介護費用の確定申告ガイド — 医療費控除・おむつ代控除の手順と注意点
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重要: この記事は2025年分(2026年2〜3月申告)の税制情報に基づいています。税制は毎年改正される可能性があるため、最終的な判断は税務署または税理士にご確認ください。
「介護費用が控除になるなんて知らなかった」——毎年数万円を取り戻せる可能性
母の在宅介護3年目。確定申告なんて会社任せで自分でやったことなかったけど、介護費用が医療費控除になるって最近知った。過去の分は…もう遅い? — Xユーザー(母を在宅介護・50代会社員)2026年2月
この声と同じように、介護費用の一部が確定申告で取り戻せることを知らない方は少なくありません。
結論から言えば、訪問看護・デイサービス・おむつ代など、かなり多くの介護費用が医療費控除の対象になります。さらに、過去5年分はさかのぼって申告(還付申告)できます。
この記事では、2025年分の確定申告に使える情報をもとに、介護費用の医療費控除の対象一覧、おむつ代控除の手順、実際の還付額シミュレーションをお伝えします。
この記事でわかること:
- 医療費控除の対象になる介護サービス・ならないサービスの一覧
- おむつ代を医療費控除にする手順と必要書類
- 年収別の還付額シミュレーション
医療費控除の基本 — 介護費用はどこまで対象か
医療費控除の仕組み
医療費控除とは、1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合に、所得から差し引いて税金を減らせる制度です(国税庁「医療費控除」)。
計算式:
医療費控除額 = 年間の医療費 − 保険等で補填された金額 − 10万円(※)
※所得が200万円未満の場合は「所得の5%」
控除の上限は200万円です。
介護サービスで医療費控除の対象になるもの
医療系の介護サービスは原則として医療費控除の対象になります。一方、福祉系サービスは「医療系と併せて利用する場合のみ」対象になるものがあります(国税庁「介護保険サービスの対価に係る医療費控除」)。
| 区分 | サービス名 | 控除対象 |
|---|---|---|
| 医療系 | 訪問看護 | ○ 全額対象 |
| 医療系 | 訪問リハビリテーション | ○ 全額対象 |
| 医療系 | 居宅療養管理指導 | ○ 全額対象 |
| 医療系 | 通所リハビリ(デイケア) | ○ 全額対象 |
| 医療系 | 短期入所療養介護(医療型ショートステイ) | ○ 全額対象 |
| 福祉系 | 訪問介護(生活援助中心を除く) | △ 医療系と併用時のみ |
| 福祉系 | 通所介護(デイサービス) | △ 医療系と併用時のみ |
| 福祉系 | 短期入所生活介護(ショートステイ) | △ 医療系と併用時のみ |
| 福祉系 | 訪問介護(生活援助中心型) | × 対象外 |
| 福祉系 | 福祉用具貸与 | × 対象外 |
| 福祉系 | 認知症対応型共同生活介護(グループホーム) | × 対象外 |
確定申告のために領収書まとめてたら、デイサービスの費用が控除対象になるケースがあるって知った。ケアマネさんに聞いたら「居宅サービス計画に医療系が入ってれば対象です」って。聞かなきゃわからなかった。 — Xユーザー(父を在宅介護・50代女性)2026年3月
ポイント: ケアプランに医療系サービスが1つでも含まれていれば、同じプランの福祉系サービスも控除対象になる可能性があります。領収書には「医療費控除対象額」が記載されているので、まずはお手元の領収書を確認してみてください。
おむつ代を医療費控除にする方法
おむつ代控除の条件
おむつ代を医療費控除の対象にするには、**医師が発行する「おむつ使用証明書」**が必要です(国税庁「おむつに係る費用の医療費控除」)。
初年度と2年目以降で手続きが異なります。
| 初年度 | 2年目以降 | |
|---|---|---|
| 必要書類 | 医師が発行する「おむつ使用証明書」 | 市区町村が発行する「主治医意見書の内容確認書」で代替可 |
| 入手先 | かかりつけ医 | 市区町村の介護保険担当窓口 |
| 費用 | 病院による(無料〜数千円) | 無料 |
おむつ代控除の手順
ステップ1: おむつの領収書を1年分まとめる(ドラッグストアのレシートでOK)
ステップ2: 初年度はかかりつけ医に「おむつ使用証明書」を依頼する
ステップ3: 確定申告書の医療費控除の明細書に記入する
ステップ4: おむつ使用証明書は提出不要だが、5年間保管する
おむつ代は意外と高額
在宅介護でおむつを使用する場合、月額8,000〜15,000円程度かかるのが一般的です。年間で10〜18万円。医療費控除の10万円のラインを超えやすくなります。
還付額シミュレーション — あなたの場合はいくら戻る?
