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介護用 手押し車・シルバーカーの違いと選び方 — 介護保険でレンタルできるのはどっち?

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「親に手押し車を買ってあげたいけど、シルバーカーと何が違うのかわからない」

「親の介護で足腰がボロボロです」家族介護者の中には、身体に異変が起きてから自分の疲れや限界に気づく人もいる。ここまで追い込まれると共倒れや「こんな事になったのは介護のせいだ」とストレスから虐待に発展するケースも。家族の代わりは誰にもできない。身体介護は介護サービスで負担の軽減を。 — LIFULL介護 編集長 小菅秀樹氏(X投稿・2025年11月)

家庭で「親が転びそうになった」「外出を諦め始めた」と感じたとき、最初に検討するのが手押し車(歩行器)やシルバーカーです。しかし「手押し車」「シルバーカー」「歩行器」「歩行車」は店頭や通販で混同されて売られており、見た目だけでは選べません。

実は、両者は対象者も耐荷重も介護保険の扱いも違う別物の用具。間違えて選ぶと、転倒事故のリスクがかえって高まります。

この記事でわかること:

  • 手押し車(歩行器)とシルバーカーの構造・耐荷重・対象者の違い
  • 介護保険でレンタルできるのはどちらか、自費購入が必要なのはどちらか
  • 要介護度・歩行能力別の選び方(要支援1〜要介護5まで)
  • 月額負担の目安と費用を抑える3つの方法
  • 福祉用具専門相談員に相談する流れと自宅デモの活用

手押し車(歩行器)とシルバーカーは「別の用具」 — 構造の決定的な違い

手押し車(歩行器・歩行車)とは

手押し車は、医療・介護分野で「歩行器」「歩行車」と呼ばれる用具です。両腕でフレームに体重をかけながら歩行を補助する設計で、自立歩行が不安定な方の転倒予防を主目的とします。

代表的な3タイプ:

タイプ構造主な対象者
固定型歩行器4本脚で持ち上げて進む。車輪なし立位は安定、歩行は不安定な方
交互型歩行器左右のフレームを交互に動かす室内中心の利用
4輪歩行車(ロレーター)前輪大・後輪ブレーキ付き屋外も歩く中等度の方

耐荷重は100kg前後が一般的で、身体を預けても支えられる強度があります。

シルバーカーとは

一方のシルバーカーは、自立歩行が可能な高齢者の「買い物補助」「荷物運搬」「途中休憩用の椅子」を兼ねた用具です。元々は介護用ではなく、健康な高齢者の外出サポートとして開発されました。

シルバーカーの特徴:

  • 4輪で前傾姿勢になりにくい設計
  • 座面付きで途中休憩できる
  • 買い物カゴ・財布・水筒などを収納可能
  • 耐荷重は握って押す前提で設計されており、体重を強く預けると前のめりに転倒する

つまり「シルバーカーに寄りかかって歩く」のは、設計上の想定外。歩行が不安定な方が誤って使うと、車輪が前に滑って転倒事故につながります。

国民生活センターも注意喚起

国民生活センターは「シルバーカー使用中の事故」(2018年)と「車輪付き歩行補助具・シルバーカー」(2022年)で、坂道での暴走、段差での前のめり転倒、椅子部分に座って動かす誤使用などを報告しています。歩行が不安定な方はシルバーカーではなく歩行器を選ぶのが、転倒予防の基本です。


介護保険で「レンタル」できるのは歩行器だけ — シルバーカーは原則自費

シルバーカーと歩行器の最大の経済的違いが、介護保険の対象になるかどうかです。

福祉用具には「レンタル」と「購入」があります。介護ベッドや車いすは、介護保険で「レンタル」すると1割~3割負担(購入する場合は全額自費)です。一方で、シャワーチェアやポータブルトイレなどお風呂トイレ用品は介護保険(1割~3割負担)で「購入」できます。 — 介護家族支援アカウント 藤本将和氏(X投稿・2025年9月)

