介護の住宅改修事例10選 — バリアフリー化の費用と介護保険の使い方
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「親の家、このままで大丈夫?」と思った時に読む記事
母がトイレで転倒して骨折。退院後に「家を改修してください」って言われたけど、何をどこまでやればいいのかわからない。費用も怖い。介護保険で出るって聞いたけど、全額じゃないらしいし。 — Xユーザー(母を介護中・50代男性)2026年3月
実家に帰るたびに「ここ危ないな」って思う場所が増えてる。浴室の段差、玄関の上がり框、トイレの狭さ。でも親は「まだ大丈夫」って言う。大丈夫じゃなくなってからじゃ遅いのに。 — Xユーザー(遠距離で親を見守り中・40代女性)2026年4月
結論: 介護保険の住宅改修費支給制度を使えば、上限20万円までの改修費の7〜9割が支給されます。 転倒・骨折を防ぐための住宅改修は、事後の医療費・介護費と比べれば、はるかに費用対効果が高い投資です。
この記事では、実際に行われた住宅改修事例10選を費用付きで紹介し、介護保険の申請方法まで解説します。
この記事でわかること:
- 介護保険で対象となる住宅改修の種類と事例10選
- 改修費用の目安と介護保険の支給額の計算方法
- 申請の流れと「やってはいけない」注意点
介護保険の住宅改修費支給制度 — 基本を押さえる
制度の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 支給限度額 | 20万円(税込) |
| 自己負担 | 1割〜3割(所得による) |
| 実質的な最大支給額 | 18万円(1割負担の場合) |
| 対象者 | 要支援1〜要介護5の認定を受けた方 |
| 利用回数 | 原則1回(転居または要介護度が3段階以上上がった場合は再度利用可) |
| 事前申請 | 必須(工事前に市区町村に申請。事後申請は原則不可) |
(出典: 厚生労働省「介護保険における住宅改修」)
最も重要な注意点: 工事の前に申請が必要です。 先に工事をしてしまうと、介護保険の支給を受けられません。必ずケアマネジャーを通じて事前申請してください。
介護保険で対象となる6種類の工事
| # | 工事の種類 | 具体例 |
|---|---|---|
| 1 | 手すりの取付け | 廊下・トイレ・浴室・玄関・階段 |
| 2 | 段差の解消 | 敷居撤去・スロープ設置・床のかさ上げ |
| 3 | 滑り防止・移動円滑化のための床材変更 | 畳→フローリング、浴室タイル→滑りにくい素材 |
| 4 | 引き戸等への扉の取替え | 開き戸→引き戸、ドアノブ→レバーハンドル |
| 5 | 洋式便器等への取替え | 和式→洋式トイレ |
| 6 | 上記に付帯する工事 | 壁の下地補強、給排水設備工事 等 |
住宅改修事例10選 — 場所別の費用と効果
事例1: トイレに手すりを設置(費用: 約3〜5万円)
状況: 要介護2の80代女性。トイレでの立ち座りが不安定で、壁を伝って移動していた。
改修内容:
- L字型手すり(便座横)1本
- I字型手すり(便座前方の壁)1本
- 壁の下地補強
費用: 約4.5万円 → 介護保険適用後の自己負担: 約4,500円(1割負担)
効果: 自力でのトイレ動作が安定し、介助の回数が減少。本人の自尊心も維持できた。
事例2: 浴室の段差解消+手すり設置(費用: 約8〜15万円)
状況: 要介護1の75代男性。浴室の入口に10cmの段差があり、またぐ際にふらつく。
改修内容:
- 浴室入口の段差解消(かさ上げ工事)
- 浴槽横にL字型手すり
- 洗い場に横型手すり
- 床材を滑りにくいものに変更
費用: 約12万円 → 自己負担: 約1.2万円(1割負担)
効果: 浴室での転倒リスクが大幅に低下。入浴を拒否していた本人が「一人で入れる」と前向きに。
事例3: 玄関の上がり框にスロープ設置(費用: 約3〜8万円)
状況: 要支援2の78歳女性。玄関の上がり框(約20cm)での昇降がつらくなってきた。
改修内容:
- 上がり框に踏み台(式台)設置
- 玄関横に縦型手すり
- 玄関外に簡易スロープ
費用: 約6万円 → 自己負担: 約6,000円(1割負担)
効果: 外出時の不安が軽減。デイサービスの送迎スタッフの介助負担も減った。
事例4: 廊下に手すりを連続設置(費用: 約5〜10万円)
状況: 要介護3の85歳男性。認知症があり、夜間のトイレ移動で壁にぶつかることが頻繁に。
改修内容:
- 寝室〜トイレの廊下に連続手すり(約5m)
- 壁の下地補強
- フットライト設置(自費)
費用: 約8万円(手すり部分) → 自己負担: 約8,000円(1割負担) ※フットライトは介護保険対象外のため自費(約1万円)
効果: 夜間の転倒がゼロに。フットライトとの組み合わせが効果的。
事例5: 和式トイレから洋式トイレへ改修(費用: 約15〜30万円)
状況: 要介護2の82歳女性。和式トイレでのしゃがみ動作が困難。
改修内容:
- 和式便器→洋式便器に交換
- ウォシュレット設置
- 手すり設置
- 床材変更
費用: 約25万円(介護保険上限20万円を超える分は自費)→ 自己負担: 約2万円(保険適用分)+ 約5万円(自費分)= 約7万円
効果: 自力でのトイレ動作が可能に。おむつ使用を遅らせることができた。
事例6: 開き戸から引き戸への変更(費用: 約5〜15万円)
状況: 要介護2の79歳男性。車いすを使い始め、開き戸が通りにくくなった。
改修内容:
