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エンディングノートの書き方 — 介護の経験から伝えたい準備のこと

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「もっと早く書いてもらえばよかった」——介護の現場で何度も聞く言葉

母が脳梗塞で倒れて要介護4に。意思疎通が難しくなってから「延命治療どうする?」「保険証券どこ?」「お墓のこと何か言ってた?」と兄弟で揉めた。元気なうちに聞いておけばよかった。 — Xユーザー(母の介護経験者・50代男性)2026年3月

父が認知症になる前にエンディングノートを一緒に書いた。いま施設入所の手続きで「父はこう望んでいた」と自信を持って判断できるのは、あのノートのおかげ。書いてもらって本当によかった。 — Xユーザー(父の介護中・40代女性)2026年4月

介護を経験した多くの方が口を揃えて言うのは、**「元気なうちに本人の意思を記録しておけばよかった」**という後悔です。

エンディングノートは遺言書とは違い法的効力はありませんが、介護・医療・相続の場面で家族の判断を助ける実用的なツールです。介護の現場で本当に役立つ書き方を、この記事で紹介します。

:::callout{type=“info” title=“エンディングノートは「家族の判断材料」”} 法的効力はありませんが、医療方針・介護希望・資産の所在を共有することで、家族が迷わず動ける道具になります。財産分配の法的拘束力が必要な場合は、別途遺言書の作成を。 :::

この記事でわかること:

  • エンディングノートに書くべき項目の一覧
  • 親にノートの話を切り出すタイミングとコツ
  • 介護経験者が「書いておいてよかった」と感じた項目

エンディングノートとは何か — 遺言書との違い

基本的な位置づけ

エンディングノートは、自分の希望や情報を家族に伝えるための記録です。遺言書との違いを整理します。

項目エンディングノート遺言書
法的効力なしあり(公正証書遺言等)
形式自由(市販ノート・手書き・デジタル)法定の形式が必要
内容医療・介護の希望、資産情報、人間関係、葬儀の希望など財産の分配に限定
変更いつでも自由に書き直し可能法的手続きが必要
費用無料〜2,000円程度公正証書遺言は3〜10万円

エンディングノートは「遺言書の代わり」ではありません。 財産分配に法的効力を持たせたいなら、遺言書を別途作成してください。一方で、介護の現場で日々の判断を支えてくれるのはエンディングノートのほうです。


:::steps

  • title: “医療・延命治療の希望を書く” description: “人工呼吸器・胃ろう・心肺蘇生の希望、緩和ケアへの切替時期、かかりつけ医情報”
  • title: “介護の希望を書く” description: “在宅か施設か、希望する施設の条件、介護費用に充てられる資産”
  • title: “資産・財産情報を整理” description: “銀行口座・保険証券・不動産・借入金・年金。暗証番号は別管理”
  • title: “デジタル資産を記録” description: “スマホロック解除、メール、SNS、サブスクの一覧と扱い方針”
  • title: “葬儀・お墓・人間関係・メッセージを書く” description: “規模・宗派・連絡先、家族へのメッセージで締める” :::

介護経験者が「書いておいてよかった」と感じた7項目

1. 医療・延命治療の希望

介護が進行して意思疎通が難しくなったとき、最も判断に困るのが医療方針です。

書いておくべきこと:

  • 延命治療(人工呼吸器・胃ろう・心肺蘇生)を希望するか
  • どの段階で緩和ケアに切り替えたいか
  • かかりつけ医の情報(病院名・担当医・電話番号)

厚生労働省は「人生会議(ACP: アドバンス・ケア・プランニング)」として、本人の医療・ケアの希望を事前に話し合うことを推奨しています(厚生労働省「人生会議」)。

2. 介護の希望

書いておくべきこと:

  • 在宅介護を希望するか、施設入所を希望するか
  • 施設に入るとしたらどんな条件を重視するか(場所・費用・雰囲気)
  • 介護費用に充てられる資産はどのくらいあるか

3. 資産・財産の情報

書いておくべきこと:

  • 銀行口座の一覧(銀行名・支店名・口座番号)
  • 保険証券の所在と内容
  • 不動産の情報
  • 借入金・ローンの有無
  • 年金の種類と受給額

注意: 暗証番号やパスワードは別の安全な場所に保管してください。エンディングノートに記載すると、紛失時のリスクがあります。

4. デジタル資産

近年特に重要になっている項目です。

書いておくべきこと:

  • スマートフォンのロック解除方法
  • メールアカウントの情報
  • SNSアカウント(削除するか、追悼アカウントにするか)
  • サブスクリプションサービスの一覧

5. 葬儀・お墓の希望

書いておくべきこと:

  • 葬儀の規模(家族葬・一般葬・直葬)
  • 宗教・宗派
  • お墓の場所と管理者
  • 連絡してほしい人のリスト

6. 人間関係の整理

書いておくべきこと:

  • 親しい友人・知人の連絡先
  • 疎遠になっているが連絡してほしい人
  • 相続に関する希望(遺言書がない場合の参考として)

