ダブルケア(育児×介護)を乗り切る12の方法 — 同時進行家族の声
PR この記事にはアフィリエイト広告が含まれています。
「子どもを抱っこしながら親のオムツを替えた」——ダブルケアという現実
上の子の保育園送ってから実家寄って母のデイ送り出し、戻って下の子の離乳食。夜は母の電話相談。自分のごはん食べる時間がない。1日が28時間あればいいのに。 — Xユーザー(会社員・37歳女性)2026年5月
この投稿に「私もそう」と感じた方は、決して少数派ではありません。
**育児と介護を同時に担う「ダブルケア」**は、晩婚化・晩産化と高齢化が重なる現代日本で急増している家族構造です。内閣府の推計では約25万人、8割が30〜40代の女性です。
ダブルケアを少しでも楽にするための12の具体策を、公的データと当事者の声を交えて整理しました。
この記事でわかること:
- ダブルケアの実態データと負担の構造
- 育児・介護休業法など使える制度の早見表
- 同時進行を支える12の工夫
- 子ども・配偶者・親への伝え方
- 一人で抱え込まないための相談窓口
ダブルケアとは — 数字で見る「見えない負担」
ダブルケアは「特殊な家庭の事情」ではなく、これからの30〜40代の標準的なリスクです。
内閣府男女共同参画局が実施した「育児と介護のダブルケアの実態に関する調査(2016年)」によると、ダブルケアを担っている人は推計約25万人。男女比は女性17万人・男性8万人で、女性負担が突出しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| ダブルケアを担う人(推計) | 約25万人 |
| うち女性 | 約17万人(68%) |
| うち男性 | 約8万人(32%) |
| 30〜40代が占める割合 | 約80% |
| 「精神的に負担」と回答 | 女性 約78%/男性 約65% |
| 「離職・転職を経験」 | 女性 約17%/男性 約3% |
出典: 内閣府男女共同参画局「育児と介護のダブルケアの実態に関する調査報告書」(2016年)
ソニー生命保険の「ダブルケアに関する調査2024」でも、ダブルケア経験者の**約6割が「体力的な限界を感じた」**と回答しており、心身への負荷の高さが繰り返し示されています。
妊娠中に父が脳梗塞で倒れた。産後の手続きと介護認定の申請が同時進行。役所と病院をはしごしながら新生児を抱えて、何が何だかわからないまま2年が過ぎた。 — Xユーザー(パート勤務・35歳女性)2026年4月
ダブルケアの本質は「やることが多い」だけではなく、育児と介護で異なる時間軸・専門知識・関係調整が同時に走る複雑性にあります。
ダブルケアを乗り切る12の方法
「精神論で乗り切る」は持続しません。制度・人・お金・時間の4軸で、できるところから手を入れます。
方法1: 介護休業93日を分けて使う
育児・介護休業法では対象家族1人につき通算93日まで、最大3回に分割して介護休業を取得できます(厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし」)。「初動の入院対応」「ケアマネ面談・在宅環境整備」「看取り」のように段階に分けると無理が出にくいです。
方法2: 介護休暇と子の看護休暇を併用する
介護休暇(年5日/対象家族2人以上は年10日)と子の看護休暇は別カウントです。半日単位・時間単位で取れる企業も増えており、保育園の発熱呼び出しと通院付き添いを両立しやすくなります。
方法3: 短時間勤務・テレワーク制度をセット申請する
育児短時間勤務(3歳まで義務)と介護短時間勤務(3年間で2回以上)を組み合わせて申請する社員も増えています。「両方使う前提」で人事に相談するほうが、調整がスムーズです。
方法4: 地域包括支援センターと子育て世代包括支援センターを同日に回る
役所内の窓口は縦割りですが、ダブルケア当事者であることを伝えれば、両センターが情報共有してくれるケースが増えています。「親の介護認定申請と保育園の優先入所、両方同時に相談したい」と最初の電話で伝えるのがコツです。
→ 地域包括支援センターの賢い使い方 — 介護初心者が最初に頼る窓口
方法5: 介護保険サービスを「育児優先で」設計する
ケアマネジャーに「育児中であること」「保育園送迎の時間」を共有すると、デイサービスの送迎時間や訪問介護の枠を保育園スケジュールに合わせて組んでもらえます。**「介護プランは育児スケジュールに従属させる」**くらいが現実的です。
方法6: ファミリー・サポート・センターを“介護中の育児支援”として使う
各市区町村のファミサポは、本来は育児支援ですが、「介護で送迎ができないとき」も登録理由として認められる自治体が大半です。1時間500〜800円程度で、保育園送迎・一時預かりが頼めます(こども家庭庁「ファミリー・サポート・センター事業」)。
方法7: 配食・宅配を「介護食と離乳食両対応」で1社に集約する