介護保険レンタル対象 = 歩行器(要支援1から利用可能)

厚生労働省「福祉用具貸与・特定福祉用具販売」によると、福祉用具貸与(レンタル)の対象13品目に**「歩行器」が含まれ、要支援1・要支援2から利用可能**です。

レンタル月額の目安と1割負担額:

機種タイプ月額レンタル料(全額)1割負担2割負担3割負担
固定型歩行器1,500〜3,000円150〜300円300〜600円450〜900円
交互型歩行器2,000〜4,000円200〜400円400〜800円600〜1,200円
4輪歩行車(ロレーター)3,000〜6,000円300〜600円600〜1,200円900〜1,800円

月数百円から借りられるのがレンタル最大のメリット。さらにメンテナンス・故障時の交換・身体状況の変化に応じた機種変更も含まれます。

シルバーカー = 介護保険対象外(自費購入)

シルバーカーは厚労省告示で介護保険の福祉用具貸与・特定福祉用具販売のどちらにも含まれていません。理由は「自立歩行できる方の利便性向上」が用途であり、介護保険が想定する「要介護状態の改善・悪化防止」目的の用具と区別されているためです。

価格帯の目安:

シルバーカーのタイプ価格相場
ボックス型(座面なし・軽量)8,000〜12,000円
標準型(座面・買い物カゴ付)12,000〜20,000円
ハイバック型(背もたれ付・大容量)20,000〜30,000円

ただし自治体によっては、シルバーカー購入に対する独自助成金がある場合があります。お住まいの市区町村の高齢福祉課に問い合わせるか、地域包括支援センターで確認してください。


要介護度・歩行能力別の選び方 — 「身体に合っていない用具」が一番危険

「とりあえずホームセンターで買ってきた」「親戚のお下がりをそのまま使っている」というケースで、身体に合わない用具を使い続けて転倒するパターンが少なくありません。

「紙おむつのあて方なんて、誰も教えてくれないから…」ご主人を介護されている奥さまの一言に、ハッとしました。病院や施設から自宅に戻るときは、介護士さんから、トイレ介助や紙おむつの使い方を教わる機会があります。でも、そうした機会がないまま、紙パンツやおむつが — 言語聴覚士 傾聴するSTさん(X投稿・2026年3月)

歩行器・シルバーカーも同じです。「何を選べばいいか」「どう使えばいいか」を専門家から教わる機会がないまま自己流で選んでしまう家族が多いのが現状。以下、身体状況別の目安をまとめます。

自立度別の選択フロー

身体状況推奨用具介護保険
自立歩行可能・外出時の荷物が負担シルバーカー(標準型)対象外(自費)
自立歩行可能・途中で休みたいシルバーカー(座面付)対象外(自費)
屋内歩行は可・屋外は不安4輪歩行車(ロレーター)レンタル対象(要支援1〜)
室内でつかまり立ちは可固定型・交互型歩行器レンタル対象(要支援1〜)
立位保持が不安定歩行器+介助者または車いす歩行器・車いす両方レンタル可能
要介護2以上で歩行困難介助型車いす中心の検討車いすレンタル対象

「シルバーカーから歩行器への切り替え」のサイン

シルバーカーを使っていた高齢者の状態が変化したら、歩行器への切り替えを検討してください。以下のサインが3つ以上当てはまれば、福祉用具専門相談員に相談を。

  • シルバーカーに体重を強く預けるようになった
  • 椅子部分から立ち上がるのに時間がかかる
  • 段差で前のめりになることが増えた
  • 片手でハンドルを離すとふらつく
  • 外出をだんだん避けるようになった

費用を抑える3つの方法 — レンタル・助成金・中古市場

方法1: 要支援認定を取ってレンタル

最も負担を抑えられるのが介護保険でのレンタル。要支援1・2から歩行器は対象です。要介護認定がまだの方は、まず市区町村の地域包括支援センターに連絡を。

介護支援で紙おむつの交換をお願いすると、1回30分3000円。1日に朝夕2回で6000円 1か月30日で18万円 1年365日で219万円 介護って、たいへん。 — Xユーザー しもじさん(投稿・2025年9月)

