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浴室手すり工事ガイド — 取付位置・費用・介護保険補助の使い方

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浴室は家の中で最も転倒事故が多い場所

母が浴槽をまたぐときにバランス崩して尻もち。骨折はしなかったけど、それ以来お風呂を怖がるようになって。やっぱり手すりつけるべきだったって反省してる。 — Xユーザー(在宅介護中・40代女性)2026年4月

消費者庁が公表した高齢者の事故データによると、家庭内の不慮の事故で亡くなる高齢者は交通事故よりも多いといわれます。なかでも入浴中の事故と転倒・転落が大きな割合を占めています。

出典: 消費者庁「高齢者の事故防止 — 入浴中の事故」

濡れた床、温度差によるヒートショック、浴槽の高い縁——。浴室には危険要因が重なります。手すりの設置は、このリスクを下げる最もコストパフォーマンスの高い住宅改修のひとつです。

この記事では、浴室手すり工事の取付位置・費用相場・介護保険の使い方・業者選びを、具体的な数字とともにまとめました。

この記事でわかること:

  • 浴室手すりを付けるべき5つの位置と理由
  • 工事費用の相場と介護保険でいくら戻るか
  • 業者選びの判断基準とDIYを避けるべき理由
  • 申請手続きと準備するものリスト

浴室手すりの取付位置 — 5箇所が基本

結論: 浴室の手すりは「動作の起点と終点」に付けます。 「歩く・またぐ・立ち上がる」の3動作に注目すると、必要な位置が見えてきます。

位置1: 浴室入口(脱衣所側)

濡れた足で段差をまたぐ瞬間が最も滑りやすく、ふらつきの原因になります。入口の縦型手すりは、扉を開けて浴室に入る一連の動作を支えてくれます。

位置2: 洗い場の壁面

シャワー使用時や、椅子から立ち上がるときに体を支えるための横型または縦型の手すりを設置します。シャワーチェアの位置に合わせて高さを決めるのがポイントです。

位置3: 浴槽またぎ(浴槽の縁付近)

最も事故が多いのが浴槽またぎの動作です。壁側に縦型手すりを設置すると、片足立ちのバランスが取りやすくなります。L型を組み合わせると、さらに安定感が増します。

位置4: 浴槽内(座位姿勢の補助)

浴槽内で立ち座りするときに使う横型手すり。湯船から立ち上がる動作の補助になります。浴槽の縁に取り付けるクランプ式のタイプもあります。

位置5: 出口側の壁面

入浴後に体力を消耗した状態で浴室から出るとき、もう一度ふらつきが起こりやすくなります。入口側と対称に手すりを設置すると往復動作が安定します。


取付位置と動作の対応表

位置推奨タイプ主な動作費用目安(1箇所)
浴室入口縦型段差をまたぐ・扉操作2〜4万円
洗い場縦型または横型シャワー時の支え・立ち座り2〜5万円
浴槽またぎ縦型・L型浴槽の出入り3〜6万円
浴槽内横型・クランプ式湯船での立ち座り2〜4万円
出口側縦型浴室から脱衣所へ2〜4万円

5箇所すべてを付ける必要はありません。実際に本人が浴室で動いてみて「ここで体が揺れる」と感じる場所から、優先して2〜3箇所で始めるのが現実的です。


工事費用と介護保険の使い方

工事費用の内訳

浴室手すり工事の費用は、本体価格と施工費の合計で決まります。1箇所あたり2〜6万円が相場です。

項目金額目安
手すり本体(I型・L型)8,000円〜2万円
施工費(下地補強含む)1.5万円〜4万円
出張・現地調査費0〜5,000円
合計(1箇所)約2〜6万円

3〜4箇所まとめて施工する場合は、出張費が1回で済むため1箇所あたりの単価が下がります

介護保険の住宅改修費

要支援・要介護認定を受けている方は、介護保険の住宅改修費が利用できます。

  • 支給上限: 20万円(生涯上限・原則1人1回)
  • 自己負担: 1〜3割(所得に応じて)
  • 対象工事: 手すり取付、段差解消、滑り止め床材変更、引き戸への変更、洋式便器への変更など