ヨシケイ・ワタミの宅食ダイレクト・ナッシュなどは、刻み食・やわらか食と離乳期メニューを同便で受け取れます。買い物の往復1回が消えるだけで30〜60分の余白が戻ります。
方法8: 兄弟姉妹と「お金 vs 時間」で役割を分ける
物理的に介護できない兄弟姉妹には、デイサービス費用や帰省交通費の負担をお願いする方法があります。「不公平」を口頭で揉めるのではなく、スプレッドシートに月額換算で書き出すと冷静に分担しやすいです。
方法9: 子どもに「ヤングケアラー化」させない線引きをする
「ちょっとおばあちゃん見てて」が続くと、子どもは自分の時間を失います。子どもに頼むのは短時間・限定的・選択可能を原則に。家事や介助を任せきりにせず、必ず代替策(家事代行・ヘルパー)を用意します。
→ ヤングケアラーの支援制度まとめ — 10代・20代で介護を担うあなたへ
方法10: 配偶者と「週1回 30分」の作戦会議を設定する
ダブルケアは長期戦です。「気づいたほうがやる」だと不公平が蓄積します。週1回30分、カレンダーに固定枠を取り、来週の通院・送迎・休暇を一緒に書き出す習慣を持つと衝突が減ります。
方法11: 自分の睡眠と通院だけは絶対に死守する
ダブルケア当事者の自分の通院・歯科検診・健診は後回しになりがちです。**「自分が倒れたら全停止」**と認識し、最低限の睡眠時間(6時間)と年1回の健診を“他人の予定と同列”でブロックします。
→ 介護で寝不足が続くときの対処法 — 仮眠と分担で削れない最低限を守る
方法12: ダブルケア当事者コミュニティに登録する
NPO法人ダブルケアサポートや、各地のダブルケアカフェは、同じ時間軸で苦しんでいる仲間と話せる場です。「正解ではない選択を肯定してもらう」ことで、続ける力が戻ります。
出典: 一般社団法人ダブルケアサポート
12の方法 早見表
| # | 方法 | 主な効果 | 関係先 |
|---|---|---|---|
| 1 | 介護休業93日分割 | まとまった対応時間 | 勤務先 |
| 2 | 介護休暇+看護休暇 | 突発対応の吸収 | 勤務先 |
| 3 | 短時間勤務+テレワーク | 通勤時間圧縮 | 勤務先 |
| 4 | 包括センター×子育て窓口 | 行政手続の一本化 | 市区町村 |
| 5 | ケアプランを育児起点で組む | 送迎時間の最適化 | ケアマネ |
| 6 | ファミサポ活用 | 保育園送迎代行 | 市区町村 |
| 7 | 配食1社集約 | 買い物時間削減 | 民間 |
| 8 | 兄弟姉妹と金銭分担 | 公平感の確保 | 家族 |
| 9 | 子ども役割の制限 | ヤングケアラー化防止 | 家族 |
| 10 | 配偶者と週1作戦会議 | 不公平の早期解消 | 家族 |
| 11 | 自分の通院・睡眠死守 | 長期戦への耐性 | 自分 |
| 12 | 当事者コミュニティ | 精神的孤立の防止 | NPO等 |
「がんばりすぎない」を選んだ人たちの声
短時間勤務取って収入は減ったけど、子どもの寝顔見てから親の電話に出られる時間が戻ってきた。お金じゃなく時間を買ったって思ってる。 — Xユーザー(時短勤務・40歳女性)2026年5月
ケアマネさんに「子どもの保育参観があるからデイの時間ずらせますか」って聞いたら、即対応してくれた。最初から言えばよかった。遠慮しすぎてた。 — Xユーザー(自営業・39歳男性)2026年4月
ダブルケアでつぶれる人と、長く続けられる人の違いは、根性ではありません。**「制度を知っているか」「人に頼めるか」**の2つだけです。
今日からできるたった1つのこと
12の方法を一気にやろうとすると、それ自体が新しい負担になってしまいます。
今日できること、1つだけ提案させてください。
親の住む市区町村の地域包括支援センターと、自分の住む市区町村の子育て世代包括支援センターの電話番号を、スマホの連絡先に並べて登録する。
これだけで、「次に何かあったとき、どこに電話すればいいか」が消えます。
- 「(親の市区町村) 地域包括支援センター」で検索→登録
- 「(自分の市区町村) 子育て世代包括支援センター」で検索→登録
- 余裕がある日に、「ダブルケア中で相談したい」と一報入れる
ダブルケアは、誰のせいでもなく、誰か一人で抱えていい問題でもありません。制度と仲間にしっかり寄りかかることが、続けるための前提条件です。
あわせて読みたい
まとめ
ダブルケアは、晩産化と高齢化が重なる今、**多くの30〜40代が直面する「標準的なリスク」**です。
ポイントを振り返ります。
- 当事者は推計約25万人 — 8割が30〜40代、女性負担が突出
- 負担の本質は「複雑性」 — 育児と介護で異なる時間軸が同時に走る
- 12の方法を制度・人・お金・時間で分散 — 一つずつ取り入れる
- 行政窓口を最初に二つ押さえる — 地域包括+子育て世代包括
- 自分の睡眠と通院は死守 — 倒れたら全停止という前提
「全部やる」は持続不可能です。できる方法から、1日1つだけ。それが10年続くダブルケアを支える土台になります。