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看取り介護加算とは — 算定要件と家族の同意書の書き方【2024年改定対応】

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「看取り加算ってよくわからないまま署名した」——多くの家族が直面する戸惑い

母が特養に入って3年。先週ケアマネさんから「そろそろ看取りの同意書を」と言われた。看取り介護加算って何の費用?同意書に書く意味は?聞きたいけど、頭が真っ白で何も聞けなかった。 — Xユーザー(会社員・50代女性)2026年5月

施設から「看取り介護加算の同意書」を渡されたとき、多くの家族が同じ戸惑いを経験します。

看取り介護加算は、特養などで終末期のケアを受けるときに算定される介護報酬の加算です。2024年度の改定で単位数が見直され、家族の関わり方もより明確に求められるようになりました。

本記事では、算定要件・単位数・家族が署名する同意書の書き方を、厚労省資料と現場の声をもとに整理します。

この記事でわかること:

  • 看取り介護加算の制度概要と2024年改定のポイント
  • 算定の5つの要件と単位数(72〜1,280単位)
  • 家族が署名する同意書に書くべき5項目とサンプル文例
  • 施設選びで確認したいチェックリスト

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看取り介護加算とは — 制度の基礎を5分で

看取り介護加算は、終末期の利用者に施設が多職種で計画的なケアを提供したときに算定される介護報酬です。

家族の支払いがいきなり増える項目ではありません。介護保険サービスの一部として、本人の負担割合(1〜3割)分だけが自己負担になります。

看取り介護加算が新設された背景

厚労省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」は、本人の意思を尊重した最期を施設や在宅でも支えることを重視しています。日本人の死亡場所は2005年以降、自宅・施設の割合が緩やかに増加。特養での看取りニーズも年々高まっています。

出典: 厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」(2018年改訂)

こうした背景から、施設側が看取りを引き受けやすくなるよう介護報酬で評価する仕組みとして、看取り介護加算が整備されてきました。

2024年度改定で変わったポイント

2024年度の介護報酬改定では、看取り介護加算の評価が以下のように整理されました。

  • 死亡直前の手厚いケアをより高く評価(死亡日1,280単位)
  • 「看取りに関する協議の場」設置や、ACP(人生会議)の取り組みが要件に明記
  • 介護医療院や認知症グループホームでも看取り介護加算が拡充

出典: 厚生労働省「令和6年度介護報酬改定の主な事項について」

つまり、「最期まで施設で過ごしたい」という本人・家族の希望に応えやすい制度設計になっています。


算定要件は5つ — 施設要件・利用者要件・家族同意

看取り介護加算の算定には、施設・利用者・家族の3者の条件が揃う必要があります。整理すると次の5要件です。

要件1: 医師による「回復の見込みなし」の医学的判断

医師が、一般に認められている医学的知見に基づき、回復の見込みがないと診断していることが大前提です。

要件2: 多職種共同で「看取り介護計画」を作成

医師・看護職員・介護職員・ケアマネジャー(介護支援専門員)などが共同で計画を作り、本人・家族に説明して同意を得ることが求められます。

要件3: 施設として「看取りに関する指針」を策定・説明

入所時にあらかじめ「うちの施設は看取りをこう支えます」という指針を本人・家族に説明し、同意を得ていることが必要です。

要件4: 看取りに関する職員研修の実施

施設として職員研修を行い、職員間で看取りケアの方針を共有していることが要件です。

要件5: 看取り介護に必要なケアの提供と記録

実際のケアの内容(食事・排泄・体位交換・痛みの緩和など)を計画に基づいて提供し、家族へ随時情報共有・記録することが求められます。

出典: 厚生労働省「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準」(令和6年4月適用)

単位数の段階 — 死亡日に近づくほど高く

看取り介護加算は、死亡日からの日数に応じて段階的に算定されます。

区分単位数(1日あたり)主な根拠
死亡日以前31日以上45日以下72単位早期からの計画的ケア
死亡日以前4日以上30日以下144単位通常期の看取り対応
死亡日以前2日または3日680単位直前の手厚いケア
死亡日1,280単位当日の最も濃密なケア

※特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)の例。1単位=概ね10円前後(地域区分により異なる)。

出典: 厚生労働省「令和6年度介護報酬改定の主な事項について」

たとえば1割負担で14日間の看取り介護があったケース。概算で「144単位×11日+680単位×2日+1,280単位×1日=4,224単位(約42,240円)」。このうち自己負担は約4,200円です。家族が想像するほど高額ではないと知っておくだけでも、心の構えが変わります。

実際の自己負担割合の計算が不安な方は、こちらも参考にしてください。 → 介護保険の負担割合の計算方法 — 1割・2割・3割の判定基準


家族の同意書 — 必須5項目とサンプル文例

看取り介護加算で家族が最も悩むのが「同意書への署名」です。施設ごとにひな型は異なりますが、厚労省の指針および現場運用を踏まえると、以下の5項目は必ず含まれます。

同意書に必須の5項目

1. 施設の看取り指針について説明を受けたことの確認

「○○施設の『看取りに関する指針』について説明を受け、内容を理解しました。」

2. 医師による予後・状態の説明を受けたことの確認

「主治医より、現在の病状および回復の見込みがない旨の説明を受けました。」

3. 施設での看取り介護計画への同意

「多職種で作成された看取り介護計画について説明を受け、その内容に同意します。」

4. 状態変化時の連絡・対応方法

「容態が急変した場合は、速やかに家族へ連絡を受けたうえで対応方針を決定します。救急搬送の希望有無は別紙で確認します。」

5. 同意の撤回が可能であることの確認

「本同意はいつでも撤回でき、撤回後は通常の医療・介護に切り替えることができます。」

同意書のサンプル文例

実際の同意書は、以下のような構成になっていることが一般的です。

看取り介護に関する同意書

利用者氏名:_________ 続柄:_____(同意者氏名:_________)