以下は年収別の還付額の目安です。年間の介護費用の自己負担が30万円だった場合を想定しています。
| 年収(税率) | 医療費控除額 | 所得税の還付額 | 住民税の軽減額 | 合計メリット |
|---|---|---|---|---|
| 300万円(5%) | 20万円 | 約10,000円 | 約20,000円 | 約30,000円 |
| 500万円(20%) | 20万円 | 約40,000円 | 約20,000円 | 約60,000円 |
| 700万円(23%) | 20万円 | 約46,000円 | 約20,000円 | 約66,000円 |
※医療費控除額=30万円(年間医療費)−10万円=20万円として計算。住民税は一律10%で計算。
年収500万円で年間6万円の節税になるケースもあります。5年分さかのぼれば30万円です。
確定申告の具体的な手順
必要な書類
- 医療費の領収書(介護サービスの領収書を含む)
- 医療費控除の明細書(国税庁HPからダウンロード可)
- おむつ使用証明書(おむつ代を控除する場合)
- 源泉徴収票(会社員の場合)
- マイナンバーカード(e-Tax利用時)
申告方法
方法1: e-Tax(オンライン) — マイナンバーカードがあれば自宅からスマホで完結。国税庁の確定申告書等作成コーナーが便利です。
方法2: 税務署に持参 — 確定申告期間(2月16日〜3月15日)に管轄の税務署へ。相談コーナーで職員に教えてもらいながら作成できます。
方法3: 還付申告 — 医療費控除のみの還付申告は、確定申告期間に関係なく1月1日から5年間いつでも提出できます。過去分もさかのぼれるので、「今年は間に合わなかった」と思っても大丈夫です。
介護の確定申告、e-Taxでやったら30分で終わった。還付金4万円。こんなに簡単なら毎年やるべきだった。 — Xユーザー(義母を在宅介護・40代女性)2026年3月
見落としがちな控除対象 — こんな費用もOK
介護に関連する以下の費用も、医療費控除の対象になる場合があります。
- 通院のための交通費(公共交通機関の運賃、やむを得ない場合のタクシー代)
- 介護老人保健施設(老健)の入所費用(施設サービス費の自己負担分)
- 特別養護老人ホーム(特養)の費用の一部(施設サービス費と食費・居住費の自己負担額の1/2が対象)
- 医療器具の購入費(血圧計、体温計など)
介護費用の全体像については介護費用の月額平均、費用を抑える公的制度については介護のお金がないときに使える7つの制度も参考にしてください。
まとめ — まずは領収書を確認するところから
介護費用の確定申告は、知っているかどうかで年間数万円の差が出ます。
やるべきことは3つだけです。
- 手元の領収書を確認する — 「医療費控除対象額」の記載があるか見る
- おむつ代がある場合は証明書を入手する — かかりつけ医に「おむつ使用証明書」を依頼
- e-Taxまたは税務署で申告する — 過去5年分もさかのぼれる
介護保険の使い方の全体像は介護保険の使い方ガイドで解説しています。
注意: この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務アドバイスではありません。具体的な申告内容については、税務署または税理士にご確認ください。特に相続税との関係や、医療費控除とセルフメディケーション税制の選択については、専門家への相談をおすすめします。
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よくある質問
Q. 確定申告の期限を過ぎてしまいました。もう申告できませんか?
医療費控除の還付申告は、確定申告期間に関係なく、対象年の翌年1月1日から5年間いつでも提出できます。たとえば2025年分の医療費は2030年12月31日まで申告可能です。
Q. 有料老人ホームの費用は医療費控除の対象ですか?
有料老人ホームの入居費用(月額利用料)は原則として医療費控除の対象外です。ただし、施設内で受けた訪問看護や居宅療養管理指導などの医療系サービスの自己負担分は対象になります。
Q. 家族の介護費用もまとめて申告できますか?
はい。「生計を一にする」家族の医療費はまとめて申告できます。別居していても、生活費を仕送りしている場合は「生計を一にする」とみなされます。家族全員の医療費を合算することで10万円のラインを超えやすくなります。
Q. 領収書をなくしてしまいました。再発行できますか?
介護サービス事業者に依頼すれば再発行してもらえる場合が多いです。また、2017年分の申告から領収書の提出は不要になり、「医療費控除の明細書」の提出に変わっています。ただし、領収書は5年間の保管義務があります。