つまり20万円分の工事のうち、本人負担は最大でも6万円で済む計算になります。手すり工事は単価が低いため、複数箇所をまとめて1回の申請で使うのが効率的です。

出典: 厚生労働省「介護保険における住宅改修」

自治体独自の上乗せ補助

介護保険とは別に、自治体独自の住宅改修補助を併用できる場合があります。たとえば東京都の高齢者住宅改修支援は、介護保険の対象外になる工事や上限超過分の一部を補助する制度を設けている区市町村があります。

出典: 東京都福祉局(旧福祉保健局)高齢者住宅改修関連事業

申請の前に、お住まいの市区町村の高齢福祉課または地域包括支援センターで「介護保険+自治体補助」の併用可否を確認してください。

父のために浴室の手すり3箇所と、ついでにトイレもまとめて改修。介護保険使ったら全部で実質4万円ちょっと。最初は20万くらい覚悟してたから本当に助かった。ケアマネさんに相談してよかった。 — Xユーザー(父を在宅介護中・50代男性)2026年3月


業者選びとDIYを避けるべき理由

工事を頼める3種類の業者

浴室手すり工事を依頼できる先は、大きく3種類あります。

業者タイプメリット注意点
福祉用具事業者介護保険申請に詳しい・ケアマネ連携大規模リフォームは不向き
リフォーム会社浴室全体の改修も可能介護保険手続きに不慣れな場合あり
工務店・地域業者価格交渉しやすい・小回り福祉用具の知識に差がある

介護保険を使う場合は、市区町村に登録された住宅改修事業者であることが条件になります。ケアマネジャーに紹介してもらうのが最も確実です。

DIYが推奨されない3つの理由

ホームセンターには手すり本体が1万円前後で売られており、「自分で付けられそう」と考える方もいます。しかし以下の理由から、DIYは推奨できません。

  1. 下地強度の問題: 浴室の壁にはタイル・防水パネル・断熱材があり、ビスが効く下地まで届かないと体重で外れる事故につながります。
  2. 防水性能の破壊: 誤った位置にビスを打つと防水層が破れ、壁内結露・カビ・漏水の原因になります。
  3. 介護保険対象外になる: 自分で取り付けた工事は、原則として住宅改修費の支給対象外です。

ホームセンターで買って自分で付けたら、半年後にビスごと外れて尻もち。幸いケガはなかったけど、あれはダメだった。最初から業者に頼むべきでした。 — Xユーザー(自宅介護中・60代男性)2026年5月

材料費を浮かせるより、介護保険を使ってプロに任せるほうが、結果的に安全で安く済みます。


申請から工事完了までの流れ

介護保険の住宅改修費は、事前申請が原則です。工事を先に始めてしまうと支給対象外になるため、順序を間違えないでください。

  1. ケアマネジャーへ相談: 取付位置と必要性を整理
  2. 業者から見積もりを取る: 図面・写真付き
  3. 市区町村へ事前申請: 改修理由書(ケアマネが作成)+見積書+図面+現状写真
  4. 承認後に工事実施: 着工前の確認を必ず行う
  5. 工事完了後に支給申請: 領収書+完成写真+申請書を提出
  6. 支給: 受領委任払いか償還払いを選択(自治体により異なる)

事前申請から支給までは合計4〜8週間を見ておくと安全です。

出典: 厚生労働省「居宅介護住宅改修費の支給」


まとめ — 「もう一回だけ我慢」で待つほど事故リスクは増える

浴室の手すり工事は、もっと早くやればよかったと言われる住宅改修の代表例です。

この記事のポイントを振り返ります。

  1. 浴室は転倒事故が最多 — 入口・洗い場・浴槽またぎなど5箇所が基本の取付位置
  2. 費用は1箇所2〜6万円 — 介護保険を使えば1〜3割負担に抑えられる
  3. DIYは避ける — 防水層を破る・強度不足・保険対象外のリスク
  4. 事前申請が必須 — 工事を先に始めると支給されない

「父がよろけた」「母がまたぎで尻もちをついた」——その小さなサインが出たら、ケアマネジャーに相談する一歩を踏み出してください。手すり工事は、家族が安心して見守れる時間を取り戻すための投資です。


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