介護にかかる費用は積み重なります。毎月の自己負担を数百円に抑えられるレンタル制度は、家計面でも積極的に活用したい選択肢です。

方法2: 自治体の独自助成金を確認

シルバーカーは介護保険対象外ですが、東京都内の一部自治体(杉並区・葛飾区など)や大阪市などで、シルバーカー購入助成や貸出制度を設けている自治体があります。「お住まいの市区町村名+シルバーカー+助成」で検索するか、地域包括支援センターに問い合わせるのが確実です。

方法3: 中古・リサイクル市場を活用

シルバーカーは中古市場が比較的活発で、メルカリ・ジモティ・社会福祉協議会のリサイクル事業などで新品の半額以下で入手できるケースがあります。ただし車輪の摩耗・ブレーキの効き具合は中古品では劣化していることが多いため、購入後に自治体の福祉センターで点検を受けるのが安心です。


次の一歩 — 専門相談員と自宅デモを使う流れ

「とりあえず買う」のではなく、専門相談員に見立ててもらい、自宅で試用してから決めるのが失敗しない王道ルートです。

5ステップで進める手順

  1. 地域包括支援センターに連絡: 要介護・要支援認定の申請(無料)
  2. ケアマネジャーが決定: 担当ケアマネが福祉用具専門相談員を紹介
  3. 福祉用具専門相談員と面談: 身体状況・住環境のヒアリング
  4. 自宅で試用(デモ): 複数機種を1〜2週間借りて生活動線で試す
  5. 正式契約・レンタル開始: ケアプランに組み込んでスタート

福祉用具のレンタルサービス・販売サービスを探す

レンタル事業者は全国に多数あり、ケアマネジャーが提携先を紹介してくれます。自費レンタルや購入を検討する場合は、以下のような介護用品専門通販で比較するのも選択肢です。

介護用品の通販・レンタルを比較する 「ダスキンヘルスレント」「ヤマシタ」「フランスベッドメディカルサービス」など、福祉用具の大手レンタル事業者は介護保険適用・自費レンタル両方に対応しています。シルバーカーは「島製作所」「幸和製作所」「ウィズワン(Wism)」が国内主要メーカー。お近くの福祉用具プラザや介護ショップで実物を確認できます。


まとめ — 「親に合った1台」は専門家と一緒に選ぶ

手押し車(歩行器)とシルバーカーは似ているようで、対象者も介護保険の扱いも全く違う用具です。間違って選ぶと転倒事故のリスクが高まり、結果として骨折・寝たきりにつながることもあります。

今日できる一歩は3つ:

  1. お住まいの地域包括支援センターに電話して相談予約
  2. ケアマネが付いていれば「歩行用具を見直したい」と伝える
  3. 福祉用具専門相談員と自宅デモを設定してもらう

費用も身体の安全も、専門家の知見を借りるほうが結局は近道です。「もう少し早く相談すればよかった」という声は、編集部にも数多く寄せられています。無理のない範囲で、まずは一本電話を入れるところから始めてみてください。


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相談窓口

窓口連絡先用途
地域包括支援センター市区町村ごと介護全般の最初の相談先
介護保険給付相談窓口市区町村役所給付・自己負担額の相談
国民生活センター 消費者ホットライン188用具のトラブル相談
福祉用具プラザ都道府県設置実物の試用・展示

本記事は介護のミカタ編集部が、厚生労働省「福祉用具貸与・特定福祉用具販売」、国民生活センター「シルバーカー使用中の事故」(2018年・2022年)、各メーカー公開仕様を元に作成しました。本記事は情報提供を目的としたものであり、医療判断・介護判断を代替するものではありません。実際の選定はケアマネジャーおよび福祉用具専門相談員にご相談ください。

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