上記の利用者について、貴施設の「看取りに関する指針」および主治医の予後説明、ならびに多職種で作成された看取り介護計画について説明を受けました。説明内容を理解し、貴施設での看取り介護を受けることに同意します。

なお、本同意はいつでも撤回でき、容態急変時には別途取り決めた連絡方法で家族へ連絡をいただきます。

同意年月日:___年__月__日 署名:_________(自署)

ひな型は施設が用意しますが、「ここを書き換えてほしい」「ここを追記したい」と申し出ても問題ありません。「点滴は希望する/希望しない」「家族の到着を待ってからエンゼルケアを行う」などを欄外に書き足す家族もいます。

同意書を書く前に確認したい3つのこと

同意書渡されてその場で書きそうになったけど、ケアマネさんが『家に持ち帰って兄弟と相談してから返してね』って言ってくれて本当に救われた。後から決められないことが多すぎた。 — Xユーザー(パート勤務・50代女性)2026年4月

同意書は持ち帰って検討できます。署名前に以下を確認してください。

  1. 本人の意思はどうだったか — 元気な頃に話していたこと、エンディングノートの内容
  2. 家族間で意見は揃っているか — 兄弟姉妹間で「延命」「自然な経過」の捉え方が違うことは多い
  3. 撤回したい場合の手続き — どこに、誰に、いつまでに連絡すればよいか

家族間で意見が割れやすいテーマです。事前に話し合っておきたい方は、こちらの記事も参考になります。 → 兄弟姉妹で介護方針が割れたときの調整方法


施設選びで確認したい看取り体制チェックリスト

「将来の看取りまで含めて施設を選びたい」と考える家族も増えています。施設見学の際は、以下の項目を確認しましょう。

確認項目質問例
看取り指針の有無「貴施設の看取りに関する指針を見せていただけますか?」
看取り実績「年間どのくらいの方を施設で看取っていますか?」
多職種連携「医師・看護師との連携体制はどうなっていますか?」
家族の付き添い「最終段階で家族が泊まり込みで付き添えますか?」
緊急時の対応「夜間に容態が急変した場合の連絡フローは?」
看取り後のケア「亡くなった後のお見送り(エンゼルケア)はどう行いますか?」

公益社団法人 全国老人福祉施設協議会の調査では、特養で死亡退所される方の割合は7割を超えると報告されています。看取り体制が整った施設なら、終末期の家族の不安は確実に軽くなります。

出典: 公益社団法人 全国老人福祉施設協議会

特養の費用感や入所までの流れは、こちらでも解説しています。 → 特別養護老人ホームの費用相場と入所までの流れ施設見学のチェックリスト — 失敗しない見るべきポイント


よくある誤解と現場の声

看取り加算って『施設で死なせる契約』みたいな響きで最初は怖かった。でも実際は、最期まで本人らしく過ごせるよう多職種でサポートする仕組みだとわかって、むしろ安心して任せられた。 — Xユーザー(自営業・60代男性)2026年5月

看取り介護加算には、家族が誤解しやすいポイントがいくつかあります。

  • 「同意したら病院に行けない」は誤り — いつでも医療機関への搬送に切り替えられます
  • 「家族が常に付き添う必要がある」は誤り — 多職種チームが中心、家族の付き添いは希望ベース
  • 「看取り加算=高額」は誤り — 1〜3割の自己負担分のみ。多くは数千〜数万円規模

施設での看取りに不安がある方は、在宅での選択肢も含めて検討するとよいでしょう。 → 在宅でのターミナルケアの進め方終末期の食事の工夫 — 食べられなくなったときに家族ができること


今日からできるたった1つのこと

看取り介護加算の説明を受けるタイミングは、突然訪れます。今日できる一歩を提案させてください。

親の入所先施設の「看取りに関する指針」を、次回の面会時にもらってくる。

これだけで、いざ同意書を渡されたときに「初めて読むので持ち帰ります」と慌てずに済みます。

  1. 次回の面会時に施設の窓口で「看取り指針を見せてください」と伝える
  2. 持ち帰って一読する(10分で読めます)
  3. 不明点を3つ書き出して、ケアマネジャーへ次回相談する

入所中の方は、これだけで「いざ」のときの心理的ハードルが大きく下がります。


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まとめ

看取り介護加算は、**終末期を施設で穏やかに過ごすための「制度的なお守り」**です。

この記事のポイントを振り返ります。

  1. 看取り介護加算は介護保険の加算 — 自己負担は1〜3割のみ、家族が高額に身構える必要はない
  2. 算定の5要件 — 医師の判断・多職種計画・指針説明・職員研修・ケア提供
  3. 単位数は4段階 — 死亡日1,280単位を頂点に、死亡前45日以内を段階的に評価
  4. 同意書に必須の5項目 — 指針説明・予後説明・計画同意・連絡方法・撤回可能性
  5. 同意は持ち帰り検討OK — 兄弟姉妹で話し合ってから署名で問題なし

「同意書」は、終わりを決める書類ではなく、最期までその人らしくいられるように家族と施設が協力する約束です。

まずは、親の入所先の看取り指針を1枚もらってくることから。その小さな一歩が、いざというときの落ち着いた判断を支えます。

介護保険の使い方を初めての人向けに解説


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