- トイレの開き戸→引き戸に変更
- ドア枠の段差解消
費用: 約10万円 → 自己負担: 約1万円(1割負担)
効果: 車いすでのトイレ移動がスムーズに。介助者のスペースも確保できた。
事例7: 寝室からトイレへの動線短縮(費用: 約10〜20万円)
状況: 要介護3の83歳女性。寝室からトイレが遠く、夜間のトイレが間に合わないことが増えた。
改修内容:
- 寝室に隣接するスペースにポータブルトイレ用のカーテン仕切りを設置
- 寝室〜廊下に手すり設置
- 床の段差解消(敷居撤去)
費用: 約15万円 → 自己負担: 約1.5万円(1割負担)
効果: 夜間のトイレ失敗が大幅に減り、本人・家族双方の睡眠の質が改善。
事例8: 浴室のバリアフリー化(総合改修)(費用: 約15〜25万円)
状況: 要介護1の76歳男性。浴槽が深く、またぎ動作で転倒リスクが高い。
改修内容:
- 浅型浴槽への交換(ただし浴槽本体は保険対象外の場合あり)
- 浴室内手すり3箇所
- シャワーチェア固定金具
- 床材変更
費用: 約22万円(保険対象20万円 + 自費2万円) → 自己負担: 約2万円 + 自費2万円 = 約4万円
効果: 家族の介助付きではあるが、自宅での入浴を継続できている。
事例9: 玄関外のアプローチにスロープ設置(費用: 約8〜20万円)
状況: 要介護4の80歳女性。車いす生活になり、玄関前の階段(3段)が通れない。
改修内容:
- 玄関前にコンクリートスロープ設置
- 手すり設置
- 滑り止め加工
費用: 約18万円 → 自己負担: 約1.8万円(1割負担)
効果: 通院や外出が車いすのまま可能に。閉じこもりの防止につながった。
事例10: リビングの床材変更(費用: 約5〜12万円)
状況: 要支援1の74歳女性。畳の部屋で足を取られて転倒し、以降歩行に不安を感じている。
改修内容:
- 畳→クッションフロアに変更(約8畳)
- 敷居の段差解消
費用: 約10万円 → 自己負担: 約1万円(1割負担)
効果: 歩行時の安定感が増し、室内での活動量が回復。
費用一覧と介護保険の使い方
10事例の費用まとめ
| 事例 | 改修内容 | 総費用 | 保険適用後の自己負担(1割) |
|---|---|---|---|
| 1 | トイレ手すり | 4.5万円 | 約4,500円 |
| 2 | 浴室段差+手すり | 12万円 | 約1.2万円 |
| 3 | 玄関スロープ | 6万円 | 約6,000円 |
| 4 | 廊下手すり | 8万円 | 約8,000円 |
| 5 | 和式→洋式トイレ | 25万円 | 約7万円 |
| 6 | 開き戸→引き戸 | 10万円 | 約1万円 |
| 7 | 動線短縮 | 15万円 | 約1.5万円 |
| 8 | 浴室総合 | 22万円 | 約4万円 |
| 9 | 外構スロープ | 18万円 | 約1.8万円 |
| 10 | 床材変更 | 10万円 | 約1万円 |
親の家の浴室に手すりつけるだけで5万円かかるって聞いて高いと思ったけど、介護保険使ったら自己負担5千円だった。もっと早く知りたかった。申請がちょっと面倒だけど、ケアマネさんが全部やってくれた。 — Xユーザー(実家の親を遠距離介護・40代女性)2026年2月
申請の流れ(6ステップ)
重要: 必ず工事前に申請してください。事後申請は原則認められません。
- ケアマネジャーに相談 — 改修の必要性を相談。ケアマネがいない場合は地域包括支援センターへ
- 住宅改修が必要な理由書の作成 — ケアマネジャーまたは福祉住環境コーディネーターが作成
- 業者の選定・見積もり — 複数社から見積もりを取ることを推奨(最低2社)
- 市区町村に事前申請 — 理由書・見積書・改修前の写真等を提出
- 承認後に工事実施 — 承認が出てから着工
- 完了後に支給申請 — 改修後の写真・領収書等を提出→支給
注意点3つ
| 注意点 | 詳細 |
|---|---|
| 事前申請必須 | 工事後の申請は原則不可。急ぐ場合もまず申請を |
| 上限20万円は「生涯」の金額 | 分割利用可。ただし合計20万円を超えた分は自費 |
| 業者選びは慎重に | 介護保険の住宅改修に慣れた業者を選ぶ。ケアマネに紹介してもらうのが安心 |
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まとめ — 転倒してからでは遅い。「今」が改修のタイミング
住宅改修は、転倒・骨折を防ぐ「予防投資」です。特に手すりの設置と段差解消は、費用対効果が非常に高い改修です。介護保険を使えば、自己負担は数千円〜数万円で済みます。
今日できる一歩:
- 家の中の「危ないな」と感じる場所を書き出す
- ケアマネジャーに「住宅改修を検討したい」と電話する
- 厚生労働省「介護保険における住宅改修」のページで制度の詳細を確認する
介護の費用が心配な方は「介護費用の平均と備え方」、介護保険の使い方全般は「介護保険の使い方ガイド」も参考になります。福祉用具のレンタルについては「福祉用具レンタルの選び方」をご覧ください。
住宅改修に関する声として、もう1つ紹介します。
父が退院してから家の改修を急いだけど、介護保険の事前申請が必要って知らなくて焦った。結局ケアマネさんが病院のソーシャルワーカーと連携して、退院前に申請してくれた。早めに相談して本当によかった。 — Xユーザー(父を介護中・50代女性)2026年4月
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