下の費用を助成してくれる場合があります(厚生労働省「成年後見制度利用促進」)。

助成内容助成額の目安
申立て費用の助成実費(上限あり)
後見人報酬の助成月額2.8万円まで(自治体による)
鑑定費用の助成実費(上限10万円程度)

助成を受けられるのは、本人に十分な資産がなく、親族も費用を負担できない場合です。申請先はお住まいの市区町村の高齢者福祉課または障害福祉課です。

介護費用全般の軽減策については高額介護サービス費の申請方法介護費用の平均と内訳も参考にしてください。


成年後見の申立て手続きの流れ

ステップ1: 地域包括支援センターまたは家庭裁判所に相談

まずは地域包括支援センターの権利擁護窓口、または家庭裁判所の「後見サイト」で相談します。無料で手続きの説明を受けられます。

ステップ2: 必要書類の準備

  • 申立書(家庭裁判所のウェブサイトからダウンロード可能)
  • 医師の診断書
  • 本人の戸籍謄本
  • 本人の財産目録・収支状況報告書
  • 登記されていないことの証明書(東京法務局発行)

ステップ3: 家庭裁判所に申立て

本人の住所地を管轄する家庭裁判所に書類を提出します。申立てできるのは、本人・配偶者・四親等以内の親族・市区町村長などです。

ステップ4: 審理・面接

家庭裁判所の調査官が本人や申立人と面接し、判断能力や後見の必要性を確認します。必要に応じて鑑定が行われます。

ステップ5: 審判・後見開始

申立てから審判まで、通常1〜3ヶ月かかります。審判が確定すると、後見人が選任され、後見が開始されます。

成年後見の報酬801万円の怪。怒る遺族。元裁判官も「あり得ない」。 — 朝日新聞(成年後見の報酬に関する調査報道)2026年3月

報酬に対する不透明さへの批判を受け、家庭裁判所は報酬算定の見直しを進めています。2024年以降、各家庭裁判所で報酬の考え方を明確化する取り組みが広がっています。


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まとめ — 費用を正しく理解し、後悔のない判断を

成年後見制度は、認知症の親の財産を守るために必要な制度ですが、費用は長期にわたって発生し続けます。制度を利用する前に、申立て費用・月額報酬・追加報酬の全体像を把握しておくことが不可欠です。

まず取り組んでほしいのは、地域包括支援センターの権利擁護相談窓口に電話することです。費用の見積もりや助成制度の利用可否など、個別の状況に応じたアドバイスを無料で受けられます。

親の認知症対応全般については親の認知症への対応ガイド、介護とお金の問題については介護でお金がないときの対処法もあわせてご覧ください。相続と介護の関係については介護と相続のトラブル対策で解説しています。