7. 本人の思い・メッセージ

法的効力はありませんが、家族にとって最も心の支えになる項目です。

  • 家族への感謝の言葉
  • 人生で大切にしてきたこと
  • 孫や次世代への伝えたいこと

親にエンディングノートの話を切り出す方法

なぜ切り出しにくいのか

エンディングノートの話題は「死」を連想させるため、多くの方が切り出しにくいと感じます。でも、介護が始まってからでは遅い——これが現実です。

エンディングノートの話を親にしたいけど、「まだ死なないわよ」って怒られそうで切り出せない。でも認知症になってからじゃ遅いんだよね…。タイミングが本当に難しい。 — Xユーザー(70代の両親がいる・40代女性)2026年3月

切り出し方の3パターン

パターン1: 「自分のために書く」から始める

「私も書いてみようと思って」と自分のノートを見せる方法です。親に「書いて」と促すのではなく、自分が書く姿を見せて、自然に興味を持ってもらうやり方です。

パターン2: テレビや記事をきっかけにする

終活やエンディングノートの話題がテレビで取り上げられたタイミングで、「こういうの、うちも考えたほうがいいかもね」と軽く話題にします。

パターン3: 行政のイベントに一緒に参加する

多くの自治体が「終活セミナー」や「エンディングノート書き方教室」を開催しています。第三者が説明する場のほうが受け入れやすいという方は少なくありません。お住まいの地域包括支援センターに問い合わせてみてください。


エンディングノートの選び方

市販のノート(1,000〜2,000円)

書店やAmazonで「エンディングノート」と検索すれば、多数の商品が見つかります。項目が印刷されているので、穴埋め形式で書き進められるのがメリットです。

代表的な商品:

  • 主婦の友社「書き込み式 エンディングノート」

自治体の無料配布

多くの自治体が住民向けにエンディングノートを無料配布しています。地域包括支援センターまたは市区町村の高齢者福祉担当窓口で入手できます。

デジタルエンディングノート

スマートフォンアプリやクラウドサービスでデジタル管理する方法もあります。更新が簡単というメリットがある一方、高齢者には操作が難しい場合がある点に注意が必要です。


介護とエンディングノートの実践的な使い方

ケアマネジャーとの共有

エンディングノートの「医療・介護の希望」の部分は、ケアマネジャーと共有することでケアプランに本人の意思を反映させやすくなります

定期的な見直し

エンディングノートは一度書いたら終わりではありません。年に1回、誕生日や正月などのタイミングで見直すことをおすすめします。介護の状況が変われば、希望も変わるのが自然です。

保管場所を家族に伝える

書いただけで保管場所を誰にも伝えていなければ、意味がありません。最低でも1人の家族に保管場所を知らせてください。金庫やロッカーに入れるのではなく、本棚の決まった場所など、すぐに取り出せる場所がベストです。

:::testimonial{author=“Xユーザー” role=“父を看取った経験者・50代男性”} 父のエンディングノート、本棚に入れてたけど引っ越しでどこに行ったかわからなくなった。結局、父が急変したとき病院で「延命治療はどうしますか」と聞かれて兄弟で揉めた。保管場所、ちゃんと共有しておくべきだった。 :::


あわせて読みたい

:::callout{type=“conclusion” title=“始めるなら「自分の1冊」から”} 親に勧める前に、まず自分のエンディングノートを書く。書く過程で気づいた項目を、親との会話のきっかけにする——これが一番スムーズな入り口です。 :::

まとめ — 「元気なうちに」が最大のポイント

エンディングノートは、書くこと自体が目的ではなく、家族と話し合うきっかけにしてこそ意味があります。

始めるためのステップは3つです。

  1. まず自分のノートを1冊買う — 親に勧める前に自分で体験する
  2. 書きやすい項目から埋める — 全項目を一度に書く必要はない。「かかりつけ医の情報」「保険証券の場所」だけでも十分価値がある
  3. 年に1回見直す日を決める — 誕生日や正月など、家族が集まるタイミングがベスト

介護と相続の問題については介護と相続トラブルの防ぎ方、看取りの準備については介護の看取り準備ガイドも合わせてお読みください。


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よくある質問

Q. エンディングノートに法的効力はありますか?

ありません。財産の分配や遺産相続に法的効力を持たせたい場合は、遺言書(公正証書遺言が確実)を別途作成してください。エンディングノートは「本人の希望を伝えるツール」であり、法的手続きの代わりにはなりません。

Q. 認知症が始まっている親でも書けますか?

軽度認知障害(MCI)や認知症の初期段階であれば、家族がサポートしながら書くことは可能です。ただし、判断能力が著しく低下している場合は、本人の「真の意思」かどうかが問題になることがあります。できるだけ早い段階で取り組むことをおすすめします。

Q. エンディングノートはどこに保管すればいいですか?

自宅の本棚や引き出しなど、家族がすぐに見つけられる場所が最適です。金庫やロッカーは安全ですが、鍵を家族が持っていなければ意味がありません。最低1人の家族に保管場所を伝えてください。デジタルの場合はパスワード管理にも注意が必要です。


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